真山仁のレビュー一覧
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舞台は2008年中国。建設中である世界最大級の原子力発電炉は、北京五輪開幕に重ねる形での運開を計画していた。技術顧問として日本から派遣された田嶋は、日本とかけ離れた文化・体質に苦悩しながらも、原子力発電炉の安全運開に向けて奮闘するが…
福島第一原子力発電所事故を髣髴とさせることから、物語の後半に発生するシビアアクシデントに目を奪われがちですが、あくまで描くのは、中国社会の光と影です。
光が、物語で頻出する「希望」であるとすれば、影は中国が抱える「現実」といえるでしょうか。この光と影を北京五輪と原子力発電炉を題材に畏れることなく、描ききった著者に賛辞を贈りたいです。
北京五輪と原子力発電炉を -
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ある日突然、製菓会社のプディングについて「消費期限切れの牛乳を使用している」との内部告発文書がマスコミ各社にばらまかれた。
名指しされた商品は創業以来の看板商品だ。老舗ブランドとしての価値を著しく落とすことになると慌てふためいた経営陣は、犯人探しに躍起になる。手掛かりは文書しかない。しかし内部告発としてはおかしな記述がひとつあった。「消費期限」だ。
コスト削減策として商品に使う牛乳は数年前から、低温殺菌牛乳から高温殺菌牛乳に変えていた。消費期限とは生ものや劣化の早い食品にだけに定められた期限で、高温殺菌牛乳はその対象外だった。だから本来は「賞味期限」と書かれていなければおかしい。内部 -
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再生可能エネルギー特措法によって注目を浴びた地熱発電
再生可能エネルギーの中でも天候等に左右されることなく、開発時からのCO2排出量も全発電の中でも格段に低い
しかし、その発電に適した土地の8割が国定公園内に分布していたこと、地元温泉組合からの反対(温泉が枯渇した事例はなく、地元への手回しによっては良好な関係を築き、発電後の温水を利用した温泉施設も可能)が普及を阻んでいた
近年国定公園内の開発制限が緩和され、温泉地を抱える自治体での積極的な参入も紹介
「CO2が出ない」「仕方ない」で動かしている原子力発電、前者については開発時及び排水時の温室効果が指摘され、後者についても原料のウランの -
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as isとかto beとかで語れる組織。でも人にはそれが必ずしも適用しない。結局、矜持とかモラルとかはas isの延長線上にあり、必ずしも夢=to beではない。
金銭的に成功する、社会的地位を持つ、世界を平和にするとか、世の中は目標を持っている人を賛辞するような風潮があるけれど、畳の上で死にたいとかも同じくらいの価値があって良いと思う。
現実的なのか、理想的なのか、青臭いのか、泥臭いのか、熱いのか、クールなのかは皆人それぞれで、大仰にいう必要も無いし、聞く必要も無い。何度も出てくる「自己責任」という言葉は、自分の行動に自分で責任を取れるか、責任を自覚して行動に移せるのかが問われているのだと