砥上裕將のレビュー一覧

  • 線は、僕を描く

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    絵を描くことが好きなので、初めて知る水墨画の世界に魅了されました。

    白黒の濃淡の世界に見出す「生命の美しさ」

    水墨画に没頭し、人と関わる中で自分の中の喪失感に折り合いをつけていく主人公。

    見出してくれた先生との、病院でのシーンはとても良かった。

    どんな菊を描いたのか、とても見たくなりました。

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    2025年07月16日
  • 線は、僕を描く

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    「ともかく描くことだ。そして常に問い、立ち止まり、顧みて、また描く、その連続だよ」

    本作を読んで、湖山先生の言葉一つ一つが僕に突き刺さった。この作品のモチーフは水墨画であり、言葉で表現することは至難の業であるが、砥上さんの表現力によって、すんなりと読むことができた。

    殻に閉じこもっている主人公を救い出した芸術は、水墨画だけでなく絵画や音楽にも当てはまると思う。

    ギターをやっている身からして、1番上に書いた文に深く共感した。正解のない世界で、ひたすら考える主人公に感情移入した。

    水墨画がやってみたくなる作品でした。

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    2025年06月13日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

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    とても良かった。
    前作に衝撃を受けたから、シリーズとなってとてもうれしい。
    とても誠実な人たちのお話。
    希望につながっていくのが良い。
    目の病気や治療に関しても、この本を読まなければ、自分が当事者にならない限りは知らないままだっただろうと思うことを知れた。
    続編が出たら絶対読む。

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    2025年06月08日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

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    暖かい人に溢れた作品で、優しい気持ちになれる作品。
    眼科という比較的地味な舞台の中で繰り広げられる患者と主人公のふれあいの物語。
    目の前のことに一生懸命で誠実な主人公をきらいになれるだろうか?いや、なれない!

    あんな大人びた4歳はいないだろうし、偉い急なカップリングがあったり、若干、ないない、とは思うとこもあるのだけれど、それも呑み込んで、良き、作品でした

    2025.6.6
    120

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    2025年06月06日
  • だから捨ててと言ったのに

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    短編なのでサクサク読めた。
    今回の書き出しテーマは『だから捨ててと言ったのに』…だいたい恋愛絡みか、夫婦関係こじらせ系が多かったように思う。
    誰に対して言っているかで、作者ごとに思い付く話が違い、個性があって面白い。
    アンソロジーは、知らない作家さんを知って、見つける機会にもなる。
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    ↓読んだ中で印象に残ったもの。

    ●良い話
    砥上裕將『母の箪笥』
    金子玲介『恋文』

    ●じわじわ来る系
    潮谷験『無理解』
    五十嵐律人『累犯家族』
    背筋『こわくてキモくてかわいい、それ』

    ●設定の世界観が独特
    黒澤いずみ『捨てる神と拾う神』
    舞城王太郎『食パンと右肘』
    多崎礼『海に還

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    2025年05月31日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

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    「7.5グラムの奇跡」の続編。
    今回もとっても面白かった、そして怖くなった。
    私は目は悪くない。年齢とともに老眼にはなっているが視力そのものは悪くない。多分正常に見えているのだろう。
    特に若い頃は物が見えにくいという感覚が分からなかった。
    しかし、世の中には目に関する様々な疾患があるものなのだ。
    この小説の最初に出てくる幼児は斜視なのだが、斜視がこれほど大変な症状だということを知らなかった。
    糖尿病で視力が失われかけた漫画家の話は読んでいて怖くなった。自覚のないまま進行する病気、失明しかけていても、目先の仕事にこだわる漫画家、恐ろしくなった。自分は大丈夫なんだろうか、と。

    野宮恭一という主人

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    2025年05月31日
  • 線は、僕を描く

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    両親を二年前に突然交通事故で二人とも亡くした青年霜介。
    あまりのことで何も考えられなくなって 自分の世界、何もない世界に閉じこもってしまっていた。

    ひょんなことから 水墨画の世界に導かれる。
    彼の純粋な心が水墨画の世界と響き合い 自分だけの世界から外の世界へ抜け出し 生きることの意味を見いだす。

    水墨画を通して描き手の所作、心情を 丁寧に描写していく。自分が 描き手や水墨画をあたかも目の前にするように感じられた。
    水墨画のことはあまり良く知らないが、ここに登場する湖山先生、湖峰、千瑛先輩ら、そして主人公霜介の絵をぜひ見てみたいと思った。
    もちろん これは小説なので見れないけれど どこか水墨

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    2025年05月22日
  • だから捨ててと言ったのに

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    「だから捨ててと言ったのに」という1文から始まるショートストーリー集。このシリーズは全て読んでいるが、毎回色んな作家さんの作品が読めるので楽しみ。今回のもバラエティに富んでいて面白かった。
    「パルス、またたき、脳挫傷」岡崎隼人
    「海に還る」多崎礼
    「探偵ですから」麻耶雄嵩
    この3編が特に意外性があって良かった。

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    2025年05月19日
  • 7.5グラムの奇跡

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    目の病気に悩む患者さんと向き合う
    不器用な新人視能訓練士のお話。
    視能訓練士って仕事を初めて知りました。
    野宮くんの成長物語で感動しました。
    続編も気になるところです

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    2025年05月16日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

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    難病で視野の多くが欠けている小学1年生の男の子が、クラスメイトに自然な形で助けられながら明るく楽しく生活している場面を読んで、ああそうだ、こんなふうに障害を持つ人と接することができるのが理想だと思った。彼は与えられるだけではなく、クラスメイトに多くのものを与えていた。担任の先生の「未知のものに出会い、自分たちで工夫すること。手を差し伸べ、感謝されて、同じように自分たちも助けられること。」…という言葉が尊い。斜視で世界を立体的に見ることができない4歳の女の子、視野が欠けている小学生の男の子、糖尿病網膜症の若い女性など様々な事情の患者さんが訪れる北見眼科医院。視能訓練士の青年が不器用ながらも真摯に

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    2025年05月11日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

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    7.5グラムの奇跡の続編。
    今回も心温まる眼科領域のお話でした。
    渉くんとその母郁美さんのお話に心打たれました。視野欠損が進んでいく病。にもかかわらず、前向きに彼の人生が視覚だけにとらわれない輝いたものにするためにサポートしている母。それに答えるように明るい渉くん。同級生や先生たちのサポート…
    そして今回の主軸?アカリちゃんの成長が凄い。ママを思う気持ちと自分の斜視の訓練。涙が溢れました。
    色々な眼の病気のお話が出てきて、普通に見えるって凄いんだ。ありがたいなと思えました。

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    2025年05月10日
  • 線は、僕を描く

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    第59回メフィスト賞
    第3回ブランチBOOK大賞2019大賞
    第17回 本屋大賞 第3位

    花を見る目が変わると思った。
    花は水墨画の重要なモチーフであり、花を描くことは、命が刻々と姿を変えている瞬間を線で表現するということ。花は今この瞬間を生きていて、同じ姿は二度と見られないのだと理解したら、より美しいものに思えてくる。

    白と黒だけで描かれた花が真っ赤に見えたり、余白さえも彩りとなるという水墨画の魅力を知り、興味がわいたし、線一つ描くことへの重みが伝わってきて芸術の世界はすごいなと感じた。

    さっそく水墨画を生で観てみたい気もするけど、素人の私がなにかを感じ取れる自信が全くない。
    絵画だっ

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    2025年05月08日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

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    シリーズ化嬉しい! 私も小学生から目が悪いのだけれど、眼科でいつもお世話になってるのは視能訓練士さんに改めて感謝。砥上裕將の世界は優しい人が多くてあったかいね。目が少しでもおかしくなったら眼科にすぐ行こう。

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    2025年05月06日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

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    ネタバレ

    視能訓練士の野宮が、斜視をもつ4歳の少女(灯)を主として、いろんな目の障害をもつ人々と交流し、患者とどう向き合っていくかを描いた作品。
    灯がつらい訓練に向き合う姿がメインになっており、ほかにも糖尿病網膜症や網膜剥離のように聞き覚えのあるものから、スマホ内斜視のような現代病まで出てくる。

    視能訓練士とは検査をしたり、その名のとおり視機能の訓練を行う仕事。しかし実際には訓練をしているのは一握りで、ほとんどの視能訓練士は検査のみを担当していることが多いという。
    作中では4歳の灯のために、野宮が悪戦苦闘している様子が描かれている。最初はつらい訓練を嫌がっていた灯も、野宮やまわりの人たちに助けられ、し

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    2025年05月06日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

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    『7.5グラムの奇跡』の続編。
    視能訓練士の野宮君の成長もあれば、らしいなぁという失敗もあり。
    登場人物はみんな派手さはないけど、一生懸命生きていて、頑張れと応援したくなる。
    しみじみと感動できる本であり、ちょっと疲れたときに力をもらえると思った。

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    2025年05月03日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

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    ネタバレ

    またか~7.5グラムの奇跡を読まず、こっちを先に読んでしまった!でも楽しめた。視能訓練士・野宮、彼の前に4歳の灯ちゃんが現れる。彼女は立体的に「もの」を見るのができない。視能訓練士は検査するだけの職業ではなく、訓練を手伝うことで、彼女の治療を助けたい。野宮には多くのサポーターがいる。同僚、学校の先生、家族。視能訓練士・野宮の成長譚、1巻目はどんなんだったのかな?気になる~自分の研究でも眼底、眼圧、眼軸長等検査をしているが、結構悩んでいる方は多い。視能訓練士の役割はスマホ社会ではさらに高まると思います。④

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    2025年05月02日
  • だから捨ててと言ったのに

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    色んな短編があって面白かった。
    ちょっと理解できない話や良く分からなかった話もあったけど、個人的には「母の箪笥」「海に還る」が好きだった。

    こわくてキモくてかわいい、それ 一体何だったのだろう…??

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    2025年04月13日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

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    「 7.5グラムの奇跡」の続編。
    視能訓練士2年目。斜視の灯ちゃん4歳の訓練を通してグングン成長していく。
    糖尿病と失明はよく聞く話だったけど、具体的にどう失明するかを知って本当に怖いと思った。
    グランピング中に遭遇したチェリーレッドスポットも可愛い名前なのに恐ろしい症状にゾッとした。
    最後は灯りちゃんママの夕美さんにまで失明の危機で流石にやり過ぎじゃない?って★4になった。
    広瀬先輩は継続するようで良かったね。

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    2025年04月13日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

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    「不器用は丁寧に変わって、迷いは慎重になり、不安は集中力の源になった」
     私の息子もぶきっちょで失敗ばかりでこころもとないタイプだが、今、作業療法士の資格を取るために勉強をしている。出会いを大切にして、学び、努力を続け、いつか自分の道を見つけて欲しいと思う。

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    2025年04月07日
  • 線は、僕を描く

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    文章がとても美しく、水墨画に向かう人たちの美しい気持ちをそのまま表していると思った。心の動きをこんなにも細やかに、繊細に表現できることに圧倒された。

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    2025年04月02日