真山仁のレビュー一覧

  • 虚像の砦

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    マスコミものの社会派小説いいよね。
    情報が溢れてる現代、何でもかんでも受動的に受け入れてちゃだめだなと改めて思う。
    だけど自分で考えて情報を取捨選択する力がもはや私に残ってるかしら。
    ほんとに脳みそぐずぐずになってる気がするよ最近。

    白石一文にこういうバリバリマスコミ系社会派モノ書いてほしいなあ

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    2014年07月13日
  • 新装版 ハゲタカ2(下)

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    『ラブもフェアも信じない、信じるのはパッションだけよ。』

    しびれるー。リン姉さん、かっこよすぎる。

    ボストンのアランの墓でご両親と再開する場面で涙が止まらなくなってしまった。

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    2014年03月03日
  • ベイジン(下)

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    北京五輪開催式と同時に稼働させる予定だった世界最大の原発。

    中国の闇と現実を描き、その中で「希望」を見いだし生きていこうと突き進む人たち。
    全く違う場所で、違う環境で、違う目標に向かって生きていた3人の人たちが、交わり、共に突き進んでいく姿がとても自然に、上手に描かれていた。

    やっぱり真山仁はすごい。

    ベント、蒸気爆発など、福島第一原発を予言しているようなこの内容にも本当に驚きます。
    真山さんは、二酸化炭素削減のために全世界が「原発推進」の姿勢を取り、原発建設ラッシュになっていることに不安を抱き、本作を作ったそう。
    その不安が、悲しいことに的中してしまった。
    真山さんは今、

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    2014年02月28日
  • ベイジン(上)

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    まるで、福島第一原発事故を予測していたかのような内容。

    真山さんの社会問題を取り上げて読者に突き付ける書き口は、やっぱり見事だしすごい。

    いろんなことを思うけど、確かなのは、原発の問題はものすごい政治的で、簡単に決められるものではないということ。
    原発大国フランスでも、日本でも、中国でも、同様なのだと思う。

    原発って一国だけの問題じゃないってことを、多くの人が見落としてる。
    途上国はエネルギー不足で原発を建設したい。でも技術がない。そうなれば、原発大国のフランスや日本、そしてアメリカなんかの力を借りることになる。
    原発は巨大な利権施設でもあるわけだから、技術を持ってる国は原発

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    2014年02月28日
  • 虚像の砦

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    いわゆる「マスゴミ」を描いた作品。マスコミ業界に限らず国に守られた既得権益業界はどこもこんな感じなのかなーと思った。

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    2014年01月27日
  • レッドゾーン(下)

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    テーマが 『愛国心』となっているところに、
    ポイントがあるのかな。
    企業や金融が グローバル化した現代で、
    自分の原点がどこにあるのか ということをあらためて考える。
    引退したアルが アメリカを守るために立ち上がる というのが、
    最後の場面での重要な展開となっている。
    中国の問題は アメリカがかかわらない限り 展開しないのだね。

    中国のありあまった資金をどうつかうのか?
    ということだが、中国は もっとやるべきことがあるだろう。
    空気汚染や環境汚染、貧富の格差是正など、
    有効な使い道はいくらでもあるはずだが
    アメリカの金融手法の土俵に乗って、富を得る
    ということ自体が 腐っているのかもしれない

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    2018年01月04日
  • ベイジン(下)

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    鄧学耕が 朱克明のもとに 組み込まれていく。
    政治的な力学が つねに左右する。
    中立や無関係は存在しない。
    無口で余分なことを言わない鄧学耕。

    『希望とは 自分たちが努力して 奪い取るものだ』
    と 鄧学耕はいう。

    希望とは 世界で最大級の紅陽原子力発電所を
    稼働させることであるが、
    ラジオが 発電所内に持ち込まれて、それが問題を起こす。
    そのラジオは 大連市長が経営している会社のもので、
    原子力発電所のスタッフにプレゼントされたものだった。
    オリンピックの開会式に 発電を間に合わせることに
    成功するが、そのあと ブラックアウトとなる。

    一方で 大連市の市長をターゲットにして 中紀委が拘束

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    2013年12月31日
  • ベイジン(上)

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    中国の実像をとらえるには むつかしいとおもう。
    二人の主人公 日本人の技術顧問としての田嶋。
    特命副書記 鄧学耕。
    『切れすぎる刃物は、切れない刃物より使いにくい。』
    というが、二人は 切れすぎながら 切れないような見事なキャラクター。
    田嶋は 先頭に立って 行動する現場主義者。
    中国人と融合して,中国人の面子も守りながら,根回しする。
    鄧学耕は 情報収集能力があり、分析力や局面判断が巧みだ。
    そして,クールでもある。規律もしっかり守る。
    このような 中国人がいること自体が おそれおおい。

    2008年に オリンピックがあり、
    それに会わせて,世界最大級の原子力発電所をつくると言う。
    ズサンで

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    2013年12月30日
  • 新装版 ハゲタカ2(下)

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    ネタバレ

    ようやく読み終えた。
    小説なのに金融の難しい戦略とかがあって理解しながら読むとすごく時間かかる。なかなか勉強になったし,ストーリーとしても面白かった。

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    2013年12月03日
  • プライド

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    著者の作品のなかでも、この短編集が一番面白いと感じた。人の矜持の本質とはなんなのかを、正攻法で伝えるものもあれば、反面教師的に伝えるものもある。プライドの全くない人間を登場させた作品はなかなか意表を突いて面白かった。

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    2013年09月28日
  • ベイジン(上)

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    2008年に発刊されたこの小説は二つの大事件を予想してしまっている。
    北京オリンピックの開幕に合わせ大連の原発を稼働させる。そのトラブルに立ち向かう日本人技術顧問と中国人責任者。

    この小説が取り上げたのは原発の全電源喪失と言う有り得ない事態。もはやフィクションではなくなってしまったのだが。

    もう一つの事件は中国政府の権力闘争。明らかに李克強と薄熙来がモデルとわかる人物が出ている。

    原発建設現場の無茶苦茶っぷりは笑えない。実際に建設中の橋が落ちたりが頻発しているが、それが原発だったらと考えるとしゃれにならない。

    モデルになった大連の紅沿河原発は今年の2月に稼働を始めている。

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    2013年08月04日
  • ベイジン(下)

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    ハゲタカシリーズの真山仁が週刊誌への連載に初挑戦した一冊。
    原発事故の後の今読むとものすごくいろんなことがしっくり来るとともにいろんな空恐ろしさがやってくる。
    舞台を日本にしたら書けなかったというのもすごい納得がいく上、中国を舞台にしているのもよいスパイスが効いている。
    ハゲタカほどの勢いはないものの、筆力が上がっているので読みごたえが十分。エネルギー系のほうがこの人、いい話書くんじゃない?とか思ってしまった。
    今の日本の原発の話を知るにも、良い一冊だと思います。

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    2012年10月14日
  • マグマ

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     地熱発電は最近クリーンエネルギーとして話題になっているし、それに絡む利権や諸問題もわかるし、それに加えてハゲタカファンドの動きもわかるし、主人公もなんかとっても頑張ってるし、これは面白い!
     
     題材が似たような小説で石黒櫂の『死都日本』も面白かったけど、こちらの作品のほうが人物がいきいきしている。

     WOWWOWのドラマは終わってしまったが、原作に加えて最新の情報も盛り込まれ、サブストーリーも充実していて、とても感動的だった。

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    2017年08月15日
  • レッドゾーン(上)

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    (上下巻合わせてのレビューです。)

    真山さん最新の文庫本。
    実は文庫化が待ちきれなくて、
    映画まで見に行った作品(しかも一人で)。
    予想通りというか期待通り、文句なしの★5つです。

    日本の架空の自動車メーカー(アカマ自動車)をめぐる
    主人公ゴールデンイーグルと中国ファンドの大買収合戦劇。
    中国という国家の大きさや複雑さが物語に表現されていて、
    今まで以上のスケールの物語になっています。

    ハゲタカシリーズもこれで3作目。
    もう続編はないのかなぁ。。
    なかなかこれまで以上の作品を出すのは難しいですが、
    真山さんには頑張ってもらいたいなぁ。。
    (なんて、思っていたら、続編

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    2021年06月23日
  • 虚像の砦

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    再び真山仁さんの作品

    テーマはマスコミ・ジャーナリズム・報道

    いまさら、マスコミとはどうあるべきなどという主張はしない。しかし、前日亡くなった筑紫哲也さんに関する特番で彼がジャーナリズムのあり方として権力の監視(watch dog)を貫くという言葉が紹介された。

    戦前の日本は政府主導の情報のみが報道されるという状況があった(他の全体主義国家も同様)
    そこからも分かるようにマスコミの役割は重要だ。

    本書のテーマの一つに以前、坂本弁護士一家殺人事件ではTBSがオウム真理教関係者に弁護士の発言のビデオを見せたことは大きな波紋を呼んだ。

    また、イラク日本人拉致事件で、自己責任論に

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    2019年01月16日
  • オペレーションZ(新潮文庫)

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    いや、まぁ結末はそうなるよね。

    江島総理がブエノスアイレスで体験したデフォルトが、日本においてもその危機が迫っているという想いで、覚悟を持って歳出半減を計画、断行しようとする話。
    ミスター財務省の周防を中心に、どのようにそれを実現出来るかを練って積み上げていく。
    膨大な参考文献を元に、ノンフィクションのようなストーリー展開はさすが真山仁。
    満足のいく内容であったものの、続きが気になる終わり方なので、連載小説のオペレーションFも読んでみよう。

    選挙のところでは当確師の話が一瞬触れられていたが、あっちの小説に周防が出ていたかなぁ。要確認。

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    2025年12月15日
  • プリンス

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    憲法学者の息子で熱意高く世の中を良くしようと活動的な若者と、ある架空?の東南アジア(独裁政権)において、国を変える力のある期待の上院議員の息子が、その国の大統領選挙の一連の出来事のストーリ
    、世界有力国の思惑もおりまぜつつ、様々な事件がおきる
    最後はテンポよく盛り上がり一気に読めた

    主人公たちも魅力的だが、主人公にからむ大人たちもカッコイイ。

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    2025年12月06日
  • ハゲタカ 5 シンドローム(下)

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    間違いなく魅力的なシリーズでヒーローであるが、以前に比べると、かなり傲慢な内面の言葉が描かれている気がする。

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    2025年11月24日
  • タングル

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    光量子コンピュータの日星共同研究プロジェクトを舞台にした経済小説。いや、政治のウェイトも大きいから政経小説か。

    フィクションであることを差し引いても量子コンピュータの意義や各国の綱引きの状況が理解できると思うし、シンガポールの内情や反日感情、華僑の影響力などにも触れられる。

    真山さんの小説はなんだかんだで勧善懲悪の結末となることが多く希望を残すし、鷲津のファンでもあるが、実際の日本の政治やそれを取り巻く環境に果たして希望はあるのかなと、最近のゴタゴタを見ていて思う。

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    2025年11月21日
  • 標的

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    久しぶりに面白かった。途中で停滞はあったものの、逮捕直前の緊迫感や小菅と金沢での取り調べ、終盤の記者を巻き込んだ情報戦はドキドキしながら一気に読んでしまいました。冨永さん以外で共感を覚える人は皆無でしたが、神林くんがだんだん記者らしくなって驚きです。

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    2025年11月07日