浅倉秋成のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ最初の頃のラノベノリからかなり落ち着いた作風になった作品。
18歳のまま成長していないかつての同級生と再会した主人公が、なぜ彼女は18歳を繰り返すのかその原因を自身の過去を紐解きながら、他の同級生と再会しながら、突き止めていく。
さすがの浅倉秋成で、回想エピソードの中にさりげなく出てきた会話や描写がきっちり伏線になっていたり、違和感のあった表現が綺麗に謎解きされたりで終盤は毎度のことだけど止まらない。
ヒロインの子の「大人になるのが怖い、夢が叶わないことが怖いんじゃない、それを許容する大人になるのが怖い」というセリフ、かつて自分が19歳の頃に抱えていたまさにそのままの思いで胸が苦しくなっ -
-
Posted by ブクログ
そこら中に置いたフラグを、バーっと回収していく様は、もはや痛快とも言うレベル。
話の後半はノンストップで読んでしまった。
ネタバレ書評はあんまりしないので、詳しく書けないのが勿体無い。ネタバレせずに、上手い事書くって難しいよね。
フラッガーシステムのモニターに選ばれた平凡な高校生が主人公。
憧れのヒロインとのフラグを立てるために奔走するも、別のフラグがに振り回される。しかし、後々にそのフラグが…。
フラッガーシステムの担当者村田さんのアニメ愛が凄い。そして、言ってることがよく分かる。
あー、あるあるwって。
それを巧みに使った物語展開は、読んでいて心地良かった。
なんだか普通に、面白いわ -
Posted by ブクログ
『アンジャッシュさんのコントに近いコミカルな作品』
日の下町を舞台に住民たちが繰り広げるドタバタ恋愛コメディ。5章までは各々の登場人物たちのストーリーが同時進行し、最終章でパズルのようにピタッとハマる。…いやラウンドアバウトのようにぐるぐる回って落ち着くところに落ち着くコミカルな作品。
いろいろツッコミどころは多いものの、建物が封鎖されたり、物が入れ替わったりといった突拍子もないことが起こるフラグがしっかりと施されており、ストーリー間の掛け違いが相互に作用して好循環を生み出す仕掛けがアンジャッシュさんのコントのようです。
『失恋覚悟のラウンドアバウト』というタイトルから改題して文庫化され -
Posted by ブクログ
いろんなシチュエーションの推理小説なので、それぞれ楽しめる。
決して殺人事件の犯人捜しだけじゃないんだ。
特に面白かったのが浅倉秋成さんの「糸の人を探して」。
冴えない、モテない大学生の河瀬倫義が、友だちに誘われて5×5の合コンに行く(その友だちは用事があり来れない)。しかも自分に好意をもっている女性がいると聞かされており、気合いが入っての参加だ。
行ってみると、この世の人かと思うような素晴らしい女性ばかり。それどころか、皆河瀬に好意的に話をかけてくる。
しかし後にあとの4人は、お付き合いを避けた方がよい人たちだとわかる。
名前を聞いておらず、いろいろな情報から赤い糸で結ばれるべき女性を推理し