Posted by ブクログ
2016年10月25日
国を売る ことの定義が 曖昧なことが、もったいない。
グローバル化のなかで 『国を守る。国を愛する』ということも
その 意味が 不鮮明となっている。
『国破れて正義あり。正義ありて国よみがえる』
この本のテーマは 国よりも 正義にあるのだ。
人類のため という大きな課題があり、多くの科学技術は
そ...続きを読むの国のために開発されるわけではない。
日本人が開発したから、日本国のものだ という論理が成り立たない。
インスタントラーメン、カラオケは 確かに 日本人が開発したのだが、
それは 世界中で つくられ、使用されている。
中国人が 漢字と紙を開発したのに、日本は特許料を払っていない
などと 暴論を吐く 中国人もいる。
ソ連が崩壊することで、宇宙技術は中国に流れ、
中国は 宇宙に有人飛行までするようになった。
特捜部というのは、不思議な存在だ。
政治家の不正を暴き、逮捕することができると言うシステムが
日本にあることは、いいことかもしれない。
徹底して、不正を許さないが きちんとした証拠がなければ、
罰することはできない という 富永真一。
クールな検事で、京都の和菓子老舗のボンボンである。
あかねちゃん事件にたいしての富永検事の活躍は 目を見張る。
死体なき犯罪の問題は 『死体がない』ことにあるので、
『死体』を探せばよい という 論理につながっていく。
それで、靴についた農薬から、割り出すのである。
近藤左門は 京都のお茶屋の老舗。富永真一と幼なじみ。
文部省で 宇宙開発の担当をする。
左門の失踪から、宇宙開発技術をめぐる 売国的行為が告発される。
宇宙ロケット開発技術は 即 戦争用のミサイル技術に応用できる。
ロケットの燃料は 固体と液体とふたつの方法がある。
日本は、固体燃料の開発に卓越したものをもっていた。
それが もう一方の主人公 八反田遥 の父親が 開発したことが
知らない間に アメリカに売り渡されていたと言うことが
暴露されるが、その犯人が 指導教授だったとは。
どうしようもないね。
そんな中で、日本の宇宙開発の研究所が、アメリカと合併される
と言う話が 持ち上がってきた。
それを仕掛けているのが、だれなのか?
富永真一は そのことの事実を集めようとするが。
ドンは 『橘洋平』だったが、さらに フィクサーがいた。
ふーむ。意欲的な作品であるが、本丸まで到達しなかったのが、
残念だ。しかし、テンポよく 読めたことは 実に楽しかった。
真山仁 は 『日本の正義』 を追いかけようとする。
日本が 宇宙開発する ということの 本質的な意味は?
アカマ自動車が 取り組むということで 一区切りつけるが
さて、その後 どうなったのか?
続編が 欲しいところだ。