真山仁のレビュー一覧
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仕事と食事以外の時間は全てハゲタカシリーズ時間。
20年以上前に発行された本書を読んで、社会全体に影を落とし、騒がれた様々な政治社会の出来事が蘇ってくる。
日本はバブル後の金融破綻、負債処理に長く時間がかかり今や失われた30年とも言われるが、変化を受け入れることに非常に慎重であり、責任所在の曖昧さ、意思決定の遅さなど、この時代に日本に参入してきた欧米人に日本は非常に異質で理解しがたい国と映ったのではないかと思う。
ハゲタカⅡは企業買収、再生の攻防はさることながら、アランの死を契機に鷲津が生き場所を彷徨う姿になんとも言えない気持ちで読み進めましたが、リンや仲間と再出発となり、誰と働くかの大切さを改めて感じました。 -
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久しぶりに寝る間も惜しんで一気に読み倒し、現在ハゲタカⅡの下巻を読んでいます。急に経済小説の面白さにはまってしまい、これから読み漁りそう。
ハゲタカシリーズはドラマ化され、多くの方がレビューされているので、備忘録として以下記録したいと思います。
堺憲一氏によると、日本では企業や経済を扱った小説を経済小説といい、ジャンルが確立されているそうです。
【第一世代】1960年代前後に登場するパイオニア世代
城山三郎氏、山崎豊子氏はこの世代
【第二世代】高度成長が終焉し、安定成長期に入った70年代中盤期以降
高杉良氏、堺屋太一氏など
【第三世代】80年代以降に登場。バブル時代の時期
【第四世代】90年代半ば以降に登場
真山仁氏、黒木亮氏、幸田真音氏、橘玲氏、池井戸潤氏、牛島信氏
【ニュートレンド世代】90年代後半から2000年以降に登場
という潮流があるらしいです。
※上記情報は堺憲一氏の大学研究室HPに詳細に整理されています。
個人的には社会経済がグローバル化し国際政治社会を背景にしたダイナミクスを感じる第四世代の小説が好みです。ただ、この時代に出てくる海外といえば主に米国、そして中国。
現在はこの時代から20年も過ぎており長く続いた産業革命から情報産業革命への過渡期にいます。世界における日本の立ち位置や役割も変化し、グローバル化の進展はあらゆる面で急速に進んでいます。また日本は成熟社会に突入し、人口減少、少子高齢化、地域格差、過疎化が進んでいます。
一読者としてはこうした社会の変化を背景に、今後どのような社会課題に焦点を当てた経済小説が出てくるか楽しみです。 -
Posted by ブクログ
最近読んだ福田和代著『バベル』がコロナウイルスによる緊急事態宣言下の現代日本と相似形をなすなら、本書は明日の日本を示しているのだろうか。
国の借金が1千兆円を超え、財政危機の日本。
迫りくる財政破綻を打破しようと、時の総理がオペレーションZと名付けられた一般会計歳出半減断行を宣言する。
「Zには、後がないという意味がある。私たちの国は絶体絶命で、後がないという作戦を遂行せよという意味だ」
その内訳は、社会保障関連費と地方交付税交付金をゼロにすること。
その実現のためのチームOZが結成されるが、野党ばかりか与党や閣僚からも反対の声が沸き上がる。
果たして、この作戦は成功するのか、スリリングな展開に固唾をのみながら頁をめくる。
現実に目を向ければ、コロナ禍の今、事業者や国民を救済するためにと政府は赤字国債の発行に迫られている。ますます膨れ上がる国債残高。
小説の世界が現実化し、財政破綻に直面するのか。
「今、そこにある危機が迫っている」
小説内で、総理が訴える。
「私たちの未来のために、これまで目を逸らせてきた大問題」と向き合わないと、手遅れになってしまう。
その感がいや増す読後である。 -
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ネタバレ4
三葉銀行専務飯島に迫る鷲津。戦前から連綿と続いていた政府や軍閥などの私腹を肥やすための貯金箱となりマネーロンダリングの温床となった匿名口座を担当していた飯島。それを告発しようとして自殺に追い込まれた鷲津の父花井淳平。お前は正義のために死ねるか。今の時代に大切なのは正義や。因縁が明らかに。えびす屋芝野の話やミカドホテル松平貴子の話、太陽製菓の話も含め、要素が混ざり合いなかなか面白い。ニューヨークに帰るリンと別れた鷲津。続きも読みたい。
80年代に米国で一世を風靡したLBO敵対的買収は、遺恨を遺す、同業者も入り買収価格が上がる、従業員の士気の低下、ブランドイメージの低下などのデメリットが多く、企業再生としては原則とらない手段。年金基金や共済基金は利潤追求ではなくきれいなビジネスを求めるため敵対的買収などは禁止されていることが多い。 -
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ネタバレハゲタカ上
3.5
ハゲタカビジネス、企業再生ビジネスを描いた企業小説。経済の知識がつくのもあるが、小説としても面白い。ニューヨークの投資ファンドで名を上げ日本に戻った鷲津政彦、リン、芝野、飯島、貴子などのキャラや因縁など。実際の企業名が少し変えて書いてあり、事実になぞっている部分もあるよう。三葉銀行退職しえびす屋役員になった芝野、自分達大人は若い世代に胸を張って己の生き様を誇れるだろうか。闘うことも挑戦することもせずにただ自分達の都合の良い結果だけに満足して先に進むのを避けている。
スーバーえびす屋社長瀬戸山、自分の能力を過信し、部下の言葉を信じすぎ、社会の流れを見誤った。これは全て経営者失格の条件。
アメリカでも日本でも、自己主張、自意識過剰、嫉妬で渦巻いている投資銀行では、人の手続きは大事。人の立場を考える。
バイアウト企業買収、ターンアラウンドマネージャー企業再生家
デューデリ:精査。債権自体の精査と債権に付帯した担保不動産の鑑定など。
バルクセール:不良債権などを含む債権一括してセットで売ること、レバレッジ:梃子。投資案件を担保に市場から資金を調達すること。2%程度の低金利で市場から資金調達し、10%程度のリターンを求められるファンド資金に上乗せし、全体としてリターン比率を下げる手法がある
変額保険:保険の予定利率を株価などの運用利回りにスライドさせる利回り変動型保険。80年代後半に流行り、高利回りを餌に土地を担保に大型フリーローンで億単位の保険契約を結ばせたがバブル崩壊で元本割れして利回りが払えなくなった。
PE(プライベートエクイティ)を活用した企業再生ビジネス:日本の銀行が投資ではなく担保で融資するのに対して、該当企業を徹底的に調査し投資に見合うリターンが得られるかを判断し3-5年で投資額の年利10%をリターンしていく企業再生ビジネス。
チェリーピッキング方式:籠に集めたサクランボの中からいくつかを取り出して品質をチェックするように、例えば総数の10%程度を抜き出しデューデリと値付けをさせ業者の実力を見極める方式。本気の業者を選別できるし情報保護にもなる。 -
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認知症と肝細胞による治療。
今の最先端の問題に挑む。
確かに、選ぶ細胞によって、リスクの広がる可能性もある。
脳という領域は、人間のものでありながら、神の領域でもある。
つまり、脳は、まだ解明されていないことが多いのだ。
人間が、長生きすることで、今までになかったような病気
認知症という自分で自分をコントロールできなくなる。
最初の認知症の母親が糞を食べるシーンから始まるという
衝撃的な出だし。そこから、なんとか認知症の治療方法が見つかれば
という期待が高まる。
ベンチャー企業と投資家のやりとり
そして、旧態然たるお役所の対応。リスクを負わない。
副作用が起こるのは、わかる。
高血圧が、問題というところまでは理解できた。
でも、徘徊老人の行き倒れ死亡例が、きな臭く存在する。
が、その起きた要因もかなりヤバイ。ちょっとねぇ。
さぁーて、下巻に期待しよう。