浅倉秋成のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレある日向かいのホームにいたのは、高校時代に好きだった彼女。
しかし、自分はもう卒業から何年も経っていて社会人となっているのに、彼女はまだ高校の制服を着たまま……。
年齢を患った彼女の、思い残したこととは?
とても綺麗でしたし、ミステリーとしてもどういう結末を迎えるのかわくわくしました。人が死なないミステリーもいいですよね。
大人になるって怖いかもしれないけど、私は学生時代よりよほど大人になってからの方がいろんな道を選べて楽だなって思っているので、そんなに怖いことじゃないよって伝えてくれる作品は好きです。
最後に主人公の謎も明らかになって、なるほど!と思いました。確かに、大人になってからはそ -
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作ってもいないSNSアカウントが炎上し、殺人犯として追われるお話
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ある日突然、「女子大生殺害犯」とされた男。
既に実名・写真付きでネットに素性が曝され、大炎上しているらしい。
まったくの事実無根だが、誰一人として信じてくれない。
会社も、友人も、家族でさえも。
ほんの数時間にして日本中の人間が敵になってしまった。
必死の逃亡を続けながら、男は事件の真相を探る。
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浅倉秋成の既読作品は2つ
「フラッガーの方程式」
「教室が、ひとりになるまで」
いずれもプロットが巧みな作品だし、今回はそれをさらに超えてきた
やーらーれー -
Posted by ブクログ
たった1、2時間の面接で人の本質を見抜き、フェアに評価できるのか。「内定」を巡る六人の苦悩、焦りの描写を通じて、自分が就活時代に感じていたことをつい思い返しました。
些細な言葉や振る舞いがこの先何十年もの人生を決めてしまうかもしれないという独特の緊張感。就職試験編のあまりにも手に汗握る展開に、読者である自分も胃酸が戻りそうになりました。
当時を振り返ると、色々な選考を受けた上で入社した会社があり、今の人生があるので、いざ文字にすると大袈裟な感がありますが、あながち間違っていないのかも知れません。
一転、それから編は「犯人」を巡る伏線回収の連続。犯人と疑わしい人物が次々入れ替わる展開に、正解 -
Posted by ブクログ
ネタバレどんでん返しどころじゃない、二転三転してやられた!またやられた!と読んでて楽しかったです。ここは伏線になるだろうな、という所は全部拾われ、気づけなかった部分も綺麗にこういうことですよ〜と教えてくれて感動しました。
人生の最大の分岐ルートと言える就活の嘘めいた世界、人間を一見した一面で全てを確定してしまう愚かさ、考えさせられました。就活の時期にまた読み直します。
主人公波多野が真犯人の思い通りにされたまま亡くなったのは居た堪れないなと思った後々の展開には、感嘆、、腹黒大魔王。。真犯人の動機もまあわからなくもない話だと思いました。かえって動機なんて他人からしたら本当に些細なことで、つまらないもの -
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7つの短編集
新進気鋭の作家たちによる現代のリアルを切り取る7つの物語。
わかってるようでちゃんと理解していなかった
「推し活」「VTuber」についての理解が深まりました
どの作品も味わい深くオススメできるものばかりですが個人的には
『あなたに見合う神さまを(佐原ひかり)』が一番心に刺さりました
人を支配するもの、人の幸福を妨げるものはおしなべて暴力よ
と語る権藤さんのカッコよさと、少しづつ勇気をもって言葉の暴力に立ち向かう主人公。。
初めて著者・佐原ひかりさんを本作品で知りましたが他作品も追いかけてみます
あと石田夏穂さん作品はほぼ全部読んでいますが短編向きなのかも、とも感じ