砥上裕將のレビュー一覧

  • 龍の守る町

    Posted by ブクログ

    砥上さんの新作、とても楽しみにしていた。いつも落ち着いた文体の中に、静かに強い思いが込められている。今回も過去の出来事に対する自身の苦悩や葛藤する思いが、司令補の一つひとつの行動や選択として丁寧に描かれている。今この瞬間の幸せが続くようにと祈りが伝わってくる。様々な人の願いが今に繋がっていて、当たり前の日常を送れることの感謝を実感した。

    0
    2025年12月17日
  • 龍の守る町

    Posted by ブクログ

    5冊目の砥上裕將さん。今までの水墨画を題材にした『線は、僕を描く』『一線の湖』、視能訓練士の野宮くんを主人公とした『7.5グラムの奇跡』『11ミリのふたつの星』とは打って変わって、今作は「消防士」さんのお話でした。

    5年前に未曾有の大水害に見舞われ、いまだに町のあちこちにその爪痕が残されている瑞乃町で、キャリア20年を超える消防士の秋月龍朗はこの春、現場を引退し司令室勤務となった。

    司令室と言うのは、119番に電話した時につながる場所で、電話を取り聞き取りをし、消防車や救急車などの出動要請をかける、実際に現場へ赴くことはないけれど、消防活動の中枢を担う重要な部署です。

    秋月龍朗は士長の立

    0
    2025年12月14日
  • 龍の守る町

    Posted by ブクログ

    火災に水害。大変な仕事と思っていたが、これほどとは。現場だけでなく、出動までに、これほどの手順が。「待つことが仕事そのもの。有事に備え準備することそのものが仕事。未知の可能性に対する一手は準備でしか作れない」頭が下がる。「考えないこと。正解を探さないこと。歩き続けること。それが生きる方法だった」でも、人はどうしても、振り返ってしまう。パラパラ漫画のような水墨画も楽しい。

    0
    2025年12月10日
  • 龍の守る町

    Posted by ブクログ

    消防士カッコイイ!!!!と、何度も心のなかで叫びました。臨場感あふれる小説の、登場人物たちの救命の場面を読んで、今一度きちんと心肺蘇生法を覚えようと誓いました。あ〜消防士カッコイイ!!!

    0
    2025年12月01日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    11ミリの小さな二つの星とは、お互いの瞳の光を受けて輝くそれぞれの瞳のことである。
    喫茶店ブルーバードは、緑内障を患っている患者2人が働く店である。北見眼科医院で働く野宮と、その仲間である同僚、そして患者たちがブルーバードに集まり、繋がっていく。目の病気に受け入れることができない人がたくさんいるが、野宮やその周りの人々の真っ直ぐさに影響されて、よい方向へと進んでいく。緑内障や白内障、内斜視や外斜視、 糖尿病網膜症、網膜色素変性症、動脈閉塞など、様々な病と向き合う野宮がますます逞しくなっていく。その成長を最も支えているのは、灯ちゃんという女の子ではないか。最後に、剛田さん、彼女できてよかったね。

    0
    2025年11月30日
  • 線は、僕を描く

    Posted by ブクログ

    水墨の技法など結構知らない言葉が多かったけど、全体的に読みやすかった。
    学祭とか同い年のライバルとかコンクールとか、王道でわかりやすい要素が多かったからだと思う(あとがきに書かれてたからそう思ったのかも)。
    ひとの作品とかそこら辺の草木から人間性とか生命力とか感じ取ってて、主人公の感受性の高さ(?)に驚いた。
    読み終わった日にちょうど紅葉を見に行ったので普段より注意して見てみたが、本当に感じ取れるものがほぼ無かった。
    自分じゃわからない感覚を言葉で知ることが出来た良い機会だった。
    せっかくなので富山に水墨画の美術館があるらしいので行ってみたい。
    重たいテーマも少しあったけど、若者の可能性、周り

    0
    2025年11月27日
  • 線は、僕を描く

    Posted by ブクログ

     『日日是好日』を読んだ時のような清々しさと静けさに包まれる、気持ちの良い時間を過ごせた。自分としっかり向き合う時間を捻出するのは忙しい現代人にはなかなか難しいが、わずかでも設けたい。綺麗すぎるストーリーに反発を覚える人も少なくないと思うが、そこは二の次でただただ未知の水墨画の世界とその世界観に浸ることが心地良い。霜介のように没頭できることに出逢えることが奇跡だが、気軽に何かを始めるフットワークの軽さを持たねば。映画も観てみたい。

    0
    2025年10月13日
  • 龍の守る町

    Posted by ブクログ

    読み終わりスーパーヒーローの登場、その名は消防士秋月龍朗、そして現場での活躍が終わり指令室勤務に変わってしまい、またそこでの苦労が痛々しく感じまた現場に戻りたいと思いつつ指令室での奮闘に清々しく感じました。過去の水害での痛々し話や命の尊さを感じる体験など読んでいて感動しっぱなしでした。消防士のことを深く考えさせられるほどの感動作でした。あなたも読んで消防士のすごさを感じて下さい。

    0
    2025年10月08日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

    Posted by ブクログ

    北見眼科の視能訓練士として仕事に励む2年目の物語。前作「7.5グラムの奇跡」はお気に入りの1冊で、続編も楽しみにしていました。斜視の女の子を中心に、対応に迷いながらも真摯に向き合う主人公にまた会えて嬉しかった。

    『何か駄目でもね、それでもいいんだ。駄目って悪いことばっかりじゃないよ。ゆっくりでも頑張って、まっすぐに進んでいるようなものがいいと思うんだよ。急がなくてもいいと思ってね。皆が急ぐから私はゆっくり行こうと思って。だから車も速くないのが好きなんだ。-第2話 礁湖を泳ぐ-』

    相変わらず優しい人が多くて、言葉も身にしみる。しかし、こんなホイホイ目の具合が悪い人に出会うことあるんだろうか…

    0
    2025年08月31日
  • 線は、僕を描く

    Posted by ブクログ

    砥上裕將さんの作品を初めて読みました。これまで私とは全く接点のなかった水墨画が題材になっています。
    水墨の世界に入っていくきっかけに少し無理があるようにも感じましたが、美しい文章でその場面を想像しながら読み進めました。
    とにかくやってみる、観察して、真似をして、繰り返し練習する、いろいろなことに通じるなと思いました。
    自分の全く知らなかった水墨画という新しい世界を少しだけ知ることができました。技術技巧だけでなく命を描く、シンプルなだけに逆に奥が深いのだろうと感じました。

    0
    2025年07月27日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

    Posted by ブクログ

    続編ということで楽しみにしていた一冊。目の大切さを改めて実感。灯ちゃん親子の頑張りに胸打たれた。

    恭一はまじめすぎるからこそ、進みは遅いのだと思う。普通ならある程度、妥協しながら仕事をこなしていくところ、真っ正面から問題に向き合う姿勢は良い。

    何より深みにハマってしまう前に、周囲のメンバーが助けてくれるからこそ、辞めずにゆっくり成長し続けていけるんだよな。

    恭一の更なる成長がみたい。続編を期待したい。

    0
    2025年07月24日
  • 線は、僕を描く

    Posted by ブクログ

    水墨画を全く知らなくても何故か見える…そこにどんなものが描かれているか何となく見える…気がする。
    毒のないストーリーが読みやすい全員推せる。

    0
    2025年07月19日
  • 線は、僕を描く

    Posted by ブクログ

    絵を描くことが好きなので、初めて知る水墨画の世界に魅了されました。

    白黒の濃淡の世界に見出す「生命の美しさ」

    水墨画に没頭し、人と関わる中で自分の中の喪失感に折り合いをつけていく主人公。

    見出してくれた先生との、病院でのシーンはとても良かった。

    どんな菊を描いたのか、とても見たくなりました。

    0
    2025年07月16日
  • 線は、僕を描く

    Posted by ブクログ

    「ともかく描くことだ。そして常に問い、立ち止まり、顧みて、また描く、その連続だよ」

    本作を読んで、湖山先生の言葉一つ一つが僕に突き刺さった。この作品のモチーフは水墨画であり、言葉で表現することは至難の業であるが、砥上さんの表現力によって、すんなりと読むことができた。

    殻に閉じこもっている主人公を救い出した芸術は、水墨画だけでなく絵画や音楽にも当てはまると思う。

    ギターをやっている身からして、1番上に書いた文に深く共感した。正解のない世界で、ひたすら考える主人公に感情移入した。

    水墨画がやってみたくなる作品でした。

    0
    2025年06月13日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

    Posted by ブクログ

    とても良かった。
    前作に衝撃を受けたから、シリーズとなってとてもうれしい。
    とても誠実な人たちのお話。
    希望につながっていくのが良い。
    目の病気や治療に関しても、この本を読まなければ、自分が当事者にならない限りは知らないままだっただろうと思うことを知れた。
    続編が出たら絶対読む。

    0
    2025年06月08日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

    Posted by ブクログ

    暖かい人に溢れた作品で、優しい気持ちになれる作品。
    眼科という比較的地味な舞台の中で繰り広げられる患者と主人公のふれあいの物語。
    目の前のことに一生懸命で誠実な主人公をきらいになれるだろうか?いや、なれない!

    あんな大人びた4歳はいないだろうし、偉い急なカップリングがあったり、若干、ないない、とは思うとこもあるのだけれど、それも呑み込んで、良き、作品でした

    2025.6.6
    120

    0
    2025年06月06日
  • だから捨ててと言ったのに

    Posted by ブクログ

    短編なのでサクサク読めた。
    今回の書き出しテーマは『だから捨ててと言ったのに』…だいたい恋愛絡みか、夫婦関係こじらせ系が多かったように思う。
    誰に対して言っているかで、作者ごとに思い付く話が違い、個性があって面白い。
    アンソロジーは、知らない作家さんを知って、見つける機会にもなる。
    ---------------
    ↓読んだ中で印象に残ったもの。

    ●良い話
    砥上裕將『母の箪笥』
    金子玲介『恋文』

    ●じわじわ来る系
    潮谷験『無理解』
    五十嵐律人『累犯家族』
    背筋『こわくてキモくてかわいい、それ』

    ●設定の世界観が独特
    黒澤いずみ『捨てる神と拾う神』
    舞城王太郎『食パンと右肘』
    多崎礼『海に還

    0
    2025年05月31日
  • 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~

    Posted by ブクログ

    「7.5グラムの奇跡」の続編。
    今回もとっても面白かった、そして怖くなった。
    私は目は悪くない。年齢とともに老眼にはなっているが視力そのものは悪くない。多分正常に見えているのだろう。
    特に若い頃は物が見えにくいという感覚が分からなかった。
    しかし、世の中には目に関する様々な疾患があるものなのだ。
    この小説の最初に出てくる幼児は斜視なのだが、斜視がこれほど大変な症状だということを知らなかった。
    糖尿病で視力が失われかけた漫画家の話は読んでいて怖くなった。自覚のないまま進行する病気、失明しかけていても、目先の仕事にこだわる漫画家、恐ろしくなった。自分は大丈夫なんだろうか、と。

    野宮恭一という主人

    0
    2025年05月31日
  • 線は、僕を描く

    Posted by ブクログ

    両親を二年前に突然交通事故で二人とも亡くした青年霜介。
    あまりのことで何も考えられなくなって 自分の世界、何もない世界に閉じこもってしまっていた。

    ひょんなことから 水墨画の世界に導かれる。
    彼の純粋な心が水墨画の世界と響き合い 自分だけの世界から外の世界へ抜け出し 生きることの意味を見いだす。

    水墨画を通して描き手の所作、心情を 丁寧に描写していく。自分が 描き手や水墨画をあたかも目の前にするように感じられた。
    水墨画のことはあまり良く知らないが、ここに登場する湖山先生、湖峰、千瑛先輩ら、そして主人公霜介の絵をぜひ見てみたいと思った。
    もちろん これは小説なので見れないけれど どこか水墨

    0
    2025年05月22日
  • だから捨ててと言ったのに

    Posted by ブクログ

    「だから捨ててと言ったのに」という1文から始まるショートストーリー集。このシリーズは全て読んでいるが、毎回色んな作家さんの作品が読めるので楽しみ。今回のもバラエティに富んでいて面白かった。
    「パルス、またたき、脳挫傷」岡崎隼人
    「海に還る」多崎礼
    「探偵ですから」麻耶雄嵩
    この3編が特に意外性があって良かった。

    0
    2025年05月19日