真山仁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ感想
太陽製菓の創業家の横暴ぶりを見ていると潰れるべくして潰れる会社という気がした。
最後、鷲津は思っていた復讐を成し遂げるが、そこに勝者はいなかった。。。バブルの波に翻弄されたのは債権を回収された側だけでなく、した側にも寂寥感の残る結果とは皮肉なものだ。
あらすじ
鷲津は以前より目をつけていた同族会社で、会社の私物化が甚だしい太陽製菓の買収および企業再生を進めようとしていた。
一方、貴子は元総理まで使ってなんとか父親をホテル経営から引きずり下ろし、ミカドホテルの再建を手掛けようとしていた。
外資の思わぬ横槍が入り、すったもんだの末に何とか太陽製菓の買収に成功する。
次に狙うのは、足助銀行。同銀行が破綻したのをキッカケに国は、地銀の破綻及び再生を指示。鷲津率いるホライゾン・キャピタルは足助銀行を手に入れようと画策する。
鷲津の思い通りに事が運び日光を手に入れたホライゾン・キャピタルだったが、国からのまったがかかり、当初の日光の観光地化計画を諦める。
鷲津がずっと追ってきたのは自分の父親をハメた相手だった。当時の三葉銀行の芝野が犯人だと思っていたが、実はその上司の飯島が仕組んだことだった。鷲津は三葉銀行のプライベートバンクの存在を世間に明らかにし、社会的な制裁を与えるが燃え尽きる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ感想
他の読者の評価が高かったので読んでみることに。一度、ドラマで見たことがあったが、改めて本で読むと面白かった。
銀行というシステムを作った欧米に対して、バブル期の日本人は手をこまねいて買い叩かれるのみ。金融業界の抜け穴もたくさんあり、魑魅魍魎の金融界を描いた作品。
日本が鷲津に買い叩かれているのに、なんだか鷲津を応援したくなってしまう魅力がある。
あらすじ
ニューヨークでジャズピアニストを目指していた鷲津は、あちらで投資ファンドの社長に見そめられ、企業再生で利益を上げるハゲタカビジネスの腕を磨く。
90年代になり、バブルが崩壊した日本市場では銀行が不良債権を売り払おうと必死になっていたところに、鷲津率いる投資ファンドが入り込み、巨額の利益を上げる。
三葉銀行の芝野は、バルクセールを成功させ、銀行の不良債権を着々と処理していたが、バンコク支店への異動を命ぜられ、銀行をやめて企業再生をする決心をする。友達のスーパーを3年で見事に再生させると共に、家族の放蕩経営をしていた友人を切る決意をする。
日光の格式あるミカドホテルの令嬢であった貴子は、スイスへ留学後、外資系のホテルで修行し、役員まで打診されたが、自分を育てた祖母の死をキッカケにミカドホテルの再建に乗り出す決意をする。 -
Posted by ブクログ
自分が当たり前だと思っていることにこそ、才能が隠されている。
承認欲求は時に邪魔になることを覚えておく。自分は自分を持つこと。
コミュニケーションは相手を理解するためにある。分かり合えないから、語り合う。
自身の正しさをSNSに頼り判断することは危険である。
歴史書の大半は勝者が書いている。その正しさは勝者の視点である。
相手を理解することは、相手と同じ考えを持つことではない。
交渉で重要なことは、落とし所。
話しても分かりあえないから交渉する。が世界の常識。話せば分かりあえる。は世界の非常識。
疑う力を養うには、本当にそうなのか。と問いを立てるために必要。人の話や情報に接した時に感じる違和感を大切にする。
情報発信者には意図がある。
情報を見極める時には、何を伝えていないか。何を隠しているか。を探る。
世の中に絶対はない。
自分とは異なる意見があることを受け入れる広い視野と懐の深さを持つ。 -
Posted by ブクログ
面白い.ただ,心のそこから楽しめは出来なかった.それは,斯様な研究者が斯様な実験を行うことがあまりにも現実味がない,と感じてしまったからである.
それは高い倫理観ゆえにではない.研究者は時として倫理観がない.恐怖心でもない.それは麻痺しなんらかのタイミングで消失することもある.組織的なチェック機構でもない.案外結構ガバガバなので.
ただ,それら全てが少しずつ考慮に入って,全部が起こる確率がびっくりするくらい低いと感じてしまう感性だと思う.
殺人だって起こる確率が低いのに楽しめる.それが科学の斯様な事象では抵抗感があったのは,ただ職業柄なのかもしれなく,残念. -
Posted by ブクログ
真山仁『レインメーカー』幻冬舎文庫。
医療法廷小説。
殆どの医師は患者の生命を救おうと懸命に努力し、真摯に医療と向き合っている。片や患者や患者の家族はどうだろうか。健康のために食べ物や飲酒に気を付けて、常に運動を心掛け、身体に異変を感じれば、直ぐに病院へ駆け付けるという人は多くはないだろう。
本書は患者の生命を救えなかった医師と亡くなった患者の家族が様々な事情を抱える中、裁判で対決するというものだ。但し、主人公の弁護士である雨守誠は医師の側に付くというのだから、多くの医療法廷小説とは趣きが異なる。
高熱で病院に運ばれた2歳9カ月の男児が懸命の救急治療も及ばず呆気なく亡くなる。当時、母親は海外出張の最中で、留守を預かる父親も会社の存続のために奔走しており、男児の祖母が面倒を見ていた。悲嘆に暮れる両親は政治家の父親に焚き付けられ、医療過誤だとして病院と担当した医師を提訴する。
その病院から弁護の依頼を受けた雨守誠は、かつて働いていた日向法律事務所の日向律子と法廷で対決する。
医療過誤というのは世の中には少なからずあるのだろう。以下は自分の経験である。
12年前の12月、自分の妻がひどい風邪の症状で休日当番医に受診した。一通りの診察を終え、看護師から1時間ほど掛かる点滴を受けると言うので、処方箋をもらい、隣の薬局で薬を処方してもらっていると看護師が血相を変え、薬局に走って来た。妻が心肺停止状態になり、救急車を呼んだと言うのだ。単なる風邪だったはずなのにどうしてと思いながら、救急車の向かった県立病院へと車を走らせた。
妻は運び込まれた県立病院で治療を受け、何とか救命された。県立病院の医師の説明によると明らか点滴ミスによる医療過誤だと言われ、もしも訴えるなら書面を用意するとまで言われた。
妻はその後、無事快復し、退院後は体力快復に努めていたこともあり、休日当番医を訴えはしなかったが、休日当番医からは謝罪やその後の妻の体調を気遣うような電話の一つも無かった。今、思えばとんでもないヤブ医者だ。いつかネットにこの病院の実名を上げてやろうと思っている。
本体価格670円
★★★★