真山仁のレビュー一覧
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鄧学耕が 朱克明のもとに 組み込まれていく。
政治的な力学が つねに左右する。
中立や無関係は存在しない。
無口で余分なことを言わない鄧学耕。
『希望とは 自分たちが努力して 奪い取るものだ』
と 鄧学耕はいう。
希望とは 世界で最大級の紅陽原子力発電所を
稼働させることであるが、
ラジオが 発電所内に持ち込まれて、それが問題を起こす。
そのラジオは 大連市長が経営している会社のもので、
原子力発電所のスタッフにプレゼントされたものだった。
オリンピックの開会式に 発電を間に合わせることに
成功するが、そのあと ブラックアウトとなる。
一方で 大連市の市長をターゲットにして 中紀委が拘束しようとするが
中紀委の書記の寝返りで果たせなかった。
つぎつぎに 発電所内で 火災が発生し 爆発をおこす。
鄧学耕と 田嶋はこの危機を どうのりきるのか。
中国という国を 中紀委 という視点を入れて
眺めたことが この作品の特徴であり、優れたところである。
田嶋と言う 優れた日本人が 描かれているが
鄧学耕は スーパーエリートであるが,柔軟性もあり,
このような中国人が本当にいるのか と疑わざるをえない。
あまりにも,日本人的な思考力である。
それでも,いい作品であることは確かだ。 -
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中国の実像をとらえるには むつかしいとおもう。
二人の主人公 日本人の技術顧問としての田嶋。
特命副書記 鄧学耕。
『切れすぎる刃物は、切れない刃物より使いにくい。』
というが、二人は 切れすぎながら 切れないような見事なキャラクター。
田嶋は 先頭に立って 行動する現場主義者。
中国人と融合して,中国人の面子も守りながら,根回しする。
鄧学耕は 情報収集能力があり、分析力や局面判断が巧みだ。
そして,クールでもある。規律もしっかり守る。
このような 中国人がいること自体が おそれおおい。
2008年に オリンピックがあり、
それに会わせて,世界最大級の原子力発電所をつくると言う。
ズサンで,手抜き工事が多く,品質を問題としない
同時に 安全という概念がない中国での日本の技術者の悪戦苦闘。
上から目線や中国人への蔑視がある日本人は,叩きのめされる。
それを 『希望』 という言葉で,深く結びつこうとする 鄧学耕。
遼寧省の書記 朱克明 は 李克強。共青団
大連市市長 趙凱陽 は 薄煕来。解放軍に力があるオトコ。
がモデルになっているのかな。
李寧寧という 紅陽市の女帝が どんな風になるのか?
それにしても 鄧学耕は、信念のオトコであり,
妻に罵倒されようと ただひたすらガマンする。
中国人的ではないような気もするが。
物語の幅を ひろげている。 -
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(上下巻合わせてのレビューです。)
真山さん最新の文庫本。
実は文庫化が待ちきれなくて、
映画まで見に行った作品(しかも一人で)。
予想通りというか期待通り、文句なしの★5つです。
日本の架空の自動車メーカー(アカマ自動車)をめぐる
主人公ゴールデンイーグルと中国ファンドの大買収合戦劇。
中国という国家の大きさや複雑さが物語に表現されていて、
今まで以上のスケールの物語になっています。
ハゲタカシリーズもこれで3作目。
もう続編はないのかなぁ。。
なかなかこれまで以上の作品を出すのは難しいですが、
真山さんには頑張ってもらいたいなぁ。。
(なんて、思っていたら、続編が次々に出ているようです。楽しみ!) -
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再び真山仁さんの作品
テーマはマスコミ・ジャーナリズム・報道
いまさら、マスコミとはどうあるべきなどという主張はしない。しかし、前日亡くなった筑紫哲也さんに関する特番で彼がジャーナリズムのあり方として権力の監視(watch dog)を貫くという言葉が紹介された。
戦前の日本は政府主導の情報のみが報道されるという状況があった(他の全体主義国家も同様)
そこからも分かるようにマスコミの役割は重要だ。
本書のテーマの一つに以前、坂本弁護士一家殺人事件ではTBSがオウム真理教関係者に弁護士の発言のビデオを見せたことは大きな波紋を呼んだ。
また、イラク日本人拉致事件で、自己責任論によって被害者、またその家族に対する行き過ぎたバッシングが起きたりと、現在の日本の報道に関しても議論がなされた。(政治家の責任転嫁が問題になりましたね。政治家の責任放棄ともいえます。)
政治家、官僚、マスコミの関係など面白い支店で書かれており、勉強になります。3社の関係と報道精神の折り合いなど、理想と現実の間で苦しむ報道マン達の戦いに感情移入してしまいました。
今でもA新聞の左寄りっぷりなど様々な問題もあるが、マスコミには正義を貫いてほしいですね。(そもそも正義ってとの立場によってどういうようにも言えますが)
マスコミに興味ある人はぜひ! -
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感想
ラピダスがそんな状況ではないことを祈りつつ読む。
台湾半導体のワーストケースシナリオ見たいな感じね。
ベネズエラの件まで入っているなんて小説書きながら修正している感じ?すごいな。面白かった。
あらすじ
SFCの社長のタンに近づいたのはCIAの工作員だった。SFCが混乱する中、鷲津はキーマンと見ているチャールズに近づく。CEOを解任されたピーターは鷲津に会い、SFCに触れるなと言う。
フェニックスは韓国KSPが経営破綻して八方塞がりになっていた。工場も全く稼働せず人が離れていっていた。鷲津はKSPの支援を韓国政府に打診する。SFCもアメリカ工場が上手く稼働しない状態だった。鷲津はシンガポールに出資したスタートアップの早乙女の会社を訪れ、2ナノ以下の半導体の取り組みを視察する。
鷲津は破綻したKSPを予定通り買う。また、飯島に作戦を立ててもらい、フェニックスを揺さぶる。未公開株を取得し、政府からも株を買い、現経営陣を追い詰める。FSCはアメリカ大統領から最新鋭の機器をアメリカに設置するよう圧力を受ける。それに対して中国からも最新の機器設置を求められる。米中の板挟みになる中、FSCトップのマークとピーターの仲も険悪になる。一方、鷲津は玉山基金に入るはずの株を狙って着々と準備を進める。ジェシーの遺言にあった通り基金の理事に堀の妻を据えようとする。
SFCが混乱の最中、上海のハゲタカファンドが遺族の株を取得して、株式買付を名乗り出る。鷲津は残りの遺族と基金を説得し、SFCの役員を解任になったチャールズをフェニックスのCEOに祭り上げてファンドを設立し、台湾人によるSFCの統治を実現させる。一方でフェニックスにはKSCの精鋭とシンガポールから集めた早乙女の専門家、SFCから技術者を引き抜き、フェニックスの再生をぶち上げる。 -
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感想
今度は半導体!これは勉強になる。
アメリカ、中国を巻き込んだビックディールに鷲津はどう立ち向かうのか?
いつもながらにエンジンがかかるのが遅い。
あらすじ
台湾半導体製造のジャイアントテックFSCはアメリカと日本から工場の建設を誘致されていた。日本のフェニックスは失った輝きを取り戻すため、工場を建設していたが、人材が集まらないでいた。
鷲津は、師と慕う堀の死に際に台湾の会社を助けて欲しいと頼まれる。フェニックスの大谷は、FSCの創業者のジェシーに業務提携を持ちかけるも、現役に任せると言われる。現CEOからは断られてショックを受ける。鷲津は堀の遺言を受けてジェシーに会う。ジェシーに会社を救って欲しいと堀に言われたと言うが、ジェシーは否定する。
国連で紛争解決に取り組んでいた相模は、東アジアの平和のためにFSCを買収して欲しいと鷲津を訪ねるも門前払いされる。フェニックスの大谷は韓国のKSPと業務提携を結ぶ。ジェシーはチャールズという若者を側近にして様々なことを伝える。
台湾で大地震が発生し、FSCの工場で火事が起きたというデマが流される。アメリカと中国も動き出し、空売りをかける。中国の王烈は勝手に鷲津との提携のデマを流す。鷲津はここぞとばかりにFSC株を買い、ホワイトナイトの名乗りを上げる。地震でジェシーが怪我を負い、亡くなる。
ジェシーが亡くなり、一枚岩と思われたFSCは混乱に陥る。CEOのピーターが中国の会社と業者提携を発表したり、政治と距離を置いてきたのにピーターが総統を連れてきたりで混乱する。鷲津はジェシーの側近だったチャーリーに支援を申し出るも断られる。鷲津は時を待つ。ジェシーの遺言はチャーリーに株式の5%を、チャーリーが理事長を務める財団に15%を、遺族に20%を渡すが、遺族に財団に株を売るように進める遺言があった。 -
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鷲津の恩師、堀氏からの遺言でFSCを救ってほしいということが発端で、最先端半導体を巡る米中の争いに巻き込まれた台湾の救済に奔走する。
いつものように鷲津率いるサムライキャピタルのメンバーが緻密な戦略と情報戦の末、勝利を収めるが、過去作品と比べると敵側の怖さがあまり伝わって来なかったので、前作と比べると迫力が無かったように思える。
とはいえ、人を動かすための信念や、人生哲学といったものは伝わって来て、エピローグにあった鷲津の人物評価についても腹落ちする部分があった。
赤間自動車や曙電気、タングルで登場した早乙女教授等、これまでの歴史で鷲津が手掛けた会社が登場するのもシリーズモノならではと感じた。