真山仁のレビュー一覧
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ハゲタカシリーズ第3弾は、日本最大の自動車メーカー・アカマ自動車の買収を巡り、中国ファンドと鷲津が対決する。
中国の買収王は、何故か鷲津を誘い出そうと様々な策を仕掛ける。彼の意図は何なのか、鷲津はどう動くのか。
序盤戦から誰が味方で誰が敵か、鷲津すらも判らなくなってくる。
アカマ自動車の社長と社長室長が、中国ファンドの買収策に必死に抵抗するが、次第に追い詰められる。
打開策は?鷲津は?目が離せない攻防が繰り広げられる。
鷲津の協力者が放つ言葉が、トランプが再び大統領になった今の日本の状況に妙にシンクロする。
「アメリカの時代は終焉に向かってます。この際、日本は中国ともっとまっすぐに向き合うべきですね」。 -
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「ハゲタカ」シリーズのスピンオフ作品。
鷲津は名前が触れられるだけで、世界的リゾートグループのリゾルテ・ドゥ・ビーナスの傘下となったミカドホテルを取り戻そうとする松平貴子が主人公。
中国の大富豪から救済策が提案されるが、彼の真意は?
誰が味方で誰が敵か、松平貴子はミカドホテルを取り戻せるのか、日本とフランスを舞台に虚々実々の戦いが繰り広げられる。
題名の「ハーディ」とは、スコットランド人の元恋人が貴子を評した言葉だった。
「HARDY、元々は我慢強いという意味だが、図々しいと言う意味もある。他には、耐寒性という意味もある。耐寒性というのは、君にぴったりだ。寒くてもじっと我慢して耐えている。その実、中はたぎるほど燃え盛っている。うっかり触れると火傷しそうだ」
彼女の行動を見ていると、言い得て妙である。 -
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「ハゲタカ」シリーズ 「シンドローム」を読み、鷲津政彦のビジネスにおける類いまれな完成された能力に魅了され、そこに至る彼の謂れを知りたく、今まで未読だったシリーズを遅まきながら読むことに。
彼はアメリカに在住し、元々ピアニストだったが、アメリカ屈指のレバレッジファンドのトップからその才能を見出されて、この道に入ったとは。
数年のうちに米国屈指の企業買収者となった彼は、「10年で日本をバイアウトする」と豪語し、バブル崩壊後の日本に戻る。
そして彼は宣言通り次々に企業買収の成果を上げる。
そこで登場する銀行や商社などは、実在の名前をもじっており、その当時のあの出来事かと、合点しながら読み進めた。
このシリーズが長きに亘って広く読み継がれるのは、造形された主人公鷲津政彦という男の魅力だろう。 -
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『そして、星の輝く夜が来る』を始め、”震災”を描く3部作を著している著者が、「ハゲタカ」シリーズでついに東日本大震災を取り上げた。
小説ゆえ、電力会社名は首都電力、原発設置県は磐前県としているが、その起きた事態は、東日本大震災そのもの。
上巻では、鷲津の行動は脇役的で、頁の大半を占めるのは事故の起きた磐前第一原子力発電所での所長を中心としたスタッフたちの懸命な作業や、広報室社員それに新聞記者の行動などの群像劇。
その迫力ある描写は、官邸や時の総理の馬鹿げた行動など当時そのままであり、小説ではなくドキュメントのよう。
震災支援にNPO団体を立ち上げた鷲津が、危機に瀕したこの首都電力をどのように扱うのか、下巻が楽しみ。 -
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昭和を代表する疑獄「ロッキード事件」
多くの容疑者が結審前に亡くなったため、騒いだ割には最後がどうなったかがよくわかっていない事件。
ロッキード事件と言えば、田中角栄の逮捕、有罪が印象に残るが本当に田中は有罪だったのか?が興味深く掘り下げられている。
読後の印象では私は田中は無罪だったと思う。
当時の検察の取り調べ方法、証拠の裏付け、同調圧力、世論の目などで「田中憎し、有罪にすべし」が大衆の大きな声だった。
くしくも兵庫県知事選挙でパワハラで失職した斎藤元知事が再選したが、この騒ぎも証拠もなく一方的な意見ばかり取り上げ、まるで事件を作ったかのような印象を持つ。
話を戻すと、田中角栄が「たった5億円」で民間航空会社の機種選定に口を出すか?田中は六法全書を持ち歩くほど、法律に詳しかったにもかかわらず、海外企業からの献金(賄賂)を受け取るか?
そんなに田中角栄は脇は甘くないと著者は確信し、私も同意する。
全日空が購入したロッキードのトライスターより、同時期に防衛庁で検討中の次期対潜哨戒機(PXL)の方が高額且つ、影響も大きいにもかかわらず、こちらは全く話題には上がらない。
ロッキード事件とはPXLのロッキード機(P-3C)の採用が目的だったのでは?との考察。
P-3Cはその後海上自衛隊で100機以上を導入し、現在も使用中。後継機としては国産のP-1が実戦配備されている。
また、ロッキードから児玉誉士夫を通じて流れた21億円の行先も不明なままだ。
この金についても真山は大胆な推察を展開する。
一体、ロッキード事件とは何だったのか?
田中角栄が倒れず、最高裁に出廷し、証言していれば無罪だった可能性が高いと思うと残念でならない。
昨今再評価されている田中角栄。関連図書を読んでみたい。