真山仁のレビュー一覧
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「ハゲタカ」シリーズのスピンオフ作品。
鷲津は名前が触れられるだけで、世界的リゾートグループのリゾルテ・ドゥ・ビーナスの傘下となったミカドホテルを取り戻そうとする松平貴子が主人公。
中国の大富豪から救済策が提案されるが、彼の真意は?
誰が味方で誰が敵か、松平貴子はミカドホテルを取り戻せるのか、日本とフランスを舞台に虚々実々の戦いが繰り広げられる。
題名の「ハーディ」とは、スコットランド人の元恋人が貴子を評した言葉だった。
「HARDY、元々は我慢強いという意味だが、図々しいと言う意味もある。他には、耐寒性という意味もある。耐寒性というのは、君にぴったりだ。寒くてもじっと我慢して耐えている。その -
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「ハゲタカ」シリーズ 「シンドローム」を読み、鷲津政彦のビジネスにおける類いまれな完成された能力に魅了され、そこに至る彼の謂れを知りたく、今まで未読だったシリーズを遅まきながら読むことに。
彼はアメリカに在住し、元々ピアニストだったが、アメリカ屈指のレバレッジファンドのトップからその才能を見出されて、この道に入ったとは。
数年のうちに米国屈指の企業買収者となった彼は、「10年で日本をバイアウトする」と豪語し、バブル崩壊後の日本に戻る。
そして彼は宣言通り次々に企業買収の成果を上げる。
そこで登場する銀行や商社などは、実在の名前をもじっており、その当時のあの出来事かと、合点しながら読み進めた。
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『そして、星の輝く夜が来る』を始め、”震災”を描く3部作を著している著者が、「ハゲタカ」シリーズでついに東日本大震災を取り上げた。
小説ゆえ、電力会社名は首都電力、原発設置県は磐前県としているが、その起きた事態は、東日本大震災そのもの。
上巻では、鷲津の行動は脇役的で、頁の大半を占めるのは事故の起きた磐前第一原子力発電所での所長を中心としたスタッフたちの懸命な作業や、広報室社員それに新聞記者の行動などの群像劇。
その迫力ある描写は、官邸や時の総理の馬鹿げた行動など当時そのままであり、小説ではなくドキュメントのよう。
震災支援にNPO団体を立ち上げた鷲津が、危機に瀕したこの首都電力をどのように扱 -
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昭和を代表する疑獄「ロッキード事件」
多くの容疑者が結審前に亡くなったため、騒いだ割には最後がどうなったかがよくわかっていない事件。
ロッキード事件と言えば、田中角栄の逮捕、有罪が印象に残るが本当に田中は有罪だったのか?が興味深く掘り下げられている。
読後の印象では私は田中は無罪だったと思う。
当時の検察の取り調べ方法、証拠の裏付け、同調圧力、世論の目などで「田中憎し、有罪にすべし」が大衆の大きな声だった。
くしくも兵庫県知事選挙でパワハラで失職した斎藤元知事が再選したが、この騒ぎも証拠もなく一方的な意見ばかり取り上げ、まるで事件を作ったかのような印象を持つ。
話を戻すと、田中角栄が「 -
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希少燃料資源が発見されたという東南アジアの架空の国=メコン共和国で、その利権を巡って英国と米国との思惑がせめぎ合う過酷な国際政治を描き出した政治小説。
独裁国家のメコンで民主化に向けた大統領選が予定されるが、民主化の希望の星=候補者ジミー・オハラが帰国するや射殺される。
彼の息子ピーターも、日本の大学で意気投合した犬養渉とともにメコンへ。
英国、米国の諜報部員に、メコン国の現大統領や軍参謀本部特殊部隊長、秘密警察長官など、様々な人物が入り乱れ、誰が味方で誰が敵か、混迷をつげる情勢の中で渉とピーターの運命は。
権威主義国家メコンの荒廃とともに、民主主義国家の暗部をも焙り出す。
「あんたら欧米列強