真山仁のレビュー一覧
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主人公の挫折がよくある感じなのはしかたないのかな。過去の因縁的なものも匂わせてるけどどう展開するんだろう?今のところ主人公が薄っぺらいのが少し気になっている。女性の書き方も奔放に性を求めるアメリカ女と一途な大和撫子みたいな対比がイラっとする。
年代記的な書き方になっているので人物はあまり書き込めないのかもしれないけど、交渉は時間や労力がかかるので、そこら辺はもう少し書き込んでもいいのではないかと思う。数年間かかる一つのディールだけで一冊書いてもいいくらいではないか。
とはいえ大変テンポ良く、日本企業のダメな部分も活写しつつ半沢直樹みたいな開き直った様式美に堕落しない感じで、なんというかバランス -
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ネタバレ3.5
米中の自動車産業を巻き込む話で壮大な感じ。米国をも動かした鷲津の活躍で、アカマ買収は防がれ、3国が利するようなファンドと研究所の立ち上げに。アカマ社長の古屋の言葉「カネを失うことよりもプライドを失うことが怖い。誇りこそ、我が人生のエネルギーだし、アカマ自動車の原動力」実業の強さと揺るぎない信念。鷲津達、虚業の世界の住人とは別のバイタリティーがあるのだろう。芝野率いるマジテックの後継者の話も面白い。望の成長ぶりがいい感じ。アランの真相も中国のスパイ活動の一環であった。
中国の国家ファンドCICは異質で、どうせ捨てる金なら上手く使おうとして無理なM&Aや恩、技術などを取る。 -
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ネタバレ3.5
前作から半年後2007夏から始まる。日本最大の自動車メーカー(トヨタ?)アカマ自動車を巡り、米中を巻き込んだ大型ディール。国産自動車産業を作りたい中国の思惑、日本を代表する企業のM&Aと抗戦。鷲津の活躍と厳しさ、日本や企業に対する想いも光る。アカマ自動車のプライドや車に対する熱さ、コンプライアンス問題、芝野が世話になった中小メーカーマジテックの再生の話などが入り乱れなかなか面白い。
2007年当時の中国通は中国を知りたければマカオに行けと言っていた。膨張中国そのもの。
ホライズンキャピタルの歴史。プライベートエクイティと呼ばれる再生ファンドとしてビジネスを開始し、不良債権をバルクセー -
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面白い。
経済のことを何も知らないけれど、面白いと思う。
しかもすらすらと読める。
難しい本を読むと、読み出してから小説の世界観に入り込むまでに時間がかかることがよくあるのだけど、この小説は知らないことも多い世界の話だろうに、一瞬で小説の世界に入り込める。
たぶんそれは、鷲津という主人公がいいからなのかもしれん。
どんな小説であれ、自分が信じることを突き通す人が好きなのかも。そんで、1番大事なことを大事にするために、ひたすらちゃんと考えて自分で選択するっていうのができる人が好きなのかも。
世間一般の良い悪いとかは、一旦除外して、考える。
のが好き。
ハゲタカの感想になっているかは知らないけ -
Posted by ブクログ
仕事と食事以外の時間は全てハゲタカシリーズ時間。
20年以上前に発行された本書を読んで、社会全体に影を落とし、騒がれた様々な政治社会の出来事が蘇ってくる。
日本はバブル後の金融破綻、負債処理に長く時間がかかり今や失われた30年とも言われるが、変化を受け入れることに非常に慎重であり、責任所在の曖昧さ、意思決定の遅さなど、この時代に日本に参入してきた欧米人に日本は非常に異質で理解しがたい国と映ったのではないかと思う。
ハゲタカⅡは企業買収、再生の攻防はさることながら、アランの死を契機に鷲津が生き場所を彷徨う姿になんとも言えない気持ちで読み進めましたが、リンや仲間と再出発となり、誰と働くかの大切 -
Posted by ブクログ
久しぶりに寝る間も惜しんで一気に読み倒し、現在ハゲタカⅡの下巻を読んでいます。急に経済小説の面白さにはまってしまい、これから読み漁りそう。
ハゲタカシリーズはドラマ化され、多くの方がレビューされているので、備忘録として以下記録したいと思います。
堺憲一氏によると、日本では企業や経済を扱った小説を経済小説といい、ジャンルが確立されているそうです。
【第一世代】1960年代前後に登場するパイオニア世代
城山三郎氏、山崎豊子氏はこの世代
【第二世代】高度成長が終焉し、安定成長期に入った70年代中盤期以降
高杉良氏、堺屋太一氏など
【第三世代】80年代以降に登場。バブル時代の時期
【第四世代】90