砥上裕將のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】
第1話 さまよう星
第2話 礁湖を泳ぐ
第3話 向日葵の糖度
第4話 チェリーレッドスポット
第5話 11ミリのふたつ星
視能訓練士・野宮恭一が4歳の斜視の少女・灯の訓練をすることで成長していく様子を描いた連作。
静かな語り口ながら、野宮の熱い思いが綴られている。
第1話 野宮が偶然灯の斜視に気づくが、シングルマザーの夕美はなかなか受け入れられない。
第2話 先天性の先天性の眼疾患を患い、失明しつつある小学一年生の少年・春海渉と野宮の出会い。野宮は北野院長と共に彼の学校での様子を見学する。
第3話 急に目が見えなくなったという若い女性・雲母瞭が受診。北野院長に病状の説明を受ける -
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Posted by ブクログ
水墨画を通じて再生と成長を描いた物語だ。両親を亡くして心を閉ざしていた主人公・青山霜介が、ひょんなことから水墨画と出会い、師である篠田湖山やその孫娘・千瑛との交流を通じて変わっていく様子が感動的に描かれている。
印象的な場面の一つは、霜介が初めて「無」の感覚を体験するシーンだ。墨を紙に落とし、線を引く瞬間に、彼は自分が墨の流れと一体化していくように感じる。水墨画では、線が単なる形ではなく、描き手の内面や心情そのものを映し出すものであることが、この場面から強く伝わってきた。また、篠田湖山が語る「空白もまた絵の一部だ」という言葉が印象的だ。描かれていない部分にこそ意味があり、そこに見る人の想像が広 -
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「だから捨ててといったのに」から全ての物語が始まる短編集。作者によって「何を捨ててと言ったのか」を読むのが楽しいですね。昔星新一の「ノックの音が」を読んだときのようなワクワク感があります。普段あまり本を読んでいないので、この手のタイプの短編アンソロジーはいろんな作者さんの作品を一冊でたくさん読めるのが本当にありがたいです。多分読書家の方なら、作者を伏せても「この話はこの人が書いたのかな」と分かるのかもしれないなと思いました。そういう楽しみ方をしても良いのかも。
真下みこと「お守り代わり」
五十嵐律人「累犯家族」
芦沢央「久闊を叙す」
多崎礼「海に還る」
谷絹茉優「猟妻」
こちらの5編が特に好き -
購入済み
しみじみと感動する物語
映画化されたことで興味を持ち読んでみました。
初めは映像を頭の中に描いて
中盤からは私の想像力を超え 文字の中に墨絵を思い浮かべ ゆっくりと物語の中に沈んでゆく感じでした。
素敵なお話です。