真山仁のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
鷲津のもつ 緊張感が たまらなくいい。
「ニッポン人の足下にひれ伏して、
慈悲を乞うときが来たのです。」
アメリカと日本人って、ポジションが
ちょっと、違うのだよね。
どうしても、アメリカが上にある。
あこがれや憧憬みたいなもの。
グローバルになりきれない日本人。
アメリカを買いたたこうとする日本人。
「そもそも実体のない巨額のカネを好き放題に浪費したために
国全体が衰弱している。全米が欲望の限り尽くした結果、
そのるつぼに呑み込まれて立ち往生しているのです。」
お金でお金を生み出すと言う錬金術が、
どんどんとアメリカで生み出されることがスゴイ。
それを叩き潰すって、無理だよね。
「お前は、アメリカと戦争する気なのか?」
結局、鷲津は 勝つことができなかった。
勝負で負けて、勝つ。
アメリカへの思いやり?
ふーむ。鷲津らしくない。
ジャッキーとケネディがよかったな。
読後感は まったくの満足度がある。
日本人だからかもしれない。 -
Posted by ブクログ
3.11の後に現れたカリスマ総理。復興の槌音がまだまだこだまする僅か数年後、禁断の原発政策を日本復興の切り札として提示する。国民の反対を一蹴させたのは類稀なるスピーチ。反対派を抱き込み、虜にまでしていく演説。その裏には無私の若きスピーチライターが控える。その仮面を剥ぐべく巨大権力の驕りとカリスマに執拗に食らいつく敏腕記者。この三人の運命がこれからの日本を左右する…。3.11から明日で6年。反原発・脱原発について回る代替エネルギー、その一方には原子力ムラ。原発に巣食う人・団体・組織と原発問題をあくまでもイデオロギーの範疇でしか語れない反原発派。この膠着する政治課題に切り込んだポリティカルエンターテイメント。
-
Posted by ブクログ
生命保険会社のはなし。
自分は何のためにこの仕事をしているのか?
その中で、自分の存在意義とは何か?
そのことを つねに念頭に置いて行動する二人の主人公。
『各務』は、なぜ生命保険会社に入ったのか?
それは、復讐という言葉に近いのかもしれない。
『竜崎』をつぶしたいと思う。
獅子身中の虫とならんとす。
そうであるが故に 生保とはどうあるべきかを
徹底して考えることとなる。
『中根』は、ラクビーのリーダーだった。
そして、生保の中で 『人々が幸福になる』ということを
つねに考える。
一方で 生命保険会社の存立基盤。
事業としてのミッションとはなにか?
竜崎は ジェントルマンとしての生保を
大きく 変えて行く。
政治とのつながり。危ない業務。
そして、各務との関係
そのなかで、高村は 社長として
ジェントルマンになりつつも 清濁呑み込む勇気がある。
ペットでかわれたものが、
ジャングルでは闘えない という言葉は確かに。
日本って やはり甘いのだ。
ダブルギアリングによって、
生保と銀行のなれ合い。
そのことで、ハゲタカファンドは、じつに
狙いが 丸ごとなのだ。
生保がこけて、銀行がこけることで
外資が 確保できる。
各務は じつに 義理人情のおとこである。
浪花節なのだ。 -
Posted by ブクログ
じつに 先駆的な物語。
原子力発電の危険性を指摘しながら、
地熱発電の可能性を語る。
地熱発電のことをほとんど知らなかった。
クリーンエネルギーとは 風力や波力と太陽光
というイメージだったが 日本の足元に
大きなエネルギー源があるとは。
野上妙子。
地アタマがいい人なんでしょうね。
オンナを意識しない仕事人。やるんだよね。この人が。
ジェントルマン的な ハゲタカファンドのエース。
ファンドの日本の代表 待田。
ちょっとせこい感じで、大将の器ではないような。
タッチアンドゴー がハゲタカ的利益を上げる方法。
地熱発電に情熱を捧げる 御室。
なんと言っても、ささえる奥さんが素晴らしい。
意地そして執念。
親友というべきか そのオトコの遺志を継ぐ。
シェークスピアの研究をしていた御曹司 安藤。
安藤の祖父が国会議員。そして、原発のドン的存在。
それが 地熱へ切り替えようとする。
確かに、原発技術は 核兵器技術につながって行く。
地熱の熱源のあるところは 温泉があり、
国定公園がある。
その規制が 地熱開発を抑制する。
ジオエネルギー。
その可能性を 追求する。 -
Posted by ブクログ
意欲作である。
福島原発事故以後に
日本はどのような方向へ向かえばよいのか?
原発を廃止するのか?
それとも、安心安全の原発作りをするのか?
日本は どうなのか?世界の動向は?
原発をめぐって いくつかの懸念が存在している。
宮藤隼人は、カリスマ的リーダーシップを発揮する。
「政治とは、約束」
「約束は、公約とは違う。」
「互いの信頼の礎となる大切な誓い。」
「努力すれば、希望が叶う社会をつくりあげる。」
「言葉とはチカラ」
と、重要な局面において、熱狂させる演説をする。
福島の原発事故、それを駆け巡る 宮藤隼人。
次々と政策提案をして、法律化する。
その 秘書になり、政治の現場を勉強と思い、
政治学者になろうとする 白石望。
積極な提案をして、宮藤の演説のスピーチも起草する。
宮藤に心酔しながら、独裁者になる可能性を危惧する。
白石と同級生でライバルの神林は 新聞記者となり
トップ屋として 奮闘する。
タイミングよく、情報を入手する。
宮藤は、日本の未来にたいして 原発を軸とした再生政策を
実行する。サクラ電機の救済を、国営とする。
そのことで、原発事業を再生化しようとする。
結局は 発展途上国へのインフラ投資に
深く噛んで行くのであるが。
「新幹線」事業では、危ない話もレベルが違うのかもしれない。
アフリカの小国で 日本人の調査チームが ウランを発見。
アフリカの可能性と困難性。
利権をめぐっての内戦、抗争。
そのことから 宮藤の動きは、闇の中に入り込んで行く。
秘書である 白石 そして 田坂。
白石は 清濁併せ吞む と言うことを理解して行く。
田坂が 潔癖主義なのがおもしろい。
「オレは何ものなのか?」という問いかけ。
新聞記者である 神林 上司の 東條。
複雑に絡み合いながら 宮藤 を追いつめて行く。
宮藤は どこかで 正義と言う言葉を間違えて行く。
それにしても、使用済み燃料問題が
完全にスポイルされているのが残念である。
しかし、おもしろい。 -
Posted by ブクログ
20151229
新聞記者の経験を活かした経済モノ、政治モノが多い印象の著書による東日本大震災を題材にした異色作品。
こんなに読みやすくて、心が暖まる作品も書けれるのかと著書の力量に驚かされた。
阪神大震災により、妻と娘を失った小学校教師が、東日本大震災で被災した小学校に赴任し、明るく、前向きに奮闘する物語。フィクションではあるものの、すべてのエピソードがリアルで深く考えさせられるテーマが多かった。
普段、小説をいつか読み返そうと思う事は無く、本が溜まったら古本屋に買い取ってもらうが、この作品はずっと手元に置いておきたいと思える。
著書の最新作も気になるので読もうと思った。