カツセマサヒコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ初作家さん
6ページくらいの短い1話の中に ほんのひと時だけど
人とのつながりがあって、自分の人生のワンカットが凝縮して映し出される。連作短編小説
登場人物たちが ちょっとしたかかわりの中で
少しだけ 自分だけが知っている傷口に手を当てる
*ママの機嫌を伺いながら仕事をする人気子役
学校の友達が教えてくれる「誰かの正解は、他の誰かの不正解の場合があって、みんな一緒に喜べる正解は 本当はあまりないんだって」私の正解は?
*50代の独身の男 会社を経営をしているが忙しさと責任に疲弊する毎日 タクシーの運転手の「お疲れですか?時間が許すようなら少し遠回りしましょうか」
息抜きの仕方を忘れたら、無駄使いをするのがいいですよ。お金か、時間か、体力か。効率的な社会だからこそ 無駄な物に価値がある。
*仲のいい同僚の医者に尋ねる内科医
「患者に『死にたい』って言われたら どうこたえるのが正解?」「そんなの 『生きましょう』でいい」
生きてりゃ必ず何かがある。いいことばかりじゃないけど 好きな食べ物に出会う・好きな歌手が新曲を出す・新たな趣味ができる。何か ポジティブに思える出来事が 生きてる限りは起こりえる。最低限の前向きな言葉。
ちょっと短くて物足りなくもあるけれど 良い感じ。
好きかも。
軽い感じで 今日の占いで一喜一憂するように
(あぁ こんな言葉もいいね)と楽しんでください。 -
Posted by ブクログ
爽やかだけど、なにか残るものがある、そんな切なさ満載の短編集。
同じ街の中で起こるそれぞれのショートストーリーが描かれていて、恋人、友人、親子、名前のつけられない関係など、誰かとの思い出やすれ違い、そして心が届いたと感じる瞬間などが描かれている。
私が今いる場所が海と近いので、潮風や波の音がリアルに感じられ、人と人とのままならなくも、でも愛おしいという繊細な気持ちに触れられたのがよかった。
話としては、短編集の中でも多いほうだけど、どの話も読後感が似ていて、話としてはスッキリしきらないところはあるのに、とても爽やかな印象が残った。
また、タイトルも素敵。
わたしたち、という言葉だけで、孤独な物語が多く語られた本書も、なんだか救われる。
一人ひとり、寄せてはかえす波のような人生を過ごしている。だからこそ、豊かな経験をすることもできる。 -
Posted by ブクログ
やっぱり海っていいな
本作にはたくさんの海が出てくる。
包み込んでくれるような優しい顔をしたり、
冷たい顔をしたり…
それでも人間は海が好きだと思う。
それは海が…
「この星自体が流した涙が、流れ着いて集まった場所なのかもしれない。」
から。この帯の言葉に誘われて思わず購入した海のお話は、人間味溢れ、さらに私の心に波音を響かせるような迫ってくる1冊だった。
★引っ越した海の街でたまたま再会した元カノに戸惑う主人公を描いた「徒波」。
★クラスメイトのタイムカプセルを掘り起こした男子たちが思わず知ってしまった手紙の事実とは…「海の街の十二歳」。
★岬と珊瑚は旅行帰り、迷子を助けることに…「岬と珊瑚」。
★久々に再会した父親には、自分の子どもと同い年の子どもがいた…「氷塊、溶けて流れる」。
★雫がずっと働いていた八百屋さんが閉店する。しかし雫にそのことは伝えられておらず、さらに店主大きな秘密も抱えているようで…「オーシャンズ」
★夫の関係が破綻し、若い男を買い愛情の矛先を向ける妻を描く、「渦」。
★海に打ち上げられた鯨骨を一緒に見た高校の同級生が、久々に再会すると余命が幾ばくもなくなっていた…「鯨骨」。
特に印象的なのは「オーシャンズ」と「鯨骨」。
救済話は「海の街の十二歳」と「岬と珊瑚」。
本作は読む人によって、みえてくる海の風景が変わってくると思うし、感じ方も様々だと思う!
ぜひ多くの人に読んでほしい作品だ。
p.260 海(鯨骨)
「海も涙も、しょっぱいじゃん。だからさ、実は海は、たくさんの生き物や、人間や、もしかするとこの星自体が流した涙が、流れ着いて集まった場所なのかもしれない。この星は涙でできていて、海は乾くことはない。だからみんな、海に泣きに行くのかもしれないな。」
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Posted by ブクログ
カツセマサヒコさん著「夜行秘密」
タイトルに惹かれ購読してみることに。
自分にとって初読みの作家さん。読む前に調べてみたらバンド「ゲスの極み乙女」の音楽アルバムを小説化した作品との事。
企画としてなのか?なんか壮大なのか斬新なのかちょっと理解できなかったがこういう音楽と小説の融合的な類いの小説は30年以上前に尾崎豊さん本人がやっていたなと思い出す。尾崎豊作品を改めてまた読んでみたいと思った。
物語は音楽の方を聞いていないため面白さが半減しているのかもしれないがそれでも面白かった。ジャンルとしてはラブストーリーに分類されるのかもしれないが自分には少し文学的な感覚も残った。
愛する人の「死」が各所各所でポイントになっており物語が構成されている。登場人物達のその「死」の噛み砕き方が絶妙。
ターニングポイントとして何人かの「死」を絡ませてその後の未来を描くその描き方が面白かった。結末もやはり「死」によってもたらされ、「愛」に対して「死」を対にするような作風で終始描かれておりかなり文学的なニュアンスを強く感じた。
この小説のおおもとの「ゲスの極み乙女」の楽曲を聞いた事のある方はどういう読後感があるのだろうか?
とても興味深いのでこの後調べてみたい。
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Posted by ブクログ
ヒリヒリと痛さを感じた。
誰が幸せなのだろうか…と考えてしまうほど、誰も幸せではない気がした。
脚本家を夢見て劇団に所属しながらバイトする岩崎凛とバンド・ブルーガールの音色がつきあいだしてから始まり、ライトな恋愛かと思っていたら…。
映像作家の宮部あきらと彼のファンの富永早苗の恋愛感情のない関係が…。
宮部あきらのマネージャーだったナツメと彼女と付き合うメイの関係。
凛が、音色に振られ、宮部あきらが何もかもを失い寄り添うのは凛。
やがて凛と居場所を失う高校生の松田英治の出会い。
全く接点のなかった者たちが、出会ったとき…
まるでこうなることを誰が予測してただろうか。
人は、こんなにも呆気なく死んでしまうのか…
こんなにも傷つけあって何が残ったのか…
思いが重いになる。