砥上裕將のレビュー一覧
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ネタバレショート・ショートなので、一編が8ページくらい。その短い中で背景をぼかしつつも確信に迫る書き方してたりするものもあり、うまく咀嚼できないまま終わったものもあり、でも面白い短編集だった。
始まりが不穏なので、大体不穏な話が多い中、最初から最後までハッピーに終わる「切れたミサンガ」が好き。
人でも殺したんかと思いつつ、同じ格好ときたのでSFかと思ったら 笑
安定のホラーの「こわくてキモくてかわいい、それ」も好き。
それが不気味だけど、主人公が見下されてることに気付きながらも知らないふりして難を逃れてて、性格悪い私はざまみろと思ってしまった。
「久闊を叙す」も良い。
こんな形で、我が友李徴子を読むとは。新鮮な感覚だった。 -
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秋月龍朗は消防士から指令室へ異動となる…5年前のあの日、濁流が町と彼の心に、癒えない傷跡を残したまま。
消防士から指令室に異動ってあったりするんですね。指令室でも消防士でも瞬時に色々なことを判断しなきゃいけないって本当に大変だと思います。
私は2回ほど救急車呼んだことあります。指令室の人は、もう出動しているので大丈夫ですよっと優しかった記憶があります。
そして、私自身真夏のインフルで熱中症?で筋肉の硬直が起こり手足が動かなくなり救急車のお世話になりました。感謝しかないです。
過去の辛い出来事と向き合い(身近な人や町の人たちの支えもあり)前を向いていくお話でした。 -
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『龍の守る町』続編。
ミサゴ(魚鷹)が空を舞う瑞乃町で、消防士・秋月龍朗(あきづき・たつろう)は5年前の大水害で大きな心の傷を負い、現場を離れることになった。異動先の指令室は声だけで命を繋ぐ場所。新たな仲間と業務に取り組んではいるが、未だに水への恐怖は拭えない。そんなある日、町の南方で線状降水帯が発生する。それは、5年前と全く同じ形をしていた。
毎日のように日本各地で線状降水帯が起こり、川が氾濫し、大きな被害が出ている。だから、余計この物語に感情移入してしまう。
水害の様、そして救助の様がリアルすぎで、実際にもこのような水害が起きて、このように救助を行っているんだなと、消防士、自衛官、警察官の方々には感謝をしてもしきれないくらい。
ドローンやアプリなどを使い、今の時代は災害が起きる予測は少しはできるようになってきたが、それでも天災は予想外に起きる。それを改めて気付かされた。
砥上さんの本はほとんど読んでいるけど、毎回、細かな取材をされて書いてることがわかるくらい
まるでノンフィクションのような物語だった。
余談だけど、ミサゴは英語でosprey(オスプレイ)と初めて知り、あのオスプレイはこれからきてるのかと、勉強になった。 -
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前作の直後からのお話。前作は過去を振り返る構成だったが、今回は実際に災害が起きると帯に書いてあり、いつ日常が崩れるのか、ハラハラしながらの読書となった。
この作品は、2年前の能登の豪雨を取材したもの。奇しくも、数日前に石川・富山県で線状降水帯、レベル5特別警報が発令されたばかりで、今起きている災害と作品内の災害が重なる。こんなことってあるのか…と思いながら読み進めた。
こんなタイミングだからこそ、読めてよかったと思う。災害はどこでも起こりうるが、実際に被災するイメージはなかなか湧かない。読むことによってその恐ろしさや悲惨さを知ることができるし、イメージすることができる。
登場人物たちは、5年前にすでに水害を体験している。故郷が根こそぎ奪われ、大切な人を失う経験をした人たちだ。そこにさらに山火事、豪雨災害……。あんまりだと思う。
前回との違いは、災害への意識の高さだ。
早めの避難や、消防団による近隣への声かけ、被害を想定した訓練など、それぞれがやれることをやってきていた。現実はそんなに甘くないとはわかっているが、その積み重ねが未来を変えるのだと思う。
登場人物の言葉は、そのまま私たちに向けられている。災害への備えや意識の高まる一冊だった。
話は変わるけれど、砥上さんの過去作からの登場人物も出てきて、砥上ワールド繋がってるんだ!!となった。しかも大活躍。
災害がテーマの話ではあるが、ところどころにほっこりしたり笑えたりするやりとりがあって、バランスがよかった。ちょっと分厚いけれど、読む価値の高い小説だと思う。 -
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ネタバレ2作目読みたいと思いやっと読めました。
今回は野宮くんにとってさらなる大きな試練というか、向き合う出来事が起き、一生懸命に患者さんとご家族に向き合う姿にとても心打たれました。
同僚の看護師さんと漫画家さんのお話や、目に不自由があっても前向きに生活する男の子のお話も感じるものがあり、きっと現実だとこんなに上手くいかないこともあるけど、それでも自分の身体と向き合い前向きでいたいなと思うようなお話でした。
印象に残った文章は、
「病気は俺だけのものじゃなかったって。苦しいのは俺だけじゃないって。そして、俺の病気が俺だけのものじゃないなら、俺が、誰かが、生きていることも一人だけのものじゃないんじゃないかって思ったんです」
他にもいくつもありましたが、特に印象に残りました!
それと最後の方の灯ちゃんの立体視のシーンがあまりに美しく。。一瞬の出来事をスローモーションで映像で再生されているような感覚になりました!
野宮くんと灯ちゃんの頑張りが報われたシーンです。
泣いちゃいますね。。! -
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『線は、僕を描く』続編。
『湖山賞』で、篠田湖山の孫娘・千瑛と競いあってから2年。大学3年生となった青山霜介。
水墨画の世界で生きていくか、他の世界で生きていくか、進路に悩んでいた…
そんな中、亡き母が勤めていた小学校から水墨画教室の依頼が。
子どもたちと水墨画を描くうちに気づかされる…
霜介、なかなか引きずってくれる…
なかなか前に進まない。
やっとうまくいくのかと思いきや、再びどん底に。
考えすぎなのか、もっと楽に考えればと思える。
湖山をはじめ、湖山会の面々が、古前と川岸が霜介を支えてくれる。最初は霜介をライバル視していた千瑛も…
ようやく、自分の過去から立ち上がり、自分の進むべき未来を見つけた霜介。
長かったよな…
水墨画も続けるのだろうか⁇
彼らの描く水墨画が目に浮かぶ。
繊細な水墨画の世界。
水墨画の奥深さ。
最後の湖山会の作品は見てみたいと思わされた。
第3弾に期待してしまう。