浅倉秋成のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ怪しいと思っていた嶌さんが犯人か?と思われた時点でまだ残りページが半分くらいあるのでちょっと早すぎるなと思っていると、そこからも話が2転3転していく。
デキャンタの件や、優先座席や駐車場の場面などで小さな違和感とか不快感をうっすら感じていたのが、叙述トリックとして嶌さんの特徴が明らかになった辺りからピースが次々とはまっていって気持ちよく進みました。これが映像では体験できない、読書の醍醐味だと思います。
事実というのは見る人や角度によっていくつもあるので、真実は1つであってもそこへ辿り着けずに誤解を生み、無念な思いを飲み込んだ気持ちを思うとやりきれない。
就活生から見れば雲の上の面接官も、実際は -
Posted by ブクログ
とっても面白かったです!
でも一般的な家族しか知らないような幸せな人生を送ってきた人には受け入れにくいかもしれません
生きづらさを抱えた人ほど共感できそうな物語でした
この世界観は、普通の親に愛されて育った人には理解できないのではないでしょうか
理解できないというより否定したくなると言う方がしっくり来るかもしれません
テンプレ通りの家族というものを信仰してる人が本作を読むと不快感でいっぱいになる気がします
逆に、家族というものに縛られたくない人ほど本作を楽しめると思います
描写のひとつひとつに現代社会への皮肉が込められており、それに共感したり反発したりと心が忙しくなる内容です
私自身、共感で -
Posted by ブクログ
ネタバレ先に映画を見たので映画との差異を気にしながら読み進めたが、小説の方も面白かった。
逃走劇、推理劇、ヒューマンドラマ、さらにネタバレだが叙述トリックが忍ばせてあるので息もつかせない。小説も同じく、途中の違和感(主人公の娘にしては若すぎでは?)が芽生えてしまうのだが、登場人物の視点の入れ替わりや目紛しい展開で次第に気にならなくなる。六人の嘘つきな大学生と同じく、仕掛けを自然にまぶして最後に読者の予想を壮大に裏切る構成は、浅倉秋成の真骨頂だと思う。
小説のほうを先に読んでいれば、カタルシスも爽快だったと思うが、映画も素晴らしい出来だったのでそれは良いか。 -
Posted by ブクログ
まるで世にも奇妙な物語のような短編集でした
すごく読みやすくて面白かったです
どのお話もセンスが光っていました
言葉選びが秀逸で思わず笑ってしまうことも多々ありました
短編集なのでスキマ時間に読み進められるのも、最近ずっと忙しい日々を送っている私には合っていて良かったです
特に好きなのは1話目のデスゲームと最終話の名付けのお話でした
1話目は主人公にちょっと共感してしまいました
最終話はとにかく笑えましたしオチも良かったです
野球の話だけは、私自身が野球に全く興味がなくルールを知らないため没入できませんでした
なんでそうなるの!?とツッコミを入れたくなるような思考の飛躍が面白い作品集です
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Posted by ブクログ
ネタバレ就活を経験しているので人事の目線から見る就活生についてだったり、就活生からの企業への印象だったりと、似たような思うことも多くスラスラ読み進められあっという間に読み終わった。
犯人の推理や登場人物への疑いや印象の変わり方が追随体験できる没入感があってとてもおもしろかった。
少し無理やりな設定だとは思うが社会に疑念を抱き一矢報いたいと考えた動機も理解できる。
学生である今、周りの人間関係は数年以上の長い付き合いがありお互いのことを知り合えているが、これから先出会っていく人間は一緒にいる時間も合計したらたったの数時間であり、今までの友人たちのように深い関わりもなくなってしまうのだろうと思うと、ほん