砥上裕將のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
年を取って人生がこんなものだと知れて来ると、この本の導入部のような話には、こんなことがあるわけないだろうと、ややひねた思いを持ってしまうのだな。
読み進んでも先生やその周囲の人々の霜介への接し方や霜介の観察眼などにも同じ思いを持つのだが、だけども、霜介が湖山先生の指導を自然に受け入れていくように、徐々にこちらもこの本の世界に惹き込まれてしまったので、ここは素直に作者に脱帽だ。
湖山先生の『成功を目指しながら、数々の失敗を大胆に繰り返すこと。そして学ぶこと。学ぶことを楽しむこと』とか『拙さが巧みさに劣るわけではないんだよ』という言葉にも奥深いものを感じるのだが、それよりも何よりも湖山先生や翠山先生がただ蘭を描いている所作を読むだけでもグッとくる、その不思議な感動。
解説を読み作者自身が水墨画家と知るが、であっても、この深遠な世界を文字にして伝えるのは並大抵とは思えず。
『自分がいまその場所に生きている瞬間の輝き、生命に対する深い共感、生きているその瞬間に感謝し賛美し。その喜びがある瞬間に筆致から伝わる。そのとき水墨画は完成する』という水墨画の持つ精神的な世界、表現の魅力を堪能することが出来た。
ネットで四君子を描く動画を見てみたが、筆一本から絵が出来上がっていく様を見て、まるで魔法のように感じた。
作中、湖山先生の揮毫会の様子が圧倒的だったが、そのようなものを一度見てみたいよね。
朝刊にこの本の広告とともに映画化とのことが載っていたけれど、この精神的世界をどのように表現するのだろうかと気になった。 -
購入済み
新しい!
色んなジャンルの漫画を見てきたけど水墨画!
何て新しいんだろう。
絵が綺麗に描けてあるからこその作品ですね。
1巻だけ見た感想なのでアレなんですが
主人公の謎成分が解明されて、どう展開するのか楽しみです。面白いと思います! -
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教えてくれること
美しい絵が描けるのはそれが美しいとわかるから。
美しいもの素晴らしいもの有難いもの、それがわかる心が美しく素晴らしく有難いんだろうと思う。
そしてそこに向かうまでに自分自身や周囲と向き合う必要があるんだろう。
それを教えてくれる作品だった。 -
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本と違う魅力
人それぞれのとらえ方
違うんですね。
この本も魅力的です。
具体的に墨絵を目にして
分かり易いなあ
そして
元の本も読み返します。
何度目だろう? -
購入済み
素晴らしかった
原作小説も素晴らしいが、漫画版も引けを取らない。
巻数も絶妙でいいリズムで読める。
水墨画をテーマにした作品は珍しいけど人を選ばすたのしめると思います。 -
ネタバレ 購入済み
一気に読んでしまった
楽しいと思えることは物事の本質の1つだと思う。その楽しさ、美しさをわかりやすく表現して読者が共感を得る作品。
ただ少し残念なのは、小説が元になっているからこそ次巻で完結すること。もう少し話が膨らんで長く続くともっと良いのに…と思ってしまう。 -
購入済み
美
禅の精神と結びついた中国伝来の日本文化の1つ。室町時代に可翁や如拙、周文、雪舟、明兆と多くの水墨画家が出て全盛期を迎えた。桃山期の長谷川等伯等へと連なっていく。
高校日本史で触れる情報は多くない。書道や茶道と比べて現在の露出も多くはない。
でもこの作品はそんな水墨の面白さ、奥の深さを伝えている。何よりわかりやすく引き込まれる。 -
Posted by ブクログ
すべて 「だから捨ててと言ったのに」 という一文から始まる25編のショートショート。
1行目は同じでも作家さんによって不穏な雰囲気だったりファンタジー寄りだったり、話のテイストが様々で面白かったです。
お気に入りだったのは以下の作品。
重政の電池 / 荒木あかね
武士のような言葉を話す犬のお話…?と思いながら読んでいったらあれよあれよと展開が変わっていて、最後はなるほど…!と思いつつ心が温かくなる一編でした。
海に還る / 多崎礼
普段ファンタジーはあまり読まないけれど、読みやすく世界観に引き込まれました。
切なさの残る読後感も好みでした。
猟妻 / 谷絹茉優
真実を知ってからもう一度最初から読み直すと、何気なく読んでいた一文の捉え方も変わって二度楽しめました。
活躍されているバンドでは作詞もされているとのことで、歌詞を拝見したら言葉遊びがとてもお上手で驚きました。
タイトルの「猟妻」も別の意味がかかっているのかなと思ったり…!
指輪の幽霊屋さん / 最果タヒ
女性同士の特別な関係性の物語がとても好きなので、不穏な話が多めのこの本でこんな物語が…!?と嬉しくなりました。
こういう関係性、とても好きです。 -
Posted by ブクログ
「龍の守る町」続編。龍とミサゴで前後編みたいな構成になってるので、絶対に龍を読んでから手にとって欲しいです(これから読んでも内容はわかります)。あと、「一線の湖」とも少し繋がってるので、「線は、僕を描く」→「一線の湖」→「龍の守る町」→本書がオススメ順です。
主人公は5年前の水害で義父母を救えず目の前で亡くなってしまい、その心傷から水恐怖症になっている秋月龍朗。数々の救助を成功させ、地元では英雄扱い、現場で慕うものも多い消防士。だが、水が怖くなったため、現場の支障多く異動となった。
配属された指令室での仕事をこなせるようになり、立石順平(賢くシステムに強い)、三田夢菜(数少ない女性職員で電話に出るのが早すぎる)、樋口祐樹(お菓子作りプロ並み)など個性的で優秀なメンバーに支えられ指令室の必要性を理解した。そして、たまたま水難救助をした、のが龍の流れ。基本、秋月がずーーーっと救えなかったことを鬱々と考えて暗いってのがこの本の欠点でもあり、おもしろみでもあります。
ミサゴではようやく一人救えたのにまだまだ恐怖心も取れず、後悔に苛まれながらも、何故か災害に行き合って救助してしまう秋月。そして、再び大雨がこの地を襲い…。
最後の方はハラハラしながら一気読みしました。そして、水害多かった今年読むと、特に辛い人も多い内容かもしれません。
人を思い、仕事に真摯に取り組む様が読んでいて気持ちの良い本です。災害現場で亡くなる場面もあり、中学校以上向け。