真山仁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一気に読み切るほどの勢いがある本。
久しぶりにハゲタカの本を見つけて即購入。
読み始めたら、ページを捲る手が止まらない。
「次はどうなる!」と気になる内容で気付いたら、睡眠時間を削って読んでいた。
知ってる地名が多いのも、入り込めた要因かな?
みんなのキャラが立っていて、全然飽きない。特に嫌な奴が嫌な奴に追い込まれていくのも爽快な気分だった。
そういう意味で、何となく半沢直樹シリーズが頭をよぎった。(銀行とか出てきたからかな?)
4.5ってだけあって、いつも通りの視点とは違う物語の進め方で、これはこれで面白かった。
鷲津の引き起こす爽快感とはまた違った感覚で、また読みたいと思わせてくれる。
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Posted by ブクログ
「虚像」と書いて「メディア」と読ませる本書はあるジャーナリズムあるいはテレビの役割とはなんなのか。あるいはその根底にある日本人の在り方とはなんなのか。小説の体をとっているが、その中身は当時の、あるいは現代においてもメディアにたいするあるいは我々に対する問いかけである。
面白きゃいい、視聴率を取れればよいといった風潮に支配されているテレビお笑い界と、政府やスポンサーの顔を観ながら買い取りニュースを配信する報道局。そこには人の温かさや笑いが人々を幸せな気持ちにさせるような真の笑いや、政界あるいは産業界からも中立独立し、国民に対し真実を伝え続ける第四の権力としてのジャーナリズムとしての気概は残って -
Posted by ブクログ
ネタバレ「コラプティオ」とはラテン語で「疑獄」を意味するとのこと。本書真山仁の『コラプティオ』は原発を取り上げて3.11以降をイメージした物語である。しかも、ポピュリズムやカリスマが生まれる土壌と、登場人物にそこに楔を打たせることで、真山仁は読者あるいは国民に対し、政治への関心と、今何をなすべきなのか?問うていると思わせる。
「福一」が発生したことで、これまで週刊誌で連載していた内容を変更して書籍として発表したとのこと。作者としても原発あるいは政治をこれまで以上に強く意識するきっかけであった。そして、本書を通じ、改めて読者に対して問題意識を投げかけたのではないだろうか。
今の日本では、ヒトラーのよ -
Posted by ブクログ
最初の130ページを読む限りは、貴子がビーナスの役員としての成長物語、金色屋の女将を解任したあたりまでは完全な旅館再生物語かと思いきや、一気にスパイ小説っぽくなっていった。
特に下巻になると、ますます加速する。迫る中国共産党の不気味な影。
あっさり人が死にすぎ。
モニカの最初の威勢の良さはどこへやらで、しだいにキャラが落ちぶれていく。
美麗が記憶を取り戻すたびに冷酷になるのだけど、最後のオチはやっぱり意味不明。
将陽明はなぜ消されたのか、どのようにして捕まったのか、なぜ鷲津にこだわっていたのかは謎のままで、他のハゲタカシリーズに比べるとなんともすっきりしない終わりかた。
でも読んでる間ページ