砥上裕將のレビュー一覧

  • 一線の湖

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    …なんていえばいいんだろう。残りの人生でこういう作品にあと、何作出会うことができるだろうか——。本当に、本当に素晴らしい作品だった。

    わかる人にはわかることを……
    霜介くん、そんな(→DB魔人ブウ編にて、ビーデルさんが「悟飯くんはショートカットの方が好み?(?)」に対して、悟飯が放った一言のような)こと、千瑛ちゃんに言っちゃダメよ。(聞こえてたら)絶対怒られるよ。笑。

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    2026年08月16日
  • 線は、僕を描く

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    ネタバレ

    水墨画を目の前に見ていないにも関わらず、
    読み終わった時、美しい画をたくさん見たような、穏やかな気持ちになった。



    『自分自身の幸福で満たされているからじゃない。誰かの幸福や思いが、窓から差し込む光のように僕自身の中に映り込んでいるからこそ、僕は幸福なのだと思った。』

    この言葉が、読者である自分にもあたたかく差し込む光のように感じられた。
    教員である自分に、子どもたちの幸福や思いが、自分に映り込んで人生を鮮やかにしてくれていると思えて、幸せな気持ちになれた。

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    2026年08月03日
  • 龍の守る町

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    消防司令室という職業の重み、災害後の人の生き方が優しく丁寧に描かれた物語。奇跡のような人の繋がりの連鎖に感動を覚える。

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    2026年07月31日
  • 一線の湖

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    霜介の心の内を描く表現が繊細で壮大で、美しい。が、その全てを創造したり理解したりするのは難しかった。
    水墨画の世界をもっと知っていれば、クライマックスの揮毫会の描写は、もっともっと心揺さぶられたのだろうと思う。

    タイトルの意味は、最後にわかる。
    子どもたちと霜介、霜介と千瑛、霜介と湖山会の人たちとの関わりも良かった。

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    2026年07月26日
  • 龍の守る町

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    砥上さんの表現は、本当に読みやすく引き込まれます。どの作品も自分のできないことを認めながらも、前向きに進もうと考える力をもらうことができます。

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    2026年07月20日
  • 7.5グラムの奇跡

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    眼科医院に勤め始めたばかりの視能訓練士の成長を追った物語。

    母が緑内障の診断をされた時に何冊かの目の病気の本を読み、その後自分も緑内障の診断を受け眼科に通い続けて15年。更に父が認知症になり…お陰でこの本に出てくる目の病気や検査がよく分かり、目薬は忘れないようにしなくちゃと改めて決意!(笑)

    それはともかく『線は、僕を描く』の優しさをそのままに、今度は支えて行く側へと成長する姿を描いた作品で、やっぱり砥上さんの作品は優しさや感動を押し付けてこなくて好きです。

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    2026年07月19日
  • 線は、僕を描く

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    2026.6.30

    水墨画を描くときの動き、心情がリアルすぎて
    まるで自分が描いているような感覚になった。
    あとがきで作者が水墨画家であると読み…
    納得すると同時に、それを伝える文章力に驚き。
    体と心の変化をキャッチして表現するのは
    小説にも水墨画にも共通することなんかな。

    森羅万象を描くのに必要なのは、技術。
    でもそれだけでは伝わらなくて
    見た人の心を動かすには、絵師がまず
    自分の内側の現象を掴み取る感受性
    誠実性や勇気が大事なんだなーと…
    人と関わる仕事をする身として
    忘れたくない、大切な価値観ですね。

    「蘭に始まり、蘭に終わる」

    「春蘭は、深山幽谷に孤高に咲く姿が君子の理想の姿、または風格を表すということや、たぶん俗にまみれない姿というのがあるんだと思う。言葉では簡単に言い尽くせないところがあるけれど、水墨をやる絵師の心そのものって思ってもいいかもね」

    「何気ない草や木を、水墨画はどうしてこんなにも美しいものに帰ることができるのだろうったら思いました。それで、本当はもっといろんなものが美しいのではないかって思いました。いつも何気なく見ているものが実はとても美しいもので、僕らの意識がただ単にそれらを捉えられないだけしゃないかって思って…。絵を描き始めてから僕はようやく何かを見ることができるようになったんだって思いました。」

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    2026年07月03日
  • 線は、僕を描く

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    この本を読むまで、芸術は好きだけど、水墨画は白黒で地味であまり興味が沸かないと思っていた。

    そんな気持ちが見事に覆った1冊。
    水墨画は何て奥深い芸術なんだろう。

    読んでる途中に、ちゃんと話が終わるのかな?湖山大賞の先をもっと見たいと思っていたら、続編があるようで!!

    続編で彼らのその後が見れるのが楽しみ。

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    2026年07月01日
  • 一線の湖

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    前作を再読してからそのまま流れで初読。


    才能があるってなんだろう。

    センスがいい
    努力ができる
    夢中になれる
    続けていける
    求められる

    人によって、きっとその答えはちがうし
    きっと正解なんてないのだと思う。


    何ができるか と 何がしたいか

    は、きっと違う。
    答える先が同じになったとしても、
    それが果たして幸福かどうかも分からない。


    でも、きっとその時々の正解は、
    自分がきっと知っている。
    それを後は、丁寧に自分で探し出すだけだ。


    今読み終えたばかりだというのに、
    この子の描いていく線の先を、
    もっともっと見てみたいと思った。

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    2026年06月20日
  • 龍の守る町

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    他人の命を助ける仕事は助けられなかった罪悪感と後悔がつきまとうのだと普通に生活していると分からない心情と何も思わずに通り過ぎていた消防署、そして時には出動する前のサイレンにうるさいなぁと思っていた自分を何も考えていなかったなぁと心が沈む。
    そして黒宮さんの話には最近怪談を読んでいたどの本よりも怪談すぎて鳥肌が立つ。
    怪談と思っていない話に折り込まれると怖さが増すのかも。
    家族と仕事と災害復旧と感動、そして怪談を含んだ話だった。

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    2026年06月20日
  • 一線の湖

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    『線は、僕を描く』がとても良かったので続編を読むのが楽しみでした。
    いやもう、凄く好き!
    自然の描写や絵を描く様をこれだけ鮮やかに文章で表すってスゴイ(語彙力低っ)
    そして、湖山先生が穏やかなのに粋すぎます!

    霜介にとっての水墨画って、私にとっては真田丸なんだよなぁ…って改めてそれを介して出会えた方々に感謝

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    2026年06月17日
  • 線は、僕を描く

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    視覚に頼る芸術を言葉に置き換える凄さがちっとも押し付けがましくないからすんなりと読めて、五感を表現する言葉の美しさにちょっと泣きそうになりました。
    文章自体に光や温かさ、優しい風、柔らかな手触りさえ感じられる読書体験は初めてかも。

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    2026年06月17日
  • 龍の守る町

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    今回も涙なしにはいられなかった。
    妻との邂逅のくだりはこみあげてくるものがあった。
    消防士として真摯に命と向き合う厳しさのなかにある素晴らしさ、被災した際に救えなかった命との向き合い方、パニックを抱えながら職務を全うする主人公や同僚の姿勢に
    ただただ感動が渦のように押し寄せてきた。
    やはり砥上さんの作品は力強さの中にも優しさが満ち溢れている。

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    2026年06月10日
  • 龍の守る町

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    ネタバレ

    砥上裕將の消防士小説、主人公は現場から指令室に移動になった秋月というベテラン消防士。消火現場やレスキューの迫力あるシーンも数々出てくるが、本命はそっちではなく、人間ドラマ。

    この本の直前に読んだ「普通の底」では、普通であろうとした主人公が地獄に転落していく話だったが、この本では天災によって普通を失ってしまった町が、主人公たち善なる市民によって次第に普通を取り戻していく話。

    同じ普通の生活を描いても、こうも違うのかとその差にびっくりする。違いはなんだろうと考える。

    普通の生活を送れていることとは、それを守っている誰かが必ずいることを忘れてはいけない。そして自分の仕事や生き方も自分のためだけでないことを肝に銘じて、心と体を鍛えておくこと、しっかり食べてしっかり休むこと、何よりも「バカみたいに優しくあること」

    それに気付けてるかどうかなのかもしれないな

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    2026年05月25日
  • 一線の湖

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    ラジオ深夜便集いに当たり行くと栗原はるみさんの話と終わって外に出ると出発する栗原はるみさんが窓を開けて下さって握手してわぁ〜となりました一度も深夜便聴いてないけど嬉しいって事。極めるとはとても崇高な全くわかる事出来ない世界。こうして言葉で綴られているの読むという事は答えを教えてもらってしまう自分で見つけられないこと。ブッタを筆頭にこういう境地なんだろうな、最後に白を描く 不完全な拙い、描かない事、うん全くわからない。あと早く読もうとすると手こずる、のわりにはもっと読みたい欲求

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    2026年05月24日
  • 龍の守る町

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    ネタバレ

    久しぶりに本を読んで、涙が溢れた。
    水害に襲われた町と人々が再生に向かう物語。向かう、というのが大切で、物語の終わりでようやく再生の糸口まで辿り着いているところがまたリアルで胸にくる。大切な人、町を喪って、災害から立ち直るというのは、簡単なことではないんだなと実感させられる。
    主人公の秋月司令補はかなり優秀な消防士で、経験を積んだ消防士さんたちはこんな思考や行動をするのかなと興味深かった。救助の場面は、想像しにくいところもあったが、テレビで見た火災や水難救助の映像をイメージしながら読み進めた。
    ストーリーのつながりもうまく、少しずつ水害の記憶と向き合うことで、だんだんと分かってくる関係や事実も多く、最後まで気持ちが削がれなかった。
    秋月司令補を含む消防士たちの、救えたたくさんの命より救えなかった命にばかり目が向いてしまう気持ちには共感できた。それでも努めて冷静に、仕事に打ち込む姿には尊敬の念を覚えた。

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    2026年05月21日
  • 線は、僕を描く

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    水墨画には、その描き手が持つ性格が、生き方までもがぐっと込められている。

    わたしは、今までなんとなく生きてきて、たくさんのことを蔑ろにしていたのかもしれない。もっと大切にすべき時間があった。

    わたしには主人公と違って特別大きな暗い過去はないかもしれないが、暗闇にふらっとと入り込んでしまう時がある。そんな時に、すっと救いの手があらわれてくれたら良いな〜と思った。思っていたけど、わたしは、もう出会っていた。わたしの良いところを見出してくれた人がいた。そのことの大切さに改めて気づくことができた。

    まとまりの無い言葉たちなのが悔やまれるが、とにかく大切にしていきたい一冊。水墨画、魅力たっぷりだな〜。

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    2026年05月12日
  • 7.5グラムの奇跡

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     新人視能訓練士の1年間の成長を描いた連作短編集。

     私もコンタクト愛用者のため、定期的に眼科で検査をしてもらっているが、
    視能訓練士という職業自体知らなかった。
     物理的な目の異常を検査するだけでなく、患者さんの心にも寄り添い、原因を突き止めていく野宮くんの姿が温かく、頼もしく感じた。

     「見える」ということはありふれた奇跡なんだという言葉が印象的で、私も目を大切に、そして瞬目の次の光を輝かしていきたい。

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    2026年05月04日
  • 龍の守る町

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    傷を抱えて、それでも生きていこうとする、再生に向かっていく姿がとてもリアルに描かれていた。そして相変わらず、この人の描く主人公は一生懸命に生きていて魅力的だなと思った。
    周りの人を助けて、助けられて、一緒に生きていく感じに心が洗われるような気がしました。

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    2026年05月01日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

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    終始、終始涙ぐみながら読み進めた。お昼休憩のランチタイムや通勤電車内でも読んでいると涙が出て…

    皆んな、それぞれの痛みを抱え、受け止めきれず、絶望感を味わい、そんな時、自然と周りから手が差し伸べられ、つながり、乗り越え、自分もまた、誰かの希望になっている。そんな素敵な話。

    目の病を通じた話だけれど、どんな世界であっても成立するなと…

    あたたかい社会を、タップリ感じられて、読んで良かったなぁと。なんだか、感想を上手く言葉にできないけれどオススメの一冊 
    前作同様、"生きる" 理念を感じる

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    2026年04月24日