真山仁のレビュー一覧

  • プライド

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    ネタバレ

    「一俵の重み」のような、いい意味での「プライド」を主題にした短編集ばかりかと思ったらそういう訳でもなかった。とはいえ、タイトルにもなっている「プライド」を始め、全体的に面白かった。
    「暴言大臣」やショートショート的な「歴史的瞬間」など、ブラックな話もなかなか秀逸。

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    2023年08月30日
  • 標的

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    日本初の女性総理候補、特装検事、新聞記者。三者の視点で物語は進んでいく。サービス付き高齢者向け住宅、いわゆるサ高住をめぐる権益。社会派テーマではあるがページをめくる手が止まらなかった。読んでほしい。

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    2023年08月16日
  • ベイジン(上)

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    この作品は2008年が舞台なので今から約15年前の設定だが、中国という国の官僚主義、拝金主義、原発の難易度の高さなどはほとんど変わっていないのではないか。変わったのは15年前よりも中国の国際的なステータスが上がった事だろう。
    そういう意味ではこれから先は中国との付き合い方はもっと難しく重要になる。
    この作品はそれらを題材にしながらも、根底には国家を超えた人間同士の信頼関係や絆を築き得るというメッセージが込められている。
    蛇足になるが最後の終わり方は賛否両論あるだろう。私個人はもう少し最後まで書いてほしかった。

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    2023年04月21日
  • コラプティオ

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    震災後の日本を復興に導くカリスマ総理・宮藤。若き指導者に国民からの支持が集まるが、新聞の特ダネ記事が官邸の暗部を暴き出し…。

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    2023年04月20日
  • 売国

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    特捜部に赴任した気鋭の検察官・冨永真一。宇宙開発の最前線に飛び込んだ若き女性研究者・八反田遥。ある汚職事件と友の失踪がつなぐ2人の運命。正義とは何か? 国益とは何か?

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    2023年04月20日
  • 神域

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    ネタバレ

    登場人物が多いのと、架空の組織の名前など頭に入りづらいところはあった。アルツハイマーを治す薬の研究者。アルツハイマーの高齢者が失踪して数ヶ月後に見つかるのに、健康そうで身なりも悪くないということに違和感を抱く刑事。新薬を生み出すことをビジネスとしか思わない偉そうにしている人たち。安全性を担保されなくても今の苦しい状況から逃れる可能性があるならやって欲しいと思う人たち。面白く読めたが、権力がものを言う的な最終局面が残念。

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    2023年04月06日
  • バラ色の未来

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    総理にIRについて指南し、信頼を得て、地元にIR誘致させようとした青森県の片田舎の町長がホームレスとなり、公園で野垂れ死にする。
    総理が態度を翻し、お膝元の山口県に最初のIRを立ち上げたことが背景にあった。
    IR推進法を巡っては、アベノミクスの成長戦略の一環として期待される一方、今もカジノに関するギャンブル依存症の懸念が拭いされていない
    また、広告代理店、経営会社、政治家などの間で利権の奪い合いが生じる。地方創生の旗印のもと、中央が進めるプロジェクトに踊らされて、地方が利権争いに巻き込まれる危険性も秘めている。
    この小説は、そんなIRやカジノがはらむ社会的な問題を関係者の絡み合いや駆け引きを通

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    2023年04月02日
  • そして、星の輝く夜がくる

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    被災地の小学校へ、支援の一貫としてやってきた小野寺先生。
    彼もまた、阪神淡路大震災で妻と娘を喪った経験を持つのだった。

    まもなく大震災から12年。
    もう12年なのか、まだ12年なのか。

    フィクションだけど被災地での問題や課題がリアルで、読み進めるのが辛い人もいると思う。
    あの日東京にいたに過ぎない私ですら胸にくる描写がいくつもあり、割りきってページを捲らないと頭の中が津波や火災や瓦礫、何もなくなった海外の映像でいっぱいになってしまった。

    小野寺先生は学校の子供たちを励まし励まされ、自分の傷も癒えてないのに生きていこうとしている。
    小野寺先生にとっての子供たちのような心の拠り所がないと、足

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    2023年01月21日
  • ハゲタカ2.5 ハーディ(下)

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    なるほど、こう描き繋げたか。
    面白い、本編を更に盛り上げる。でも個人的にはちょっと人が亡くなりすぎかな。

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    2023年01月18日
  • ハゲタカ2.5 ハーディ(上)

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    ハゲタカシリーズのスピンオフ。本編シリーズと当たり前だけどリンクしながら、謎であった部分が見えたりして軽快に読める。後は下巻に期待。

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    2023年01月17日
  • プリンス

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    真山さんの文章は少し硬い感じがします。
    ですが、展開、筋回しが、巧妙で読後感は非常に良かったです。話の展開は少し出来過ぎ面はありますが、政治は諦めるものではなく、信じて進んで行くものだというメッセージは私の考えと同じなので、結末の共感は大きかったです。
    氏の他の最新咲くも読んでみたいと思いました。

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    2023年01月16日
  • レッドゾーン(下)

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    色々と巻き込みながらだったので、理解するのでいっぱいいっぱい。
    伏線?みたいな話が多いので、下巻もなかなか濃い内容だった。

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    2023年01月16日
  • ハゲタカ2.5 ハーディ(下)

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    ハゲタカシリーズのスピンオフ作品。
    上巻ではバラバラと思われたストーリーも1つに最終的にはまとまっていた。
    しかし、その分、話があっちこっちにいくので、整理が大変だった。
    アランの死の真相も分かったが、他の人も含め、無理やり死の描写を描いているように思えた。
    サスペンスの部分はかなり強引だったと思う。

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    2023年01月03日
  • レッドゾーン(下)

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    日本最大の自動車メーカー、中国の国家ファンド、香港富豪、米国最大のファンドと、壮大な内容にどう落とし前つけるのか、、と思いながら読み進めていましたが、なるほどです。中国国家を巻き込んでこんなに上手く行くのかというのはありますが、相変わらずの期待を裏切らない面白い展開でした。著者の綿密な事前下調べに敬服です。最後のアカマ自動車の社長室長の一言。鷲津さんどうするんだろう??

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    2022年12月31日
  • 神域

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    アルツハイマー病で死滅した脳細胞を再生させる研究所の役員や研究者たち。
    先端医療産業開発機構の役員。
    総理大臣、秘書官や内閣参与など日本政府関係者。
    さらに、宮城県警及び宮城中央署の刑事たち。
    登場人物の多さに、名前を覚えきらない読み手(もの忘れな高齢者)には、便利な登場人物の一覧があり、大いに助けられた(笑)。
    死滅した脳細胞を再生させる研究を行っている研究所の周りで、アルツハイマーの高齢者が次々と行方不明になる。不審を持った楠木警部補が捜査を始める。
    ミステリアスな事件が連続する一方で、研究者たちが開発した人工万能細胞「フェニックス7」の是非を巡って日本政府内での主導権争い、さらにはアメリ

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    2022年12月30日
  • レッドゾーン(上)

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    好きな登場人物の1人であるリンの露出が多くて良いです。中国が遂に描かれたな、、、という感じ。下巻へのフリが随所に描かれており、どうなるのか楽しみです。

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    2022年12月28日
  • オペレーションZ(新潮文庫)

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    日本の財政問題。
    深刻さは理解するも…
    …社会保障の改悪〈給付削減・負担増〉は困る。

    読んでいると、現政策にも、腹が立ってくる。
    まずは、政府の無駄使いと、そこに群がる輩を、取り締まるべきだろう…
    …などと、考えてしまう。

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    2022年12月06日
  • コラプティオ

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    挫けたまま立ち上がれないでいる震災後の日本で、巧みな弁舌を駆使し国民の心を捉え、総理に登り詰めた登り詰めた宮藤隼人。
    彼の政治信条に共感し、側近として支える白石望。
    白石と同期で、政治の闇を追いかける新聞記者の神林裕太。
    この3人を中心に、内閣官房長官、総理主席秘書官、事務秘書官、さらに敏腕記者等により、それぞれの思惑を秘めた虚々実々の駆け引きが繰り広げられる。
    題名の「コラプティオ」とは、どういう意味か不明のまま読み続けたが、ラテン語で「汚職・腐敗」を意味すると巻末で明かされる。
    原発産業による日本復興という大事業を計画する宮藤総理。日本フェニックス計画と銘打った政策は、震災で落ち込んだ日本

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    2022年11月23日
  • ハゲタカ 5 シンドローム(下)

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    福島原発事故の解明に設置された国会事故調の委員長を務めた黒川清氏の「規制の虜」、門田隆将氏の「死の淵を見た男」で福島原発に関する書籍を読んでいた事が予備知識となり、政府、官僚、政治家、東電そして鷲津率いるサムライキャピタル:投資ファンドのノンフィクションの要素も含んだハゲタカシリーズ、今回も読み出したら止まりませんでした。

    今回は企業買収のストーリー以上に、原発を含む日本のエネルギー政策に係る社会的課題にも踏込み、また責任の所在を曖昧、うやむやにし、本質的な課題より体裁を重んじる日本社会の特性が随所に描かれており、非常に考えさせられる内容でした。

    電気、ガス、水道、交通や通信といった生活基

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    2022年10月30日
  • ベイジン(下)

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    特に下巻の後半がスピード感があり面白い。感情をあまり出さなかった鄧の人間らしい行動、朱のたくましい凛とした行動に熱くなりました。
    印象的なフレーズ、
    「諦めからは何も生まれない。希望とは自らが努力し、つかみ取るもの。」

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    2022年10月02日