真山仁のレビュー一覧
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2011年3月11日
日本人の意識が変わった日
津波、原発事故、危機管理、絆、ボランティア...
東日本大震災で被災した小学校に応援教師として赴任してきた小野寺
小野寺自身も阪神淡路大震災で妻子をなくしています。
そんな小野寺と傷を負った子供たちや父兄、地域の方々と、被災地の問題への取り組みが語られている短編連作の物語。
■わがんね新聞
赴任した小野寺が一番最初にやったこと。
子供たちの不満や怒りを吐き出させるために作り始めた壁新聞
変わり始める大人たち、元気になっていく子供たち
■”ゲンパツ”が来た
福島第一原発から避難してきた子供の案件から、原発問題に
偏見、それぞれの本当の想い
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Posted by ブクログ
真山仁は、日本の様々な分野において問題提起をする。この黙示は、農業がこれでいいのか?ということを説く。根底には、日本の農業の再生をどう進めるのかにある。ここで、取り上げられるのは、農薬と遺伝子組み換えが主人公だ。
小説では、農薬散布中のラジコンヘリが小学生の集団に墜落する事故が発生。この本が書かれた時にはラジコンヘリであったが、今ではドローンで散布する。また、病害虫のあるところに向けて集中的に農薬を散布することもできるようになってきている。少し技術は進歩しているが、テーマは変わらない。カーソンの「沈黙の春」の警鐘から、農業に携わる人々が農薬をどう捉えるのか?ということは、大きな問題でもある。農 -
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2020年オリンピック開催時の日本を舞台に、日米韓さらに北朝鮮の工作員までもが入り乱れる謀略小説。
巻頭の「主な登場人物」だけでも、警視庁捜査一課の刑事や警備部、内閣総理大臣に官房長官、国家安全保障局、最高検総務部長、韓国では大統領やソウル中央検察庁の検事、韓国国家情報院の幹部、米国の国家情報長官に在日米大使館員、さらに北朝鮮の工作員や彼らを束ねる在日の工作官に、「眠りネズミ」と呼ばれる潜伏工作員。
そして、主人公ともなるのが元内調室長で調査事務所を営む合気道の師範と彼の部下。
登場人物の多いうえに、彼らの関係が複雑に入り組み、さらに語り手が次々と変わるめまぐるしい展開に、迷宮に放り込まれたか -
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ネタバレ軍事政権下の東南アジアの国・メコンの大統領選挙を巡ってのお話。〝民主主義は人を幸せにするか″というテーマらしい。
大統領選に出馬する直前に暗殺されてしまったジミー・オハラ。夫の代わりに大統領選に出馬しようとする母のグレイスと、それに違和感を覚えるピーター。また、彼を支えようとする日本の大学生・渉や、イギリス大使館員のカートライト。ジミーの親友のメコン軍人のシルバ。悪徳大統領ドミノ、、、等々、登場人物がたくさんいて、立ち位置を把握に、ちょっと苦労したけど、面白かった。
重いテーマを題材にしているのだけど、ちゃんとエンターテイメントしていて良かった。誰が味方なのか?大国の思惑とか、登場人物それぞれ -
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「標的」 真山仁
1.小説より
「過去の経験値といまの状況の比較検証。
その結果、神業なるものが生まれる。
勘ではない。」
「身の丈にあった生活。その価値観を身につけて、初めてそれぞれがそれぞれの豊かさを知る。」
2.内容
与党女性議員。地盤なし、金なし。ただし世論受けは良い。
いよいよ現首相から「次の総理をやらないか?」の打診あり。
現首相の狙いは院政でのコントロール。
一方、彼女はそれを知って党内派閥の票の買い占めに走る。
買い占めの事実、資金源を検察が割り出し、いよいよ逮捕へ。。。
3.読みおえて
政治。
民からしたら、向こう側の世界。
報道で知るのは一部であり全体ではない -
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ネタバレ読書備忘録609号(上下巻)。
★★★★。
下巻終わって・・・、まあいい感じで終わりました。
アルツハイマー病を治す奇跡の人口万能幹細胞(IUS)フェニックス7。IPS細胞の上級グレード細胞ですね。
主なプレイヤーは以下の通り。
①アルキメデス科学研究所:奇跡の新薬としてフェニックス7の開発を東大先端生命科学研究センターと連携して進めている。
②政府:国家の威信を掛けて日本の経済再生プロジェクトとして後押しする。
③アメリカ:フェニックス7に対し政治介入して奪うことを画策する。
④宮城県警:アルキメデス科研の所在地、宮城県で高齢者の行き倒れ死を捜査する。
ここからは完全なネタバレ。
アルキメ -
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ハーディ ハゲタカ2.5
日光・金谷ホテルをモデルとしたミカドホテルの松平貴子を主人公とする、ミカドホテル奪還劇。前作で世界的リゾートホテルグループの傘下となったミカドホテルを奪還するまでの話。先日、日光・金谷ホテルを訪れたこともあり、描写がありありと想像できたことで非常に面白かったが、今回はどちらかと言えばビジネスというよりスパイ小説のようなイメージであった。ラストも、ハゲタカ1.5のスパイラルのような「この手があったか!」というような鮮やかな展開ではなく、かなりあっさりしていた印象。また、本作では全くと言うほど鷲津は現れない、完全に映画でいうマクガフィンとなっている。