真山仁のレビュー一覧
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真山仁『海は見えるか』幻冬舎文庫。
『そして、星の輝く夜がくる』の続編。東日本大震災により大きな被害を受けた東北地方の沿岸にある遠間第一小学校を舞台にした感動・感涙の連作短編。
まいど先生こと小野寺徹平は派遣元の神戸市の教師を辞めて、遠間市で教師を続けることを決意するのだが…
あれから7年が経過したが、既に大人だった自分でさえ、当時の驚愕の記憶は全く失せることがない。あの頃に子供たちの受けた心の傷はどれ程だったのだろうか。自らが阪神淡路大震災を体験し、妻子を失った過去を持つような主人公の小野寺徹平は傷付いた子供たちの心に寄り添い、被災地で起こる様々な問題に真っ向勝負を挑む。
前作を読ん -
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真山仁『そして、星の輝く夜がくる』講談社文庫。
東日本大震災の直後に神戸から赴任した応援教師の小野寺徹平を主人公にした連作小説。希望の光を感じる非常に良い作品だと思う。
神戸で阪神淡路大震災を経験した型破りの熱血教師の小野寺は大震災にうちひしがれ、心に大きな傷を負い、疲弊した子供たちや父兄、教師らと本音で向き合い、被災地の未来を切り開いていく…
あれから7年も過ぎたのだが、まだまだ被災地の復興は道半ばである。特に福島第一原発事故で帰宅困難区域に指定された地域では僅かな光も見えないというのが現実である。全てが元通りになることは無いが、もう一度立ち上がり、前に進みたいという気持ちになる作品だ -
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鷲津のもつ 緊張感が たまらなくいい。
「ニッポン人の足下にひれ伏して、
慈悲を乞うときが来たのです。」
アメリカと日本人って、ポジションが
ちょっと、違うのだよね。
どうしても、アメリカが上にある。
あこがれや憧憬みたいなもの。
グローバルになりきれない日本人。
アメリカを買いたたこうとする日本人。
「そもそも実体のない巨額のカネを好き放題に浪費したために
国全体が衰弱している。全米が欲望の限り尽くした結果、
そのるつぼに呑み込まれて立ち往生しているのです。」
お金でお金を生み出すと言う錬金術が、
どんどんとアメリカで生み出されることがスゴイ。
それを叩き潰すって、無理だよね。
「お前は -
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3.11の後に現れたカリスマ総理。復興の槌音がまだまだこだまする僅か数年後、禁断の原発政策を日本復興の切り札として提示する。国民の反対を一蹴させたのは類稀なるスピーチ。反対派を抱き込み、虜にまでしていく演説。その裏には無私の若きスピーチライターが控える。その仮面を剥ぐべく巨大権力の驕りとカリスマに執拗に食らいつく敏腕記者。この三人の運命がこれからの日本を左右する…。3.11から明日で6年。反原発・脱原発について回る代替エネルギー、その一方には原子力ムラ。原発に巣食う人・団体・組織と原発問題をあくまでもイデオロギーの範疇でしか語れない反原発派。この膠着する政治課題に切り込んだポリティカルエンター
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生命保険会社のはなし。
自分は何のためにこの仕事をしているのか?
その中で、自分の存在意義とは何か?
そのことを つねに念頭に置いて行動する二人の主人公。
『各務』は、なぜ生命保険会社に入ったのか?
それは、復讐という言葉に近いのかもしれない。
『竜崎』をつぶしたいと思う。
獅子身中の虫とならんとす。
そうであるが故に 生保とはどうあるべきかを
徹底して考えることとなる。
『中根』は、ラクビーのリーダーだった。
そして、生保の中で 『人々が幸福になる』ということを
つねに考える。
一方で 生命保険会社の存立基盤。
事業としてのミッションとはなにか?
竜崎は ジェントルマンとしての生保を -
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じつに 先駆的な物語。
原子力発電の危険性を指摘しながら、
地熱発電の可能性を語る。
地熱発電のことをほとんど知らなかった。
クリーンエネルギーとは 風力や波力と太陽光
というイメージだったが 日本の足元に
大きなエネルギー源があるとは。
野上妙子。
地アタマがいい人なんでしょうね。
オンナを意識しない仕事人。やるんだよね。この人が。
ジェントルマン的な ハゲタカファンドのエース。
ファンドの日本の代表 待田。
ちょっとせこい感じで、大将の器ではないような。
タッチアンドゴー がハゲタカ的利益を上げる方法。
地熱発電に情熱を捧げる 御室。
なんと言っても、ささえる奥さんが素晴らしい。
意 -
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意欲作である。
福島原発事故以後に
日本はどのような方向へ向かえばよいのか?
原発を廃止するのか?
それとも、安心安全の原発作りをするのか?
日本は どうなのか?世界の動向は?
原発をめぐって いくつかの懸念が存在している。
宮藤隼人は、カリスマ的リーダーシップを発揮する。
「政治とは、約束」
「約束は、公約とは違う。」
「互いの信頼の礎となる大切な誓い。」
「努力すれば、希望が叶う社会をつくりあげる。」
「言葉とはチカラ」
と、重要な局面において、熱狂させる演説をする。
福島の原発事故、それを駆け巡る 宮藤隼人。
次々と政策提案をして、法律化する。
その 秘書になり、政治の現場を勉強と