砥上裕將のレビュー一覧
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難病で視野の多くが欠けている小学1年生の男の子が、クラスメイトに自然な形で助けられながら明るく楽しく生活している場面を読んで、ああそうだ、こんなふうに障害を持つ人と接することができるのが理想だと思った。彼は与えられるだけではなく、クラスメイトに多くのものを与えていた。担任の先生の「未知のものに出会い、自分たちで工夫すること。手を差し伸べ、感謝されて、同じように自分たちも助けられること。」…という言葉が尊い。斜視で世界を立体的に見ることができない4歳の女の子、視野が欠けている小学生の男の子、糖尿病網膜症の若い女性など様々な事情の患者さんが訪れる北見眼科医院。視能訓練士の青年が不器用ながらも真摯に
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第59回メフィスト賞
第3回ブランチBOOK大賞2019大賞
第17回 本屋大賞 第3位
花を見る目が変わると思った。
花は水墨画の重要なモチーフであり、花を描くことは、命が刻々と姿を変えている瞬間を線で表現するということ。花は今この瞬間を生きていて、同じ姿は二度と見られないのだと理解したら、より美しいものに思えてくる。
白と黒だけで描かれた花が真っ赤に見えたり、余白さえも彩りとなるという水墨画の魅力を知り、興味がわいたし、線一つ描くことへの重みが伝わってきて芸術の世界はすごいなと感じた。
さっそく水墨画を生で観てみたい気もするけど、素人の私がなにかを感じ取れる自信が全くない。
絵画だっ -
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ネタバレ視能訓練士の野宮が、斜視をもつ4歳の少女(灯)を主として、いろんな目の障害をもつ人々と交流し、患者とどう向き合っていくかを描いた作品。
灯がつらい訓練に向き合う姿がメインになっており、ほかにも糖尿病網膜症や網膜剥離のように聞き覚えのあるものから、スマホ内斜視のような現代病まで出てくる。
視能訓練士とは検査をしたり、その名のとおり視機能の訓練を行う仕事。しかし実際には訓練をしているのは一握りで、ほとんどの視能訓練士は検査のみを担当していることが多いという。
作中では4歳の灯のために、野宮が悪戦苦闘している様子が描かれている。最初はつらい訓練を嫌がっていた灯も、野宮やまわりの人たちに助けられ、し -
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ネタバレ【収録作品】
第1話 さまよう星
第2話 礁湖を泳ぐ
第3話 向日葵の糖度
第4話 チェリーレッドスポット
第5話 11ミリのふたつ星
視能訓練士・野宮恭一が4歳の斜視の少女・灯の訓練をすることで成長していく様子を描いた連作。
静かな語り口ながら、野宮の熱い思いが綴られている。
第1話 野宮が偶然灯の斜視に気づくが、シングルマザーの夕美はなかなか受け入れられない。
第2話 先天性の先天性の眼疾患を患い、失明しつつある小学一年生の少年・春海渉と野宮の出会い。野宮は北野院長と共に彼の学校での様子を見学する。
第3話 急に目が見えなくなったという若い女性・雲母瞭が受診。北野院長に病状の説明を受ける -