砥上裕將のレビュー一覧
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25編のショートショート集で、ちょっとした時間にも読み進める事ができて楽しかったです。
全て『だから捨ててと言ったのに』の一言から始まり、そのあとは作者さんによって推理物になったり、ホラーになったり、感動物になったりと、ショートショート集なのにとても読みごたえがありました。
知っている作家さんの作品には作家さんらしさが出ていて楽しめました。初めての作家さんの作品もあったので好みの作風の作家さんの他の話も読んでみたくなりました。
このショートショート集をきっかけに読書の幅が広がりそうです。
今回は第四弾目とのことで、前作も読んでみたくなりました。 -
Posted by ブクログ
砥上さんの作品は、とても静かで澄んだ世界観だなと思う。そして、優しい。静かに心に響く言葉がたくさん。
自分自身、ありがたいことに大きな病気で入院したり、命があぶなくなったりするようなことは、これまで経験していない。
眼科には行くけれど、コンタクトの処方をしてもらうことが目的だから、そんなに気が重くなるわけでもない。
でも、“見える”ということが、どれだけありがたいことか、感謝しなくちゃいけないと思った。大事にしなくちゃいけない。
看護師の剛田さんの「見えているようで、見えないことってあるんだな」という言葉に、胸が苦しくなった。
野宮くんが少しずつ成長して、器用でなくても、まっすぐ向き合うこ -
購入済み
水墨画が好きになりそう
読みやすく、進行もスムースで、肩も凝りません。
作者の筆力は、すばらしいです。
水墨画は、ただ、美術館などで観るだけでした。
描くのも難しそうだと思っていましたが、
その何も知らない主人公が、その世界に入っていく、
その様子が、水墨画とは何かと、教えられます。
水墨画の世界というか、筆遣いや、考え方が良くわかりました。
「水墨画の最大の評価は、絵を楽しんでいるかどうかだ」という、
作中の先生の言葉が見事です。
この本がまるで水墨画の教科書のような気がして、
水墨画に馴染みたくなります。
水墨画を観る目も変わってきたような気がします。
この作者の続きの本も出版されているようで、読みたくなりま -
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Posted by ブクログ
あなたにとっての眼とはなんですか・・・
街の眼科医院で働く新米視能訓練士の1年間の短編です。
視能訓練士って初めて聞きました。眼科にいる方は視能訓練士だったんですね。
僕自身、幼少期から目が悪く眼科に行くことが多く色々な検査をしました。
だからこそ、間近に感じリアル感がありました。
タイトル通り「7.5グラムの奇跡」通りの内容です。
眼は視えて当たり前、その考え方がいかに愚かか知れました。
この世界が見えているのがいかに素晴らしいか感じることができます。
個人的には「夜の虹」が好きです。
でも、「面影の輝度」も捨て難かったです。
また、検査の例え方もこの小説の魅力だと思います。
ぜひ、 -
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こんな劇的な出会いがあって、自分の内なる才能が引き出され、新し世界が拡がる。
とても恵まれた状況のようにみえるが物悲しさが漂う。
この先が気になる。
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映画からはいりました
原作は映画よりももっと深かった
決して映画が浅いとかではなく。
題材としても、新しく
お話しとしても素晴らしかったです。
そして誰もイヤな配役の登場人物がいない
苦言があるとしたら、2人の約束の会食の場面が
描かれてなかったことくらいでしょうか?
さぁ、2作目も拝読致しましょう。