Posted by ブクログ
2013年05月02日
原発事故のあと、太陽光や風力発電に脚光があたる一方、そういえば地熱発電は置き去りにされています。
発電に使う、熱水だまりが多く存在するのは国立公園、国定公園内が多く開発に制限があること、隣接する温泉地から「温泉が枯渇するのではないか」ということで反対が多いことが開発が進まない原因とされています。...続きを読む
スゴイ、と思ったのは国内ではこの10年間新規の地熱発電所建設がないにもかかわらず日本の地熱発電技術は世界トップレベルでシェア7割を占める、という点。こんなところにも日本のすぐれた技術があるのですね。発電機器と掘削技術(調査、評価段階から)の組み合わせで信頼を得ているそうです。
注目したいのは、
①熱水だまりほど温度が高くなくとも低温で沸騰する物質を介することで発電は可能(バイナリ発電)
②熱水だまりはなくとも高温岩体に水を注入し回収する事で発電することもできる
③地熱発電ほど深く掘らなくとも地中の温度が一定であるところを利用し、夏は冷房に、冬は暖房に利用することができる(スカイツリーはこの技術を利用)
発電用の燃料輸入が増加したことで貿易収支が赤字へ、という部分は円高と海外に生産拠点が移されることによる産業空洞化の影響が大きく、原発が再稼働する/地熱発電など再生エネルギーを多く利用してもそう簡単には貿易収支は改善しないと思います。(昨今の円安の方が効果大、と思います)
地熱にかかわる方々の生の声が入っていればもっと説得力のある本になったのではないでしょうか。