浅倉秋成のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
大手不動産会社に勤める山縣泰介。
ある日、いきなり泰介のSNSと思われるツイートから、殺人事件ではないかと騒ぎが始まる。
泰介はネットにも疎く、SNSなんてやっていない。
そのため、自分が犯人のわけがないと余裕でいたが、ネットの世界はあっという間に騒ぎが拡がり、会社にもいられなくなる。
挙げ句には、警察が逮捕しないなら、泰介を自らの手で処罰すると言い出す者が出で来る始末。
なぜ、泰介もそこで逃げてしまうのか…
ネット世界の怖さと作者の巧みな仕掛けで、後半思わず手が止まる…?
前半、泰介にイライラして、なかなか読み進められなかったけど、読み終わればなんというか、読み応えはあったのかな。
202 -
Posted by ブクログ
日常の「当たり前」を細かく刻んで、じっくり炒める。香ばしく立ちのぼるのは、常識の裏に隠れた“奇妙な旨み”。
浅倉秋成さんといえば、緻密な構成と心理戦が光る『六人の嘘つきな大学生』を思い浮かべる方も多いと思います。ですが本作『まず良識をみじん切りにします』は、それとはまったく異なる味わいの短編集。日常の中に潜む小さな違和感や人間の可笑しさを、軽妙な筆致で描き出しています。
特に印象に残ったのは、「子どもの名前をつける」エピソード。どこか現実離れした設定なのに、読んでいるうちに「ありそうだな」と思わせる説得力があるのが浅倉さんらしいところです。ユーモアと風刺が絶妙に混ざり合っていて、クスッと笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレSNS上では、匿名になる分、強気になる人がたくさんいる。「自分は関係ない」、「自分は悪くない」という立場になり言葉を投げてくる。読んでいる時は、こういうこと書く人、たくさんいるよなーと、特に違和感も感じずに当たり前の光景として捉えて読んでいた。それが振り返ってみると、なかなか自分も現代のSNSの社会に染まっている気がして怖かった。
最後にざっと伏線回収されたが、イマイチ物足りなさを感じた。書き方の時系列的な叙述トリックのある作品はいくつも読んできたが、「うわ、やられた」というよりは、そんなのありかよ〜ってどこか腑に落ちない感じ。でも、読みやすく、自分が勝手に騙されていたところがあるのも事実。 -
Posted by ブクログ
先日、主演・阿部寛で映画化された本作。
映画好きの皆さんは、もうご覧になったでしょうか、それともこれからご予定でしょうか。
私は先に小説を手に取りましたが、主人公を阿部寛さんが演じると知ってしまった瞬間から、もう「阿部寛が喋っている」ようにしか読めなくなっていました。
思えば、「貞子」ちゃんがテレビから出てきたり、「着信あり」は携帯電話の普及とともに、「スマホを落としただけなのに」ではスマホ社会の脆弱さが恐怖になったりと、社会の変化はそのまま恐怖の種類を変化させてきました。
そしていまの時代、炎上やフェイクニュースの蔓延は、SNSに疎い私でさえ危うさを感じるもの。本作はまさに、そんな必然から -