砥上裕將のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ書き出しが『だから捨ててと言ったのに』から始まる短編集。様々な作家さんがこの一言からそれぞれの物語を紡ぐので、本当にいろんなジャンルの話が読めるのが面白い。
個人的に印象に残っているのは多崎礼さんの『海に還る』、摩耶雄嵩さんの『探偵ですから』かな。短いからこそ、その世界にスッと入り込めてわかりやすい話が好み。『海に還る』は人魚の話で多崎さんの作品らしいファンタジーな世界観が8ページにまとまっていて良かった。『探偵ですから』はとにかくわかりやすい作品で読みやすかった。短い話なのに、物語の登場人物の心情もわかりやすかったし、飼ってる犬がしゃべりだすとか少し怖い感じもするけど、主人公が助かって良か -
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Posted by ブクログ
目という替えの効かない、失ったら生活が一変してしまう器官。わかっているのに、なかなか大切にできていないなと改めて思った。
タイトルの7.5グラムが、眼球の重さ。たった7.5グラムの器官に私たちは頼って生きている。その危うさと尊さが伝わってきた。また、視能訓練士という仕事の存在すら知らなかったので、普段眼科で担当してくれる方たちは実は視能訓練士だったのかなと日常の見え方が少し変わる作品だった。
作者は水墨画家でもあるので、前作同様「見る」ということに並々ならぬ思いがあるように感じる。そのものの本質を見る、ということはとても難しくて、簡単にはできない。そこを突き詰めたいのかなと思う。
ただ、前作の -
購入済み
まどろっこしい
新人時代の「仕事ができない」ということを焦燥感 絶望感をうまく描き出している。しかし、主人公の性格も関連するのだろうか、読んでいてずいぶんまどろっこしい思いをした。題名はずいぶん凝っているが、話の内容はかなり素直である。