浅倉秋成のレビュー一覧
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就活生の話なので身近な読みやすい物語。
タイトルが表す通りなんだか裏がありそうな登場人物たちなのだけれど、一見すると普通の優秀な人たちって感じ。会話も情景も自然でリアリティがある。にもかかわらず次々と驚きの展開があり終始ワクワクしつつもそこまで不自然な演出はなく、引き込まれる物語でした。前半の160ページで物語が完結してもおかしくないくらいミステリーとして完成度が高くて、叙述トリック本で読者をミスリードする構成ではあるのですが、読者も登場人物と一緒にミスリードされるので、置いてきぼり感がないため決して嫌な感じはせず、むしろ楽しめました。
中だるみさせるような冗長部分は皆無で常に緊張と驚きに支配される。徐々に犯人が絞られていく、でも実は違う。その繰り返し。真相が知りたくてページをめくる手が止まらない。
人の印象はまさに文中に語られる月の表裏の話のようです。いつも僕らが見ている美しく照らされた表面、ボコボコして不細工な普段誰も見ることのない裏面。どこか一部分だけをとって全体を評価することはできないのは人間も同じで、良い面もあれば悪い面もある。それなのに、一部が明かされればこの人はこういう人と決めつける。
SNSの一部分だけ見て人を判断する。一度の失敗でその人全体を評価する。一つの噂で人格を決めつける。僕たちはそんなことを無意識にやっています。その方が楽だから。
でもそんな風にして評価して、その人の奥に潜む大事な善意を見逃したり、逆に悪意に気づかずにハメられたり。そういうリスクがあるということを体験させられました。良い意味で騙されつつ、最後は少しホロリとさせられる作品でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ心身ともに削って取り組んだ人たちには申し訳ないが、いわゆる就活って身近なファンタジーって感じ。就活モノの小説読むと、令和にまだこんなことやってるのか、、、?そんなわけ。と思うが、真っ黒キッチリになって、どこかのリーダーやったとか言って、みんな同じようなことツラツラ述べてるのかなぁ。
この小説続きが気になりすぎて読む手が止まらなかった。綺麗だなーと思った。小出しに伏線出して、少しずつ回収して、大きくひっくり返るってほどでもないドンデン返しが何回かあってって感じでどこにも飽きがなく楽しんで読めた。解説読んで、しっかり計算されて作られてるんだなって知ってなんだか嬉しい。もっとこんな綺麗で面白くて、計算されて楽しませてくれるような本読みたいって心から思った。
森久保いいやつだったんだな。最後にちょっと全員のことが好きになった。
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いい人だと思ったら悪い人だったり、悪い人だと思ったら実はいい人だったり。
誰かのことを「悪い人じゃない」と表したりするけど、それって「いい人」でもないってことだろう。
人を「いい人」「悪い人」と簡単に分けること自体が、そもそも難しいのだと思う。
人間は多面的だから、どの一面を切り取るかによって印象は全然違う。
毎日顔を合わせている職場の人たちのことだって、私が知っているのは、切り取られた断片的な一面だけのはずだ。
でも、人のすべてを知る必要なんてないし、見えている一面だけで相手のことを決めつけずに付き合っていければ、それで十分なのかもしれない。
就活でお互いの本質を見極めようとするなんてやっぱり無理だし、そもそも、相手がどんな人間なのかに正解なんてないのだ。
「犯人」は誰なのか?「パスワード」は何なのか?
何度も予想を裏切られる展開が面白かった。伏線っぽいな〜というシーンは見分けられても、わたしの場合は、結局正解にはたどり着けなかった。
ミステリーとして楽しみながら、人を一面だけで判断することの難しさについても考えさせられた一冊だった。 -
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ネタバレ久しぶりに鳥肌が立つレベルで面白い本だった。
ここからは読む前の人には見てほしくないんだが、
よくある就活のドロドロした話だろうなぁどうせ後味悪いんだろうなぁこのミスってそういうの多いしなぁと思いながら読んでたら、後半に行くにつれ、いや、え、うそ、まじか、え、、いやいや、そんな、、、の連続だった。
まじで何回も騙された。話の組み立て方、表現の仕方がとても巧妙で(褒めてる)後半ラストに向かってどんどん加速してった気がする。
文章も読み易く、それがひとつの罠だったのもあるんだが、もうめちゃくちゃ面白かった。一気に読んだ。一気に読んだほうがいい本だと思う。
個人的にハッピーエンドが好みなのもあって、後半に向けてテンションが上がった。同じ著者の他の本も読みたい。 -
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改めて感想書く。今年の6月とかにこの本を読んだんだけど、この本がきっかけで「読書」というものにハマった。最初にこれを読んで本当に良かったと思ってる。登場人物全員の感情に揺さぶられたし、何より叙述トリックが上手すぎる。後から見たら180度印象が違う文になってるのが才能の塊すぎてすごい。単純に読書経験が少なすぎるのもあって、多分こういう作品いっぱいあるんだろうけど、俺には十分すぎた。本気でミステリを書くようになった今、改めてこの作品の凄さに気づいた。本当にこの作品のプロットはすごい。プロはこれ位のレベルが求められるんだって思うと同時に絶句する。
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Posted by ブクログ
物語は大きく二編に分けられており,就活編では波多野の視点からグループディスカッションで起きた出来事が描かれ,社会人編では嶌の視点から,その後の出来事が描かれている。
序盤では,スピラに入社して成功を収めた人物へのインタビューが挟まれるため,その内容から犯人についてある程度予想しながら読んでいた。しかし,インタビューの途中で,取材者がまさかの人物であることが判明し,それまで読んでいた内容の意味が一気に変わった。さらに,グループディスカッションの結末についても,波多野の行動によって想像していたものとは異なる形で終わっていたことが分かり,ここでまず大きな衝撃を受けた。
そして社会人編に入ると,今度は別の視点から当時の出来事を振り返りながら,犯人探しが始まる。ここからは,前編で描かれていた出来事を別の角度から見直していくような展開になっており,読み進めるほどに「本当にそうだったのか」と考えさせられた。
個人的に特に面白いと感じたのは,ここからの展開である。前半で明らかになったと思っていた事件の真相が,後半に入ると次々と別の意味を持ち始め,登場人物に対する印象までもが大きく変わっていく。最初は「この人はこういう人間なのだ」と思っていたものが,物語が進むにつれて,実は別の一面があったのではないかと思わされる。この構成が非常に巧みで,単純に犯人を当てるだけのミステリーとは違った面白さがあった。
また,タイトルの「六人の嘘つきな大学生」という言葉も,読み終えてから改めて考えると非常に印象的だった。登場人物たちがついた「嘘」だけでなく,読者自身も物語の中で提示された情報を信じ,それをもとに人物像を作っていたことに気づかされる。最後まで読んだことで,序盤の出来事をもう一度読み返したくなるような作品だった。
犯人探しだけを楽しむミステリーというより,**「自分が見ていたものは本当にすべてだったのか」**という感覚を味わえる作品だと思う。前半と後半で物語の見え方が大きく変わるので,先入観を持たずに読んでみてほしい一冊である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ再読(約3年ぶり)
「ノワールレヴナント」も好きだけど、比べると「教室が」は全体的にシュリンクしてる感はあるけど、「教室は」の方が暗くて好き
あと、「ノワ」は若干読みづらいと感じるところがあったりしたので、その点「教室」は文章も読みやすくなった感がある
死神のスキルを推理するために3人の自殺シーンを繰り返し検証するところはややくどいけど、丁寧に推理を重ねることで説得力がある
自分もカキウッチー派ってことは社会的には異端になるのかなあ
ラストのカキウッチーの絶望に、ほんの少しでも救いがあってよかった
バイト頑張って手に入れたマーティンを置くところがない、、、あ、お隣さんに預かってもらえばいいか