真山仁のレビュー一覧
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ネタバレ初の真山仁作品
久しぶりの政治ものだった
停滞していた日本経済を力強く引っ張っていくリーダーの出現と彼を支える男と後々彼を監視する立場であるジャーナリストの物語
前半は内閣総理大臣の宮藤の台詞や立ち振る舞いを文字で読んでいてる自分自身も鼓舞されて圧倒された
こんなリーダーだったら確かに何も考えずついて行きたくなるようだった
ただ、後半から出てくるえげつない行為から少しずつ翳りが出てきていて少しづつ失望感を抱えて読むことになった。
どんなに国を力強く引っ張ってくれるリーダーでも、いつからか自分の行為ではなく自分そのものが正しいと思い始めてからは自分に従うもの以外を排除してしまう独裁者になってしまう可能性はあるということを感じた。
そうなる背景には自分が声をあげれば賛同の声を返してくれる、アーティストのファンのような存在が大きいのかなとも考えた。彼らが多ければ多いほどリーダーは助長し、自分は正しく、反対意見は無視してしまったり敵視する恐ろしさを宮藤の落差から見せつけられた。
政治ものはサスペンスものや日常系のものと違い、展開や役職が難しいものも多く、勘どころもないので完読には時間がかかった。
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Posted by ブクログ
真山さんの小説はこういうのですよね。
タングルの流れからのため、ちゃんとした真山小説を読めて嬉しくなりました。
緊急搬送された小児を必死の医療措置の甲斐なく亡くしてしまいます。遺族への謝罪と丁寧な説明で一時は解決したと思われましたが、金/地域のしがらみ/権力に絡め取られ遺族と病院の双方が裁判に無駄な巻き込まれていきます。
どう転んでも敗訴確定となる原告側の弁護士の真意は何か。
緻密な取材に基づく医療現場とその状況や法律が絡まり、それを紐解いていくまでが面白いですね。登場人物の過去や背景を描写しキャラクターも立ってます。真山さん節にのめり込めました。 -
Posted by ブクログ
本作は、外資系ファンドマネージャー・鷲津政彦が、問題を抱えた優良企業を買い叩き再生させる「ハゲタカ」シリーズの第6作です。
フィクションの形を取っていますが、登場する組織や人物を以下のように読み替えれば、フィクションの形を取っていますが、登場する組織や人物を以下のように読み替えれば、ノンフィクション感が増します。
・FSC = TSMC(台湾積体電路製造)
・フェニックス = ラピダス
・ワーグナー大統領 = トランプ大統領
物語の核となるのは、世界最高峰の技術を誇る台湾の半導体企業「FSC」の争奪戦です。
まさに「台湾問題=半導体問題」という構図で、昨今の地政学リスクを描いています。
そこに鷲津が「日本半導体産業の復権」を掲げて参戦し、三つ巴の闘いが繰り広げられる。
近年の真山作品の傾向通り、本作でも米国は徹底した悪役、中国は強欲ながらも理性的な国家として描写されているのが特徴的です。
ただ、終盤まで非常に盛り上がっただけに、ラストがふわっとしていて若干の物足りなさを感じました。 -
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2026/03/21「チップス下」後半、激動の半導体企業の再編面白い
半導体は国家戦略の柱、制する者は世界覇権を得る
1.TSMCは台湾の守り神
TSMC争奪戦こそ台湾有事の本質
米国も中国もTSMCの半導体が相手に独占される事態は受け入れられない そうなる場合はむしろ「破壊」する
2.最先端微細半導体「2ナノー」を台湾外に分散する→日本・米国へ
世界のリスクは低下するが、台湾の重要性・価値を低下させる
→米国は台湾を守る理由がなくなる
そもそも台湾は独立国家ではなく、中国の領土に過ぎない
TSMCの最新半導体技術と生産工場があるので米国は守る
3.TSMC体制の今後
本書では最先端半導体工場を日本Rapidusに立ち上げることで
「台湾+日本の半導体連合」が世界の安定を招くというストーリー
現実に中国は「中立連合」と評価するのか?
中国の反高市総理は米国+日本連合としてしか認めない。 -
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シンイチは幼い頃から感受性豊かな子で、幼稚園も1日でやめてしまったくらいだった。幼少期にポリオにかかり、足の動きが悪くなる。両親は心配して日本舞踊を習わせた。5歳で初舞台。6歳で守田屋の内弟子になり、坂東喜を名乗る。次に坂東玉三郎を名乗る。坂東弥五郎と坂東田門が教育係としてつく。
光の魔術師である玉三郎は、何より照明に力を入れる。魂を孤立させないための道筋を照らすのが闇だ。
海に魅せられるのはそこに豊穣の無があるから。玉三郎にとって海は想念を存分に解放する世界なのではないだろうか。
東の粋、西の雅。粋が過ぎたら下品になる。雅が過ぎたら野暮になる。経験を積まないで無闇に粋になろうとすると、無礼になってしまう。無礼や下品になったら粋ではない。その塩梅が難しい。
玉三郎の食へのこだわりは独特で、いかに自然であるかを重視する。日本の食材は今やすっかり季節感を失った。農作物は工業生産物になった。
長年、日本像の探究を続け、国内外を歩いた司馬遼太郎さんの視点に共感している。自国を愛するというのはどういうことか、教わった気がする。 -
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再読。新刊を読むために、一巻から読み返してみる。
2011年3月11日に起きた東日本大震災から2ヶ月ちょっと、主人公の小野寺は神戸からの応援教師として甚大な被害を受けた被災地・遠間市の小学校に赴任した。小野寺自身も阪神淡路大震災で被災し、妻子を亡くした過去があった。赴任早々、小野寺は、健気に頑張りながらもどこか無理をしている子どもたちに向かって、「頑張るな」と言葉を掛けて自分たちの不満をぶつけた壁新聞・"わがんね新聞"を作ることを提案する…。
以前に読んだのは、確か自身が教師になって間もないころだった。そのときと今とでは、読んだときの感想が違う。当初は小野寺や三木のような教師が単なる物語のなかの"いい先生"と捉えていたときもあった。今読んでみて、もし同僚だったらと思うと複雑な思いを抱く面もある。一方で、無気力な教師にも見える富田の心情を慮る部分も出てきた。
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ネタバレ安全保障問題、特に防衛費増強の財源問題を取り上げた政治小説。
我が国の防衛と国民負担について考えさせられる小説で、そのことについて国民が自分事として捉えなければならないというメッセージには共感した。また、人頭税形式の「防人税」と、それを拒否する場合は1か月間の予備自衛官勤務=事実上の徴兵制という本作の中の防衛財源の解決策も、現実世界での実現可能性はかなり低いとは思うが、かなり興味深い政策アイデアだと思った。そして、主人公の一人である都倉響子は、現実にもいてほしい魅力的な政治家だと感じた。
ただ、小説としては詰め込みすぎで消化不良のように思えたし、在日米軍が突然撤退したり、中国が中日安全保障条約の検討を持ちかけてきたり、最近は日本をパッシング気味の北朝鮮が東京湾にミサイルを撃ち込んでくるなどといった設定にはあまりリアリティが感じられなかった。また、主人公に接近する中国の真意も最後までよくわからなかった。 -
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ロッキード事件
リアルタイムでは知りませんが、田中角栄がロッキード社から賄賂を受けっとて捕まった、というザックリした知識しかなかったので、その真相がまとめられてるんかな、と思い購入
事件から40年近く経過し、公文書が公開されたり、関係者からの新たな証言が得られたりとかして、改めてイチから検証されていました
関係者の多くが高齢になっていて、ギリギリのタイミングで得られた証言もあり、とても貴重な内容でもありました
完全に核心に迫れたわけではないけれど、個人的にはかなり衝撃的な内容だったと思っています
角栄さん、民間航空機の便宜かと思っていたけれど、どうやら対潜哨戒機の便宜であったのでは?ということ、その話は角栄が総理就任前に、佐藤栄作がニクソンと交わしていたのでは?ということ、中曽根、当時防衛庁長官も絡んでいたのでは?ということ、果ては、日本が当時の米国にうまく利用されただけなのでは?ということ、当時の世論やマスコミ報道、煽り具合が凄まじかったということ、検察の捜査が結構無理矢理感があったこと、角栄有罪ありきであったこと、などなど、大量の文献や関係者の証言を詰め重ねて語られる内容はかなりリアリティを伴っていました
ボリューム満点の内容で、お腹いっぱいです