真山仁のレビュー一覧

  • プライド

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    ネタバレ

    「一俵の重み」のような、いい意味での「プライド」を主題にした短編集ばかりかと思ったらそういう訳でもなかった。とはいえ、タイトルにもなっている「プライド」を始め、全体的に面白かった。
    「暴言大臣」やショートショート的な「歴史的瞬間」など、ブラックな話もなかなか秀逸。

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    2023年08月30日
  • 標的

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    日本初の女性総理候補、特装検事、新聞記者。三者の視点で物語は進んでいく。サービス付き高齢者向け住宅、いわゆるサ高住をめぐる権益。社会派テーマではあるがページをめくる手が止まらなかった。読んでほしい。

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    2023年08月16日
  • “正しい”を疑え!

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    自己啓発本
    でも勇気をくれる。

    正しいが気になるのは自信がないから
    自信とは、自分を信じること。
    色々考え、試行錯誤して、確かめながら生きていく。
    そのためには、頑張っている自分を信じることが必要。 他人の意見をしっかりと聞き、頭から否定するのではなく異なる意見として受け入れられる広い視野と懐の広さを持つ。

    想像力を持って自分の未来を描き、実現できるように頑張る。
    どうせなら生き甲斐やモチベーションがあるほうが楽しいし、生きる張り合いも生まれる。

    自分の人生なんだから、自分で道を狭くしない。
    いつでも可能性や選択肢は沢山ある。
    未来を考えるときにも、柔軟な多様性をもって、「やりたいこと」が鮮明になり、チャレンジ精神も湧いてくる。

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    2023年04月23日
  • ベイジン(上)

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    この作品は2008年が舞台なので今から約15年前の設定だが、中国という国の官僚主義、拝金主義、原発の難易度の高さなどはほとんど変わっていないのではないか。変わったのは15年前よりも中国の国際的なステータスが上がった事だろう。
    そういう意味ではこれから先は中国との付き合い方はもっと難しく重要になる。
    この作品はそれらを題材にしながらも、根底には国家を超えた人間同士の信頼関係や絆を築き得るというメッセージが込められている。
    蛇足になるが最後の終わり方は賛否両論あるだろう。私個人はもう少し最後まで書いてほしかった。

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    2023年04月21日
  • コラプティオ

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    震災後の日本を復興に導くカリスマ総理・宮藤。若き指導者に国民からの支持が集まるが、新聞の特ダネ記事が官邸の暗部を暴き出し…。

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    2023年04月20日
  • 売国

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    特捜部に赴任した気鋭の検察官・冨永真一。宇宙開発の最前線に飛び込んだ若き女性研究者・八反田遥。ある汚職事件と友の失踪がつなぐ2人の運命。正義とは何か? 国益とは何か?

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    2023年04月20日
  • 神域

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    ネタバレ

    登場人物が多いのと、架空の組織の名前など頭に入りづらいところはあった。アルツハイマーを治す薬の研究者。アルツハイマーの高齢者が失踪して数ヶ月後に見つかるのに、健康そうで身なりも悪くないということに違和感を抱く刑事。新薬を生み出すことをビジネスとしか思わない偉そうにしている人たち。安全性を担保されなくても今の苦しい状況から逃れる可能性があるならやって欲しいと思う人たち。面白く読めたが、権力がものを言う的な最終局面が残念。

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    2023年04月06日
  • バラ色の未来

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    総理にIRについて指南し、信頼を得て、地元にIR誘致させようとした青森県の片田舎の町長がホームレスとなり、公園で野垂れ死にする。
    総理が態度を翻し、お膝元の山口県に最初のIRを立ち上げたことが背景にあった。
    IR推進法を巡っては、アベノミクスの成長戦略の一環として期待される一方、今もカジノに関するギャンブル依存症の懸念が拭いされていない
    また、広告代理店、経営会社、政治家などの間で利権の奪い合いが生じる。地方創生の旗印のもと、中央が進めるプロジェクトに踊らされて、地方が利権争いに巻き込まれる危険性も秘めている。
    この小説は、そんなIRやカジノがはらむ社会的な問題を関係者の絡み合いや駆け引きを通して、浮き彫りにしていく。
    著者は、裏で暗躍する広告代理店に対してギャンブル依存症を糾弾する姿勢で真相を暴こうと対峙する新聞記者の活躍に力点を置いている。 自分としては、それが小気味良く感じて好感を抱いた。
    最後に、記者たちが不実や汚職に関する証拠を提示し、総理を追い込む場面は胸のすく思いがしたが、辞任するかどうかまでは描かれていない。「政治家の行動は読めないが、監視を続け、不正があった際は容赦しない」とベテラン記者がラストに胸中を語る言葉に著者が記者出身であることの矜持をお持ちなのだろうと感じた。

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    2023年04月02日
  • “正しい”を疑え!

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    子供向けの本だけど、大人になった自分にも参考になる事が多かった。

    腹を割って話せば分かると思う日本人と、分かり合えない前提で妥協点を探す欧米。
    騙す人が悪い日本と、騙す人は頭がいい中国。
    情報は、発信者によって歪められている事。
    など、子供の時から知っておくと良さそうなことばかり。

    あと、小説を通して様々な人の擬似体験をする事が有益性も、多くの人が言っている。
    アガサクリスティー推しも納得。

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    2023年02月19日
  • マグマ

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    この小説が、3.11原発事故よりも前に書かれていたことに、著者の先見性の確かさを見る。
    『ハゲタカ』シリーズの著者が、火山大国である日本で地熱発電がなぜ発達してこなかったのかを明かし、原発という禁断の火を手に入れてしまった我々は後戻りできないのだろうか、そんな問いかけを迫る経済情報小説。
    ファンド会社の上司から地熱発電会社の再生を指示された主人公野上妙子。
    彼女が、地熱発電研究の第一人者者や日本地熱開発社長とともに、再建を果たすまでを描く。
    小説内で、地熱発電の問題点として3つあげられている。一つは、コスト的ハンディが大きく、事業として魅力がないこと。二つ目は、政府の温暖化対策である助成措置の対象外であること。三つ目は、国立公園の制約。
    一方、原発については、利権構造と権力構造が生んだ悪魔の選択だとし、莫大な国の補助金がつぎ込まれながら、使用済みの核燃料の処理方法も確定せず、老朽化した原発の処理問題も未定のまま、地球温暖化対策の切り札としてベースロード電源に位置づけている現状を、小説内の人物に告発させている。
    ロシアによるウクライナ侵略での資源危機から、原発推進に拍車がかかるいま、気象に左右される太陽光発電や風力発電より、気象の影響を受けない地熱発電に再度注目する必要があるのでは。
    利権が絡み、電力業界の負け犬とされる地熱発電を、抵抗勢力などの様々な障害を乗り越えながら、事業として軌道に乗せようとする主人公たちの活躍に、称賛しながら読み終える。
    「大枚をドブに捨ててでも、子孫のため、地球のために便利さに背を向ける選択をする勇気を持つ人間がどれくらいいるか」、そんな問いかけに「自分たちが果たすべき責任」を意識しなければならないだろう。

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    2023年02月15日
  • “正しい”を疑え!

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    正しい、と言われていることをそのまま信じるのではなく、知見を持って疑おう。そのために小説を読んで疑う力を鍛えよう。という主張。
    ツッコミどころなのかわかりませんが内閣総理大臣は国民の選挙で選んでいません。

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    2023年02月05日
  • そして、星の輝く夜がくる

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    被災地の小学校へ、支援の一貫としてやってきた小野寺先生。
    彼もまた、阪神淡路大震災で妻と娘を喪った経験を持つのだった。

    まもなく大震災から12年。
    もう12年なのか、まだ12年なのか。

    フィクションだけど被災地での問題や課題がリアルで、読み進めるのが辛い人もいると思う。
    あの日東京にいたに過ぎない私ですら胸にくる描写がいくつもあり、割りきってページを捲らないと頭の中が津波や火災や瓦礫、何もなくなった海外の映像でいっぱいになってしまった。

    小野寺先生は学校の子供たちを励まし励まされ、自分の傷も癒えてないのに生きていこうとしている。
    小野寺先生にとっての子供たちのような心の拠り所がないと、足を一歩前に出すことすらできないかもしれない。
    誰かのために生きようとすることは、例えそれが自己満足や偽善のように感じて自分が嫌になることがあったとしても、生きるための立派な理由だと思う。

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    2023年01月21日
  • ハゲタカ2.5 ハーディ(下)

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    なるほど、こう描き繋げたか。
    面白い、本編を更に盛り上げる。でも個人的にはちょっと人が亡くなりすぎかな。

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    2023年01月18日
  • ハゲタカ2.5 ハーディ(上)

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    ハゲタカシリーズのスピンオフ。本編シリーズと当たり前だけどリンクしながら、謎であった部分が見えたりして軽快に読める。後は下巻に期待。

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    2023年01月17日
  • プリンス

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    真山さんの文章は少し硬い感じがします。
    ですが、展開、筋回しが、巧妙で読後感は非常に良かったです。話の展開は少し出来過ぎ面はありますが、政治は諦めるものではなく、信じて進んで行くものだというメッセージは私の考えと同じなので、結末の共感は大きかったです。
    氏の他の最新咲くも読んでみたいと思いました。

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    2023年01月16日
  • レッドゾーン(下)

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    色々と巻き込みながらだったので、理解するのでいっぱいいっぱい。
    伏線?みたいな話が多いので、下巻もなかなか濃い内容だった。

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    2023年01月16日
  • ハゲタカ2.5 ハーディ(下)

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    ハゲタカシリーズのスピンオフ作品。
    上巻ではバラバラと思われたストーリーも1つに最終的にはまとまっていた。
    しかし、その分、話があっちこっちにいくので、整理が大変だった。
    アランの死の真相も分かったが、他の人も含め、無理やり死の描写を描いているように思えた。
    サスペンスの部分はかなり強引だったと思う。

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    2023年01月03日
  • マグマ

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    再生可能エネルギーの一つとしての地熱発電について学ぶために八丈原地熱発電所に見学に行った際に、この本を知りました。この作品が書かれたのは2006年。2023年の現在は、原発の全停止を経て、電力自由化、再生可能エネルギーへのシフトが進む一方で、脱炭素と資源高への切札として政府と電力会社が原発再稼働を進めている。そして地熱発電の発電能力は2006年当時と変わっていない‥。地熱発電や原発のあるべき位置付けはどこなのか……。いろいろ考えました。
    物語的には、ラストに向けて展開を少し急ぎ過ぎた感じが。
    電力業界の10数年の環境変化を踏まえて、続編が出ないかな。

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    2023年01月03日
  • レッドゾーン(下)

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    日本最大の自動車メーカー、中国の国家ファンド、香港富豪、米国最大のファンドと、壮大な内容にどう落とし前つけるのか、、と思いながら読み進めていましたが、なるほどです。中国国家を巻き込んでこんなに上手く行くのかというのはありますが、相変わらずの期待を裏切らない面白い展開でした。著者の綿密な事前下調べに敬服です。最後のアカマ自動車の社長室長の一言。鷲津さんどうするんだろう??

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    2022年12月31日
  • 神域

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    アルツハイマー病で死滅した脳細胞を再生させる研究所の役員や研究者たち。
    先端医療産業開発機構の役員。
    総理大臣、秘書官や内閣参与など日本政府関係者。
    さらに、宮城県警及び宮城中央署の刑事たち。
    登場人物の多さに、名前を覚えきらない読み手(もの忘れな高齢者)には、便利な登場人物の一覧があり、大いに助けられた(笑)。
    死滅した脳細胞を再生させる研究を行っている研究所の周りで、アルツハイマーの高齢者が次々と行方不明になる。不審を持った楠木警部補が捜査を始める。
    ミステリアスな事件が連続する一方で、研究者たちが開発した人工万能細胞「フェニックス7」の是非を巡って日本政府内での主導権争い、さらにはアメリカ政府の策謀も絡んできて、事態は一挙に国際的となる。
    医療小説と警察小説、さらにビジネス小説の側面もある。
    先端生命科学分野で新進気鋭のシノヨシと呼ばれる篠塚幹と秋吉鋭一が医療小説での主人公なら、警察小説では宮城県警宮城中央署の楠木警部補が主人公で、ビジネス小説分野では先端医療産業開発機構の麻井義人が主人公。
    高齢者の失踪は、シノヨシたちの研究及び研究者と関わりがあるのか。現代の創薬と捜査ミステリーを融合した、著者らしい骨太なエンターテイメント。

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    2022年12月30日