あらすじ
辛い過去も、厳しい現実も、その一瞬先に光があるんだ。
新人視能訓練士・野宮恭一は北見眼科医院で働き始めてから失敗続き。目に異常がないのに視力が低下した少女、カラコンを頑なに外さない女性、緑内障を患った元ピアニスト――。様々な目の悩みを抱えた患者と心を通わせながら、少しずつ成長していく。
不器用だけどまっすぐな、新人視能訓練士の成長の記録。
最高の読後感がじんわりと心に沁みる、いま最も心温まる連作短編集。
感情タグBEST3
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砥上裕將初ですね、メフィスト賞が作家選ぶ基準になるって理解したのである。視能訓練士という名前あるのも初めてだし、未知の世界を知り得て興味津々のコンタクトレンズが酸素不足を起こして傷ついて感染症になるって酸素不足はエベレストに住んでるレベルって わかりやすい解説をありがとうございますです。正彦さんを支える葉子さんも認知症になる話が1番印象深い それから施設に入るって切ない。ケンちゃんありがとう、ありがとうな〜があーやっぱ切ない
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いまわたしがこの本を読めるということは、見えているということ。見えることは当たり前じゃないから、本を読むという大好きな時間を過ごせることも、当たり前じゃない。尊いものなんだなって、じんわり胸に響いた。
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人の成長だったり、温かさだったり、仕事への向き合い方であったりととても勉強になる一冊でした。
とにかく気持ちが温かくなる優しい話でした。
この本を読んで私自身もまた今は辛いけど頑張りたいと思える光の先を見つけていきたいと思いました。
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砥上さんの作品は、とても静かで澄んだ世界観だなと思う。そして、優しい。静かに心に響く言葉がたくさん。
自分自身、ありがたいことに大きな病気で入院したり、命があぶなくなったりするようなことは、これまで経験していない。
眼科には行くけれど、コンタクトの処方をしてもらうことが目的だから、そんなに気が重くなるわけでもない。
でも、“見える”ということが、どれだけありがたいことか、感謝しなくちゃいけないと思った。大事にしなくちゃいけない。
看護師の剛田さんの「見えているようで、見えないことってあるんだな」という言葉に、胸が苦しくなった。
野宮くんが少しずつ成長して、器用でなくても、まっすぐ向き合うことで、患者さんが癒やされていく様子に心が救われる感じがした。
続編を読むのも楽しみ。
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視能訓練士という職があること
目の検査の知識、目の病気の知識を知ることだけでなく、視えることは当たり前におもっていたけれど、当たり前すぎて大切にできていなかったこと、見えなくなることがこんなにも不安になること、でもそこで終わりではないことなど沢山のことを知ることが出来る本だった
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あなたにとっての眼とはなんですか・・・
街の眼科医院で働く新米視能訓練士の1年間の短編です。
視能訓練士って初めて聞きました。眼科にいる方は視能訓練士だったんですね。
僕自身、幼少期から目が悪く眼科に行くことが多く色々な検査をしました。
だからこそ、間近に感じリアル感がありました。
タイトル通り「7.5グラムの奇跡」通りの内容です。
眼は視えて当たり前、その考え方がいかに愚かか知れました。
この世界が見えているのがいかに素晴らしいか感じることができます。
個人的には「夜の虹」が好きです。
でも、「面影の輝度」も捨て難かったです。
また、検査の例え方もこの小説の魅力だと思います。
ぜひ、映像化して欲しい作品です。
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視能訓練士というものを初めて知った。瞳に個人差はほとんどないそうです。7.5グラムは目に関するもの。目とは今この瞬間を捉え、未来を探すための器官。いい定義だと思う。目の検査や症状についても参考になる。老眼が出ている私だが、それほど困っていないのはありがたいこと。病の理不尽さは、たいていの場合、どうしての答えをはっきりとは求められないところにある。病に気づいていないだけかもしれない。老眼の相談ついでに検査を受け、眼圧の数値を確認しようと思う。
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目の病気に悩む患者さんと向き合う
不器用な新人視能訓練士のお話。
視能訓練士って仕事を初めて知りました。
野宮くんの成長物語で感動しました。
続編も気になるところです
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視能訓練士のお話ですが…まず目が見えてるって事は当たり前に感じますが凄い事なんですね…
「見えるということは、この世で、最もありふれた奇跡なのだ」の文が非常に印象的です。
様々な器具を駆使して解き明かされる病の原因、そして治療…医療関係者の方の絶え間ない努力、ホントに凄いですし尊敬します。
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暖かく静かな世界が広がっている感じは、この作者さんの持ち味だよなぁと思った。
病院という何かしら辛い思いを抱えた人がくるところで、あたたかい視点でものをみれるということはとても心が洗われるような気がした。
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視能訓練士という、一見馴染みの薄い、医療従事者の新人を主人公とした、短編集による成長譚。
患者から見れば、視能訓練士も歯科衛生士も、お医者さんに見えますが、異なる事を知りました。
「線は、僕を描く」では水彩画を、本作では上記の視能訓練士と、普段身近に無い世界の為、新鮮でした。
目は大切な器官、大事にしたいと思います。
次作も出ているようなので、いつか読みたいと思います。
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新人視能訓練士、野宮恭一が北見眼科医院で周りに支えられながら成長していく小説。
心因性視覚障害、円錐角膜、中心性漿液性脈絡網膜症、初めて知った病名や検査方法も興味深いです。
「目が光があたり前のように見えるということは奇跡のようなもので、偶然生まれたときから与えられているから、その大切さに気づかない」
コンタクトレンズの扱い方、スマホでの目の酷使など、見直さなければいけないことがたくさんあると感じました。
野宮さんは、随分患者さんのプライベートな部分まで入り込むんだ、と思いましたが一生懸命さは伝わりました。続編も読みたいです。
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本屋で続編の本の帯を見て
視能訓練士と言う職業を知りました。
私も作中に出でくる病気をもっており
患者の心情(検査時や検査結果時)が
自分と重なる点が多く、凄く分かります。
視える事の有り難さ、そして患者の為に
尽力してくれる先生・看護師さん・薬剤師さんには本当に感謝です。
(作中の登場人物もそんな方々に思えた)
勿論、今回知った視能訓練士さんにも。
僕には、一瞬一瞬を大事にしていこうと
再確認できた一冊でした。
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視能訓練士
初めて聞く職業でした。
もちろん眼科に受診したことはありますが、眼科専門の技師さんがいるというのは恥ずかしながら初めて知りました。
このお話は
不器用だけれど瞳にとても興味を持つ主人公の野宮くんが、優しくも厳しい先輩や、先生のもとで
少しづつ経験を積んで成長していくお話です。
あたりまえのように見えるということが当たり前ではなく、その病気とともに頑張る患者さんに寄り添いながら、どういうことができるか懸命に考える技師さん
こんな技師さんに出会えたら
しあわせだなぁと思いました。
続編があるという事なので是非読んでみたいです。
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目という替えの効かない、失ったら生活が一変してしまう器官。わかっているのに、なかなか大切にできていないなと改めて思った。
タイトルの7.5グラムが、眼球の重さ。たった7.5グラムの器官に私たちは頼って生きている。その危うさと尊さが伝わってきた。また、視能訓練士という仕事の存在すら知らなかったので、普段眼科で担当してくれる方たちは実は視能訓練士だったのかなと日常の見え方が少し変わる作品だった。
作者は水墨画家でもあるので、前作同様「見る」ということに並々ならぬ思いがあるように感じる。そのものの本質を見る、ということはとても難しくて、簡単にはできない。そこを突き詰めたいのかなと思う。
ただ、前作の主人公に比べて、なぜ野宮が本質を見抜こうとする力があるのかの背景がなく、あまり感情移入はできなかった。
そしておそらく作者の物の見え方が私とは違っているせいか、時々ピンとこない表現や描写がある。
ひとまず続編も読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
視能訓練士が主人公。
設定や題材は目新しく興味深かった。
一方で表現やストーリー展開はやや稚拙で『線は、僕を描く』のような目を見張るような美しさはなかった。
読書好きにはあまり勧めないかも。