あらすじ
当確師・聖達磨の元に、総理大臣をその座から引きずり下ろすため、選挙区で落として欲しいというとんでもない依頼が。総理には選挙区内の湖に、日米共同で研究所を作ろうとしているという噂があった。「里山を守って欲しい」と少年に詰め寄られた総理は失言から窮地に陥る。この少年ならば選挙に勝てるが、もちろん少年に被選挙権はない――。人気シリーズ第2弾!!
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真山仁『当確師 十二歳の革命』光文社文庫。
当選確率99%を約束する選挙コンサルタントの聖達磨を主人公にした選挙小説のシリーズ第2弾。
今回、聖達磨は現職総理大臣の岳見を選挙区で落選させて欲しいというとんでもない依頼を受ける。
誰を対立候補として擁立させるのか、聖達磨はどんな驚愕の秘策を見せてくれるのか……
いや、驚愕の秘策などなかった。正しく生きてきた人間が正しい選挙戦を闘った結果は当然の如くなのだ。終盤の予想外の展開にハラハラし、12歳の少年の素直な正しい意見に胸が熱くなった。
この総理まで登り詰めた岳見という二世議員は、無能で厚顔無恥な安倍晋三と中身の無い軽い発言でお馴染みの下半身の緩い小泉進次郎とを掛け合わせたような馬鹿ぼっちゃまぶりなのが笑える。こういう政治家は私服を肥やしながら、国を駄目にしていくのだろう。
政治大学の設立のため、運悪く破綻が噂され出した海外ファンドに3億円を投資していた聖達磨は資金を回収するために、現職総理の岳見を選挙区での落選させるという高額報酬の依頼に手を出すことにした。
当の岳見総理は選挙区である長野県の芦原湖周辺に日米共同の宇宙開発研究所を作ろうとしており、施政報告会での12歳の小学生・南方誉の『ホタルの飛び交う里山を守って欲しい』という発言に、とんでもない失言をし、窮地に陥る。
対立候補を擁立させ、現職総理の落選を狙う達磨だったが、願わくば候補者にしたいと思うほど12歳の南方誉は逸材だった。しかし、小学生を立候補させる訳にもいかず、母親の晴美を立候補者に仕立てようとするのだが……
そして、岳見総理の日米共同の宇宙開発研究所設立の真の狙いは……
本体価格680円
★★★★★
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当確師第二弾。
こっちも面白かった。総理が小物過ぎて迫力というかライバル感はなかったのが物足りなかったが。
ただ、メリルだけは中途半端で、気付いたら退場していた気がする。なんかよく分からんキャラだったかな。
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想定以上に面白かった。
12歳が如何に打倒総理を果たすか。
総理お膝元の長野4区と官邸を巻き込み、宇宙開発機構の名前まで登場する予想以上のスケールと、それに相応しい権謀術数が練り込まれて前作より良いですね。
最後はもう少し踏み込んだ背景と会話が欲しかったな。
Posted by ブクログ
選挙の当選確率99%を誇る選挙コンサルタント聖達磨が主人公の第2弾。
発端は、12歳の少年誉が現職の総理へ「里山を守ってほしい」との発言から。
その後の失言で、総理は窮地に追い込まれる。その総理を次の選挙で落としてほしいとの依頼を、聖はある議員から受ける。
対立候補として申し分ないのが、12歳の誉だが、彼には被選挙権が無い。
「政治が良くならなければ、この国は変わらない」との思いの聖は、誰を候補者に立てるのか?
さらに、NASAとの共同開発施設での核開発疑惑も絡み、選挙戦は複雑化する。
聖は、現職総理に勝てるのか、サスペンスな展開に終盤ではミステリーに転化する。
選挙の当落には、天国と地獄に例えられるほどのドラマがある。それゆえ、選挙小説は投票日というクライマックスへ向かって、主人公たちとともに読者をも巻き込むエンタメ小説の極みといっていい。
もちろんこの小説も、その最もたる1冊と言える。
Posted by ブクログ
当確師・聖達磨の元に、総理大臣をその座から引きずり下ろすため、選挙区で落として欲しいというとんでもない依頼が。総理には選挙区内の湖に、日米共同で研究所を作ろうとしているという噂があった。「里山を守って欲しい」と少年に詰め寄られた総理は失言から窮地に陥る。この少年ならば選挙に勝てるが、もちろん少年に被選挙権はない――。
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当選確立99%の選挙コンサルタント・『当確師』聖達磨が、現職総理大臣・岳見優一に挑む。
諏訪湖畔に原子力エンジン開発施設建設を目論む総理大臣・岳見。
そんな現職総理を選挙区で落選させてほしいと『当確師』聖に依頼が。
いかに戦うか…
諏訪湖の自然を守るため、12歳の南方誉が立ち上がる。
あんまり聖の活躍はなかったような…
物足りなさが…
Posted by ブクログ
前作に比べるとだいぶ薄まってないですか?といいたくなる。読んで後悔はないけど。
まずは敵である現総理が雑魚キャラ過ぎて緊張感がない。軽薄で安っぽい人間という表層の中に怖いものを呑んでいるのではないかと期待したがそのような片鱗も見えなかった。
本当に怖い人物は別にいるのだけど、その人物の怖さもいまいち鮮烈でないのはなぜだろう。どんでん返しのためのどんでん返しに見えてしまって、消化不良の感。「この人の怖さにはさ、ほら、最初から言及していたでしょ?」といわんばかりのアリバイ的な弱い伏線しかなく、こいつとこいつとこいつの中から、こいつかーーー!!!という気持ちのよい裏切られ感がない。もちゃっとしている。
いや文句のつけすぎなのはわかってる、前作がすごく好きだったからほんとに楽しみにとってあったんだ。普通に楽しめる作品ではありますので。
Posted by ブクログ
前作は当確師・聖達磨の手腕が次から次へと楽しめる感じで面白かったのですが、今回はそれがあまり描かれておらず、物足りなさを感じました。
でも申し分なく面白かったです!ラストもちょっとしたどんでん返しがあったし、また続編があるといいな〜。