真山仁のレビュー一覧

  • 神域 下

    Posted by ブクログ

    面白い.ただ,心のそこから楽しめは出来なかった.それは,斯様な研究者が斯様な実験を行うことがあまりにも現実味がない,と感じてしまったからである.
    それは高い倫理観ゆえにではない.研究者は時として倫理観がない.恐怖心でもない.それは麻痺しなんらかのタイミングで消失することもある.組織的なチェック機構でもない.案外結構ガバガバなので.
    ただ,それら全てが少しずつ考慮に入って,全部が起こる確率がびっくりするくらい低いと感じてしまう感性だと思う.
    殺人だって起こる確率が低いのに楽しめる.それが科学の斯様な事象では抵抗感があったのは,ただ職業柄なのかもしれなく,残念.

    0
    2023年10月23日
  • レインメーカー

    Posted by ブクログ

    真山仁『レインメーカー』幻冬舎文庫。

    医療法廷小説。

    殆どの医師は患者の生命を救おうと懸命に努力し、真摯に医療と向き合っている。片や患者や患者の家族はどうだろうか。健康のために食べ物や飲酒に気を付けて、常に運動を心掛け、身体に異変を感じれば、直ぐに病院へ駆け付けるという人は多くはないだろう。

    本書は患者の生命を救えなかった医師と亡くなった患者の家族が様々な事情を抱える中、裁判で対決するというものだ。但し、主人公の弁護士である雨守誠は医師の側に付くというのだから、多くの医療法廷小説とは趣きが異なる。


    高熱で病院に運ばれた2歳9カ月の男児が懸命の救急治療も及ばず呆気なく亡くなる。当時、母

    0
    2023年10月09日
  • 新装版 ハゲタカ2(下)

    Posted by ブクログ

    鷲津の人間味で少しだけ身近に感じることが出来ました。
    前作に続き、押しつけやサタデー・ナイト・スペシャルなど経済の知識を学べるのも本書のいいところです。

    「そしてその受身のずるさが、孜々として日本の歴史を動かしてきたのであった。」

    0
    2023年09月23日
  • 新装版 ハゲタカ2(上)

    Posted by ブクログ

    ストーリーと共に知らない単語を学ぶことが出来ます。
    ただ、有能で魅力的な鷲津のここまでモテる描写が必要なのかと感じました。

    「生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、」

    0
    2023年09月17日
  • マグマ

    Posted by ブクログ

    面白かった。政治と金とリアルな感じが楽しい。政治と金とパワー合戦はドロドロとヘビーでハードでも、清々しく美しい九州の景色や品のある光景が挟まっていて気持ちが良い。
    ラストは感動どころも多く涙、涙でよかったけれど、その祖父でそんな性格の孫には育たないでしょう、という現実味のなさが少し残念でした。

    0
    2023年09月14日
  • プライド

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「一俵の重み」のような、いい意味での「プライド」を主題にした短編集ばかりかと思ったらそういう訳でもなかった。とはいえ、タイトルにもなっている「プライド」を始め、全体的に面白かった。
    「暴言大臣」やショートショート的な「歴史的瞬間」など、ブラックな話もなかなか秀逸。

    0
    2023年08月30日
  • 標的

    Posted by ブクログ

    日本初の女性総理候補、特装検事、新聞記者。三者の視点で物語は進んでいく。サービス付き高齢者向け住宅、いわゆるサ高住をめぐる権益。社会派テーマではあるがページをめくる手が止まらなかった。読んでほしい。

    0
    2023年08月16日
  • “正しい”を疑え!

    Posted by ブクログ

    自己啓発本
    でも勇気をくれる。

    正しいが気になるのは自信がないから
    自信とは、自分を信じること。
    色々考え、試行錯誤して、確かめながら生きていく。
    そのためには、頑張っている自分を信じることが必要。 他人の意見をしっかりと聞き、頭から否定するのではなく異なる意見として受け入れられる広い視野と懐の広さを持つ。

    想像力を持って自分の未来を描き、実現できるように頑張る。
    どうせなら生き甲斐やモチベーションがあるほうが楽しいし、生きる張り合いも生まれる。

    自分の人生なんだから、自分で道を狭くしない。
    いつでも可能性や選択肢は沢山ある。
    未来を考えるときにも、柔軟な多様性をもって、「やりたいこと」

    0
    2023年04月23日
  • ベイジン(上)

    Posted by ブクログ

    この作品は2008年が舞台なので今から約15年前の設定だが、中国という国の官僚主義、拝金主義、原発の難易度の高さなどはほとんど変わっていないのではないか。変わったのは15年前よりも中国の国際的なステータスが上がった事だろう。
    そういう意味ではこれから先は中国との付き合い方はもっと難しく重要になる。
    この作品はそれらを題材にしながらも、根底には国家を超えた人間同士の信頼関係や絆を築き得るというメッセージが込められている。
    蛇足になるが最後の終わり方は賛否両論あるだろう。私個人はもう少し最後まで書いてほしかった。

    0
    2023年04月21日
  • コラプティオ

    Posted by ブクログ

    震災後の日本を復興に導くカリスマ総理・宮藤。若き指導者に国民からの支持が集まるが、新聞の特ダネ記事が官邸の暗部を暴き出し…。

    0
    2023年04月20日
  • 売国

    Posted by ブクログ

    特捜部に赴任した気鋭の検察官・冨永真一。宇宙開発の最前線に飛び込んだ若き女性研究者・八反田遥。ある汚職事件と友の失踪がつなぐ2人の運命。正義とは何か? 国益とは何か?

    0
    2023年04月20日
  • 神域

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    登場人物が多いのと、架空の組織の名前など頭に入りづらいところはあった。アルツハイマーを治す薬の研究者。アルツハイマーの高齢者が失踪して数ヶ月後に見つかるのに、健康そうで身なりも悪くないということに違和感を抱く刑事。新薬を生み出すことをビジネスとしか思わない偉そうにしている人たち。安全性を担保されなくても今の苦しい状況から逃れる可能性があるならやって欲しいと思う人たち。面白く読めたが、権力がものを言う的な最終局面が残念。

    0
    2023年04月06日
  • バラ色の未来

    Posted by ブクログ

    総理にIRについて指南し、信頼を得て、地元にIR誘致させようとした青森県の片田舎の町長がホームレスとなり、公園で野垂れ死にする。
    総理が態度を翻し、お膝元の山口県に最初のIRを立ち上げたことが背景にあった。
    IR推進法を巡っては、アベノミクスの成長戦略の一環として期待される一方、今もカジノに関するギャンブル依存症の懸念が拭いされていない
    また、広告代理店、経営会社、政治家などの間で利権の奪い合いが生じる。地方創生の旗印のもと、中央が進めるプロジェクトに踊らされて、地方が利権争いに巻き込まれる危険性も秘めている。
    この小説は、そんなIRやカジノがはらむ社会的な問題を関係者の絡み合いや駆け引きを通

    0
    2023年04月02日
  • “正しい”を疑え!

    Posted by ブクログ

    子供向けの本だけど、大人になった自分にも参考になる事が多かった。

    腹を割って話せば分かると思う日本人と、分かり合えない前提で妥協点を探す欧米。
    騙す人が悪い日本と、騙す人は頭がいい中国。
    情報は、発信者によって歪められている事。
    など、子供の時から知っておくと良さそうなことばかり。

    あと、小説を通して様々な人の擬似体験をする事が有益性も、多くの人が言っている。
    アガサクリスティー推しも納得。

    0
    2023年02月19日
  • マグマ

    Posted by ブクログ

    この小説が、3.11原発事故よりも前に書かれていたことに、著者の先見性の確かさを見る。
    『ハゲタカ』シリーズの著者が、火山大国である日本で地熱発電がなぜ発達してこなかったのかを明かし、原発という禁断の火を手に入れてしまった我々は後戻りできないのだろうか、そんな問いかけを迫る経済情報小説。
    ファンド会社の上司から地熱発電会社の再生を指示された主人公野上妙子。
    彼女が、地熱発電研究の第一人者者や日本地熱開発社長とともに、再建を果たすまでを描く。
    小説内で、地熱発電の問題点として3つあげられている。一つは、コスト的ハンディが大きく、事業として魅力がないこと。二つ目は、政府の温暖化対策である助成措置の

    0
    2023年02月15日
  • “正しい”を疑え!

    Posted by ブクログ

    正しい、と言われていることをそのまま信じるのではなく、知見を持って疑おう。そのために小説を読んで疑う力を鍛えよう。という主張。
    ツッコミどころなのかわかりませんが内閣総理大臣は国民の選挙で選んでいません。

    0
    2023年02月05日
  • そして、星の輝く夜がくる

    Posted by ブクログ

    被災地の小学校へ、支援の一貫としてやってきた小野寺先生。
    彼もまた、阪神淡路大震災で妻と娘を喪った経験を持つのだった。

    まもなく大震災から12年。
    もう12年なのか、まだ12年なのか。

    フィクションだけど被災地での問題や課題がリアルで、読み進めるのが辛い人もいると思う。
    あの日東京にいたに過ぎない私ですら胸にくる描写がいくつもあり、割りきってページを捲らないと頭の中が津波や火災や瓦礫、何もなくなった海外の映像でいっぱいになってしまった。

    小野寺先生は学校の子供たちを励まし励まされ、自分の傷も癒えてないのに生きていこうとしている。
    小野寺先生にとっての子供たちのような心の拠り所がないと、足

    0
    2023年01月21日
  • ハゲタカ2.5 ハーディ(下)

    Posted by ブクログ

    なるほど、こう描き繋げたか。
    面白い、本編を更に盛り上げる。でも個人的にはちょっと人が亡くなりすぎかな。

    0
    2023年01月18日
  • ハゲタカ2.5 ハーディ(上)

    Posted by ブクログ

    ハゲタカシリーズのスピンオフ。本編シリーズと当たり前だけどリンクしながら、謎であった部分が見えたりして軽快に読める。後は下巻に期待。

    0
    2023年01月17日
  • プリンス

    Posted by ブクログ

    真山さんの文章は少し硬い感じがします。
    ですが、展開、筋回しが、巧妙で読後感は非常に良かったです。話の展開は少し出来過ぎ面はありますが、政治は諦めるものではなく、信じて進んで行くものだというメッセージは私の考えと同じなので、結末の共感は大きかったです。
    氏の他の最新咲くも読んでみたいと思いました。

    0
    2023年01月16日