カツセマサヒコのレビュー一覧

  • 明け方の若者たち

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    「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」
    なんてドキッとさせられる言葉だろう。
    一瞬だけ、一瞬だけ息を止めていた自分がいた。

    飲み会で知り合った彼女との、
    青春らしい青春の恋愛。
    彼女との日々はキラキラしていた。
    彼女の好きなものは全部好きになった。
    好きになりたかった。
    彼女の全てが好きだった。
    横顔も、後ろ姿も、仕草も匂いも。
    連絡が来るだけで嬉しかった。
    一緒に過ごしていた日々が楽しかった。

    しかし、中盤で彼女の秘密が。

    あぁ、″彼女″って私かな。
    ″僕″ってあの人かな。

    重なる部分が多すぎて、辛くなった。
    でもあの時、お互いがお互いを必要としていた。
    あの人はあの時どう思っていたの

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    2025年12月06日
  • あのときマカロンさえ買わなければ

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    本屋でまんまと帯の文章に惹かれ手に取り、サイン本ということでつい買ってしまった。
    初読みの作家さんに偶然の出会い、いや仕組まれた偶然、とっても嬉しい。
    そして全部のエッセイ1つ1つが本当に良かったです。40個とも全部良かった。
    中でも「ジブリみたいな老人と私」が特に好きで偶然の出会いから生まれた今しかない時間に浸りたくなる。

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    2025年12月04日
  • あのときマカロンさえ買わなければ

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    恥ずかしエピソード、すかしエピソードを素直に書いて私たちに見せてくれる作者は愛らしいと思う。
    そう思ったら人として駄目だよねみたいな、心の汚れ(微々たる)もしっかり書いてくれて、親近感が湧いた。

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    2025年12月04日
  • わたしたちは、海

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    まるで海のように時に少し高い波が襲ってきたと思ったら、また穏やかな海に戻るそんな小説だった
    皆同じ海が見える街に住んでいて、一つ一つの短編ではあるが、海という共通点で繋がっているのかもしれない
    私も海風や波の音を見に行きたくなった
    小説を読んでいると波音が聞こえて来そうだった

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    2025年12月03日
  • ブルーマリッジ

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    ネタバレ

    結婚と離婚、男と女、上司と部下、昔と今では随分と印象が変わった事柄が多い。しかし、昔の価値観で接すると現代では大きく取り上げられ標的の的になり今の生活を続けることはできなくなってしまう。昔はなぜかそれが許されていたという意味では改善されたという反面、価値観のアップデートがうまくできない人は老後の人生に不安を覚える怖さもあると感じた。無自覚の加害は誰しも大なり小なりあるはずで、今後の人生では同じ過ちをしないよう思いやりをもって生活していきたいと感じた。

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    2025年11月30日
  • 明け方の若者たち

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    20代前半の、甘酸っぱさとほろ苦さが同居した青春がそのまま小説になったような一冊でした。読んでいる間ずっと、「ああ、自分にもこんな時期あったな」と、ページをめくるたび昔の自分に再会するような感覚に襲われます。

    ヴィレッジヴァンガードでよく分からない本やお香を衝動買いしたり、深夜の公園で少し背伸びしたような会話をしたり。

    あの頃の“自分が特別な物語の中にいる気がしていた”無敵感——今思えば青くてちょっと恥ずかしいのに、なんだかんだ一番楽しかった時期でもあるんですよね。
    作中で描かれる「人生のマジックアワー」という言葉が本当に象徴的で、あの一瞬のきらめきは二度と戻ってこないからこそ胸をつかまれ

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    2025年11月29日
  • あのときマカロンさえ買わなければ

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    人の人生の断片に散りばめられた小さな気づきとか考え方とか、そういうものに触れるのが好きだ。

    カツセさんの何気ない日常から綴られた言葉が愛おしい。毎話読むたびに前向きな気持ちになれて、気持ちの良い一冊。

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    2025年11月26日
  • あのときマカロンさえ買わなければ

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    頑張るほど空回りして、それでも愛おしい、この人生。
    都会的で悲観的、不器用でまっすぐな40の瞬間。


    #1 あのときマカロンさえ買わなければ』
    →行きに美容師さんへマカロンを買ったせいで美容院のカット代が足りなくなる話。
    私もお金をその日足りるギリギリしか財布に入れないから、気持ちがめちゃくちゃよく分かった。

    ・プレゼントは良い。もらうのは反応に困るが、渡すなら、いくらでも渡したい。

    ・愛の対義語は無関心だとか言うけれど、人は愛のある無関心を欲することもある。(アパレル店員さんの眼差しが怖い話)

    ・5年もあれは、後輩も増えてくる。自分が成長していなくても、難度の高い仕事

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    2025年11月19日
  • あのときマカロンさえ買わなければ

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    カツセマサヒコさんのエッセイやWeb記事が昔から好きだったんだけどいい意味で落ち着きがでてきててよかった
    こんな風に30代の毎日を切り取って振り返れたらいいな

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    2025年11月04日
  • あのときマカロンさえ買わなければ

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    ちょっとお恥ずかしいけど笑えるエピソードや、カツセさんの心に触れるエピソード。
    ラブめいている…
    楽しい!嬉しい!は心を満たす…
    カツセさんの事、めっちゃ好きになりました。

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    2025年11月02日
  • ブルーマリッジ

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    ネタバレ

    結婚って何のためにするんだろう
    そう思い始めていた時に読んだ一冊。

    結婚を決めた青年と、離婚を言い渡された中年男性の話。
    違う立場に置かれた対比だと思いきや共通点もあってお互いの視点を交互に感じられる構成が面白かった。

    結婚を軸としつつも無自覚の加害に関する話がメインで、私もどこかで未だ無自覚の加害をしているかもしれないと思うと、何とも表現し難い気持ちになった。
    特に翠さんの「覚えてないの?」という一言からは、何だか苦しかった。
    土方さんに対する嫌悪を持って読み進めていたこともあり、守と同じ気持ちを感じたような気がする。

    長谷川さんに対するハラスメントをしていた土方さんを守が裁く一方で

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    2025年10月31日
  • あのときマカロンさえ買わなければ

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    だいたいの誰しもが思い返すと恥ずかしくなるようなことがあり、今自分の身に降り掛かることの意味なんて後からしか分からないし、意味なんてないかもしれないけど、人生ってそういうものだよね、と肩の力を抜いてくれる本でした。

    個人的には、#5 肉食獣のアパレル店員 の言い回しがやかましくて好きです。
    そして、あのときマカロンさえ買わなければ、がここに活きてくるとはと感嘆しました。
    身に覚えのある失敗を、ふふふと笑って気を抜きたい人にぜひ読んでほしいです。






    以下、お気に入りのフレーズ抜粋

    #5 肉食獣のアパレル店員
    ー 白もきちんと200色揃っていた。
    ー ちょっとしたパーティがどこで開か

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    2025年10月29日
  • わたしたちは、海

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    とても綺麗でまさに海のような作品でした。
    個人的にはオーシャンズが一番好みです!
    なかなか海に行くという機会がないので、落ち着きたい時などに手に取りたいと思います。

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    2025年10月28日
  • あのときマカロンさえ買わなければ

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    ネタバレ

    エッセイというのは、他人の人生を垣間見ることができることができるから好きだ。
    でも、エッセイでも友達との会話でも、なんでもない日常を垣間見ることは案外ない。話にはインパクトのあるものが用いられ、大抵オチがある。
    #40「ある平日」を読んだ時、なんでもない日常を垣間見て、人の数だけ人生があり物語がある、と強く感じた。

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    2025年10月28日
  • パパたちの肖像

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    読めてよかった。
    子育てに悩むパパたちの叫びが、胸にズドンときた。
    ママたちと同じくらい、パパたちもうまくできなくて泣きたくなる時があるんだ。
    泣きたいのはママもパパも一緒なんだ。

    子育ては、子どもと向き合うのと同時に、夫婦がお互いに向き合わないといけないチームプレーが必要なんだと、思い知らされた。

    特に「俺の乳首からおっぱいは出ない」と「髪を結ぶ」は、泣ける。
    乳児期に感じる焦りと、親としての自信喪失がこれでもかというくらいリアルに描かれていて、当時の記憶が蘇って、本当に泣いた。

    パパにはもちろんおすすめしたいが、ママにこそ読んでほしいと思う。
    パパの気持ちがわかれば、パパに対しても優

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    2025年10月21日
  • 夜行秘密

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    ネタバレ

    様々な視点から書かれた物語。
    人間の欲、嫉妬、後悔が剥き出しで、
    経験したことないのに、
    どこか共感できる部分が多く、
    エモさが全開だった。

    自分の言動で身の回り環境が変わっていくこと、
    人間関係の複雑さが滲みでていた。




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    2025年10月15日
  • ブルーマリッジ

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    結婚の話かと思いきや、ハラスメントや価値観の押し付けをはじめとする‘無自覚の加害’が主軸の小説。

    グサグサ刺さった、自分の父親に似てる気がする土方課長。翠さんの言葉、良かったなあ

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    2025年10月13日
  • パパたちの肖像

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    ネタバレ

    石持浅海さんの息子の進学、ふいに泣かされた!!息子が遠方の大学に旅立つシーンで。当たり前のように毎日おはよーとか言って一緒にいるけど、ずっと続くわけじゃないんだなぁ。旅立ったら淋しくなっちゃうなぁと思って。自分の学歴思考で子供の希望を閉じ込めないようにしなくては!
    カツセマサヒコさんの専業主婦家庭の話もよかった。競争からはみ出た家庭かもしれないけど、それでもいいなと思えた。
    外山薫さんの損してる気分になってるパパの話も、妻がちゃんと家庭のことも考えてるのがわかって読んでてホッとした。

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    2025年10月08日
  • わたしたちは、海

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    海辺の町で緩く繋がる短編集。

    この町は多分私がかつて住んでいた町だ。
    山育ちの私は海への憧れが強く、一度でいいからと会社を辞めて移り住んだのだが、経済的にうまく行かずその地を離れた苦い思いがある。
    この小説の人びとの様にもう少し根を張れなかったかと悔やむ。
    何しろ海の風景描写がいい。
    そしてそこで生活をする人達の、あまりの当たり前さ。
    更には綺麗に見える風景に垣間見える闇。
    それでも生活は続く。

    最後の『鯨骨』が本当にいい締め方をしていて、切なさが大半を占めるものの明るさも差しているのが良かった。
    が、私の一番は何と言っても『渦』。
    主人公の梓がそのまんま私で、何なら恥ずかしい位だった。

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    2025年09月27日
  • 傷と雨傘

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    この手の「見ず知らずの人と、今日もどこかですれ違い影響し合っている」系の短編集が大好き!
    お守りとして末永く持ち歩きたい言葉が沢山でした

    誰かに傘をさしてあげたとき、私だって雨に打たれていることに気づいて欲しい。という自分のエゴを発見してしまった一冊でもあったな。

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    2025年09月25日