真山仁のレビュー一覧
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NHKスペシャルの「帝銀事件」を見て、帝銀事件の際の主任検事がロッキードのときの検事総長だったことを知った。そういえばこの事件についても、当時からずっと「アメリカの影」が囁かれていたのだった。
本書は経済小説の大家である著者がいつか挑んでみたいと考えていたテーマに、ノンフィクションというかたちで迫ったもの。著者は、この事件の奇妙さは、誰かがシナリオを書いたというものではない、とする(だから田中角栄は米国によって足元をすくわれた、という見方を強く否定する)。
著者は、事件の本筋はロッキードと軍用機(海上自衛隊のP3C)であり、児玉誉士夫とGHQ(G2)の福田太郎との結びつきこそが、米国が -
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ネタバレ感想
中国の急速な成長、国内格差、都市と地方の差別など様々学べる。
また、安全絶対の原発にも汚職が蔓延して、実績のない企業を使ったり、本当に中国の原発大丈夫?と心配になる。腐敗と金儲け。安全や人命は二の次。怖気がする。
あらすじ
日本の民間の原発技術者である田嶋は、日本でのプロジェクトが暗礁に乗り上げ、北京五輪に合わせて大きな原発を稼働させる技術責任者として赴任する。
一方、共産党でのし上がろうとする若手の鄧は、共産党員の不正を次々と暴いて地位を上げていた。鄧は突然、紅陽市の副書記として核電の完成と、裏の仕事として紅陽市に蔓延る不正を暴くミッションを与えられる。
田嶋は赴任後、セメント -
Posted by ブクログ
ネタバレ感想
鷲津がいよいよアメリカを買い叩く。どうにかなる精神でやってきた米国市場に鉄槌を下すため、米国名門企業の買収に乗り出す。
確かにアメリカは民間企業であっても超法規措置がまかり通るなど複雑怪奇な市場構造だ。2024年現在ではUSスチール買収は、会社を救うために日本企業が行おうとしているが、大統領選挙のために心情に訴えかけた政治案件にしようとしている大統領候補を見てため息しか出ない。
あらすじ
時はアカマ自動車の買収劇の最中。米国でのサブプライムローン問題が噴出し、爆発の時を待っていた。鷲津は市場の神様であるストラスバーグからゴールドバーグ・コールズを救済するようにお願いされていたが、自身