真山仁のレビュー一覧
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面白い.ただ,心のそこから楽しめは出来なかった.それは,斯様な研究者が斯様な実験を行うことがあまりにも現実味がない,と感じてしまったからである.
それは高い倫理観ゆえにではない.研究者は時として倫理観がない.恐怖心でもない.それは麻痺しなんらかのタイミングで消失することもある.組織的なチェック機構でもない.案外結構ガバガバなので.
ただ,それら全てが少しずつ考慮に入って,全部が起こる確率がびっくりするくらい低いと感じてしまう感性だと思う.
殺人だって起こる確率が低いのに楽しめる.それが科学の斯様な事象では抵抗感があったのは,ただ職業柄なのかもしれなく,残念. -
Posted by ブクログ
真山仁『レインメーカー』幻冬舎文庫。
医療法廷小説。
殆どの医師は患者の生命を救おうと懸命に努力し、真摯に医療と向き合っている。片や患者や患者の家族はどうだろうか。健康のために食べ物や飲酒に気を付けて、常に運動を心掛け、身体に異変を感じれば、直ぐに病院へ駆け付けるという人は多くはないだろう。
本書は患者の生命を救えなかった医師と亡くなった患者の家族が様々な事情を抱える中、裁判で対決するというものだ。但し、主人公の弁護士である雨守誠は医師の側に付くというのだから、多くの医療法廷小説とは趣きが異なる。
高熱で病院に運ばれた2歳9カ月の男児が懸命の救急治療も及ばず呆気なく亡くなる。当時、母 -
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自己啓発本
でも勇気をくれる。
正しいが気になるのは自信がないから
自信とは、自分を信じること。
色々考え、試行錯誤して、確かめながら生きていく。
そのためには、頑張っている自分を信じることが必要。 他人の意見をしっかりと聞き、頭から否定するのではなく異なる意見として受け入れられる広い視野と懐の広さを持つ。
想像力を持って自分の未来を描き、実現できるように頑張る。
どうせなら生き甲斐やモチベーションがあるほうが楽しいし、生きる張り合いも生まれる。
自分の人生なんだから、自分で道を狭くしない。
いつでも可能性や選択肢は沢山ある。
未来を考えるときにも、柔軟な多様性をもって、「やりたいこと」 -
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総理にIRについて指南し、信頼を得て、地元にIR誘致させようとした青森県の片田舎の町長がホームレスとなり、公園で野垂れ死にする。
総理が態度を翻し、お膝元の山口県に最初のIRを立ち上げたことが背景にあった。
IR推進法を巡っては、アベノミクスの成長戦略の一環として期待される一方、今もカジノに関するギャンブル依存症の懸念が拭いされていない
また、広告代理店、経営会社、政治家などの間で利権の奪い合いが生じる。地方創生の旗印のもと、中央が進めるプロジェクトに踊らされて、地方が利権争いに巻き込まれる危険性も秘めている。
この小説は、そんなIRやカジノがはらむ社会的な問題を関係者の絡み合いや駆け引きを通 -
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この小説が、3.11原発事故よりも前に書かれていたことに、著者の先見性の確かさを見る。
『ハゲタカ』シリーズの著者が、火山大国である日本で地熱発電がなぜ発達してこなかったのかを明かし、原発という禁断の火を手に入れてしまった我々は後戻りできないのだろうか、そんな問いかけを迫る経済情報小説。
ファンド会社の上司から地熱発電会社の再生を指示された主人公野上妙子。
彼女が、地熱発電研究の第一人者者や日本地熱開発社長とともに、再建を果たすまでを描く。
小説内で、地熱発電の問題点として3つあげられている。一つは、コスト的ハンディが大きく、事業として魅力がないこと。二つ目は、政府の温暖化対策である助成措置の -
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被災地の小学校へ、支援の一貫としてやってきた小野寺先生。
彼もまた、阪神淡路大震災で妻と娘を喪った経験を持つのだった。
まもなく大震災から12年。
もう12年なのか、まだ12年なのか。
フィクションだけど被災地での問題や課題がリアルで、読み進めるのが辛い人もいると思う。
あの日東京にいたに過ぎない私ですら胸にくる描写がいくつもあり、割りきってページを捲らないと頭の中が津波や火災や瓦礫、何もなくなった海外の映像でいっぱいになってしまった。
小野寺先生は学校の子供たちを励まし励まされ、自分の傷も癒えてないのに生きていこうとしている。
小野寺先生にとっての子供たちのような心の拠り所がないと、足