あらすじ
北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ショックから不登校の幼馴染みの自宅を訪れた垣内は、彼女から「三人とも自殺なんかじゃない。みんな殺された」と告げられ、真相究明に挑むが……。
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異能力ミステリー、面白かった。
後半になると、あれもこれも伏線になっていたんだと分かって爽快です。
浅倉秋成先生の作品は「6人の嘘つきの大学生」から「俺ではない炎上」と読んで、この作品で3つ目です。どれも面白いですね。
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どちらの立場もわかる。
強い立場も弱い立場も。
それぞれに乗り越えるべき壁がある。
でも1人でいるより誰かといたい。失敗を重ねても誰かを支える人生を選びたい。
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楽しくハラハラドキドキしながら連続自殺事件の真相を追う主人公たちを追いました。主人公が謎を追う動機がイマイチ分からなくて疑問に読みながら読み進めていった最後犯人との対決で語られるスクールカーストについてのあれこれやら人付き合いの悩みやらに共感しました。
スクールカーストを強く感じた経験実はないけど「ひとりになりたい」と「ひとりはさみしい」は両立するんですよね…
最後の最後の落としどころも私は好きです。
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最初に感じた小説において珍しい主人公への共感しづらさと好感度を持たせない描写が珍しいなと思った これが垣内の社会に適合しづらさと考えると趣がある 社会の残酷な事実とそれに適合を強制されることを明確に実感してしまう高校生の葛藤とをミステリー性の中で感じ取らせてくれる話だった
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超常的な能力を持つという特殊設定だが、繊細な心の動きがリアルに表現されていて、次の展開が気になり一気に読み進めることができた。
学校のクラスで同じ集団の中にいても、価値観や物事の捉え方は人それぞれ。
1人になりたい時も当然あるけど、完全に1人では人は生きていけない。他人に合わせる必要がある時もあるけど、その中で自分の軸だけは見失うことがないようにしたいと思いました。
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タイトルでデスゲーム系か?と思ったら違った。
けど満足感の高い一冊でした。
クラスで連続する自殺騒動、これは本当に自殺なのかーー?
代々伝わる『受取人』とその能力のあたりは、あれ?これミステリでなく能力バトルSF系?と思ったけど、『受取人』の関係や力も巧く使って展開されてて、伏線回収もとても鮮やかだった。
読後感も、完全すっきり!ではなくても悪くない。
主人公は大家族で帰宅しても一人になる時間がなくずっと賑やかだから、一人の時間がほしくてたまらないんだろうね。
なのにクラスも一致団結だとか言って一人にさせてくれない。仕切ってるやつら邪魔。だからといってクラスの上位を殺してはいけない。
そういった葛藤や、でも許されることではないよね。っていう主人公垣内くんの気持ちはよくわかる。
そして八重樫くんの、でもあいつらは本当にクラスの為を思ってやってたんだ、っていうのもとてもわかる。彼らはわいわいやるのが本当に楽しくて、それはみんなも当然そうだと思ってただろうから。
こういう青春ミステリ系がきっとなんだかんだわたしは好きで心に刺さるんだろうなあ。
かがみの孤城も青春ミステリ系でめちゃくちゃおもしろいと思ったし…
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クラスメイトの連続自殺。
しかしそのクラスにイジメはなく、むしろ最高のクラスと言われていた。
彼らはなぜ自殺したのか、本当に自殺だったのか。ミステリーでありながら青春時代にありがちな心の葛藤や闇を見事に描いている小説でした。
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「六人の嘘つきな大学生 」「俺ではない炎上」が面白かったので同著者3作目
ほか2作品のほうがより面白かったけどこちらも面白かった!
他の作品も読みたいな
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特別な条件や制限を前提とした環境下で推理を行う特殊設定ミステリ作品。テーマはずばり「スクールカースト」。
本丸の事件に関しては中盤で目途が立ち、意外とストレートに結末を迎えるのだが、そこに至るまでの心理戦と伏線に揺さぶられる。とある人物の深層心理に焦点を当てたゆえに援用元となる犯行動機が弱い印象が否めないので、ミステリーというより青春小説に近い。
疑心暗鬼のなかで探るように尋ねたあとの最後の一言が良い。嫉妬嫉み怒りといった負の感情を昇華したうえでの結論ゆえに爽快な読後感。
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同じ作者さんの「ノワール・レヴナント」を思い起こすような青春ミステリでとても良かった。学校内の狭いお話でこちらの方が好み。相変わらず伏線がとてもお上手ではらはらわくわくにやにやしながら読めました。
読書中、小学生の娘に内容を聞かれたので、学校内にいる特殊能力を持った犯人を探す話、というような説明をしたら、友達とやってる人狼ゲームに似たようなルールのものがあるよと教えてくれました。関連があったりするのかな?ゲームも楽しそう。
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"みんなが仲の良い最高のクラス"に起こってしまった最悪の悲劇。フォントが変わる所があるんですけど……ホラーじゃん。
個人的にこれはイヤミスだと思っているのですが、ラストに救いを残してくれる所に浅倉先生の優しさを感じました。
"彼らが僕の悩みを理解できないのと同じように、僕もまた彼らの悩みを理解してあげる事はできない" という主人公の独白があるんだけど、心に留めておきたい一文だなと思いました。
分かり合えなさは日常のどこにでも存在する。
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学校で代々受け継がれる4つの能力がカギとなる特殊ミステリ。
北楓高校で次々と不可解な自殺が相次ぐという作品だけど、その動機がなんとも心に刺さる。
学校でよくあるカーストの話が背景として描かれてるけど、それだけじゃない。上位の人間が自分たちの過ごしやすい学校生活を送るため、下位の人間を利用するっていうよくある話だけど、そんな単純な話じゃない。
それにより不平等が生まれ、王に近い人間が輝けば輝くほど、下民の不平等さも大きくなるという、下民の人生においてはなんとも残酷な現実を突きつけてくる物語。
『教室がひとりになるまで』で、犯人が狙っていたひとりは『独り』のことだった。独りになれば不平等も生まれない。カースト下位が求める優しく穏やかな世界。
しかし、人は人と関わらずして生きていけない。だからこそ他人に気を遣ったり、誰かの機嫌をうかがったりしていく人生は何も変わっていかない。結局は上の人間が得をする世界なのは、大人になっても変わらないという、ある種の若者達への警告のような作品だったと思う。
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この人書くのうまいなあ。いじめっこいじめられっこの陳腐な話じゃなく、教室の支配者と支配される側のせめぎあい、というのは恐れ入った。それに異次元な能力を組み合わせてのストーリー展開。素晴らしい。最後のイシズミさんの話はちょっとバタついた感があったが、その後の家族との諍いでの落ち込みを表現する上では仕方なかったか。本当のラストはラブストーリーなの?と思い、ちょっとクスッとしたが面白かった。
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学園もので超能力、ミステリーっていう要素がある本を余り読んだことがなかったので新鮮だった。
最後、八重樫が壇を殺そうとするのを垣内が止めたシーンが印象的だった。殺したことを忘れずにこれからは周りの空気を読んで生きていけ、的な壇に言った言葉は垣内が自身の将来を考える中でそう生きていくしかないと感じていたからと出てきた言葉なんだろうなと思わざるを得なかった。
こういう閉塞感みたいな、垣内が抱えるような苦しさを抱えながら生きている人って多いだろうから読んでて胸が苦しくなる人多そうだと思った。
小早川燈花の自殺に関しては、壇が弔いをするため3人も殺して他のクラスメイトも殺すつもりだった訳で、個人的にもう少し掘り下げて書いて欲しかった。でも、色んなところにある伏線が綺麗に回収されていって読んでて気持ちの良い作品だった。
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『特殊設定ミステリ』というジャンルになるのですね。
普通の学園ミステリかと思っていたので、そうきたか!という感じでしたが、最初から一気に引き込まれあっという間に読み終わりました!
いやいや、楽しかった!能力をそう使うのか!
『教室が、ひとりになるまで』の意味にも死神の気持ちにも共感できる部分はあるものの、殺してしまうのはやりすぎ。
一気に読みました
連続して自殺者がでる。
こんなショッキングな始まりで、ドキドキしながら一気に読み終えました。
「自分が嫌なことは人にもしない事」昔からよくきこことばですが、その「嫌な事」が、人と違ったら?それが、人から見ると許せない事だったら?
実はそんなことはよくあるかもなぁ、とふと怖くなりました。
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特殊設定ありの学園ミステリーだが結構早目で犯人がわかり謎といえば能力の詳細とその発動条件で動機も気持ちはわかるが多分というか書かれてもいたがあいつらにはわからんぞ、陽キャは良かれと思ってもそうは思わない人も一定数いるって事までわかって初めて人の心がわかる優しいいいやつを名乗れるのだと思った。一人はさみしい気持ちはあるが一人でいたい気持ちもまた素直な気持ちかな。
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同じ著者の「俺ではない炎上」が面白かったのでこちらも購入。
同じ高校で連続して自殺者が出る。どうもその学校に代々受け継がれてきた超能力を持つものの仕業だとわかる。はたして次の自殺者は止められるのか?というお話。
「学校」という一見楽しそうで実は生きづらい空間がうまく描かれていた。
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ひとりは嫌だけど、団体すぎるのもあまり好きではない。学校生活のあるあるが描かれ、自分も経験あるがゆえに少し複雑な気持ちに。殺しまでは行き過ぎかと思うけど、胸に深く刺さる内容だった。
特殊ミステリーとはいえど、そこまで違和感なく楽しめたし、予想の上を行く展開に、やきもきする感じも読んでいて飽きない。
浅倉秋成先生の作品はこれで3作目。過程はけっこうえぐるものがあったが、今回も最後は希望がもてる終わり方で読後感はそう悪くはない。
伏線回収やトリック、繊細な心理描写、今回も作者の手腕に感服。
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きっと誰しもが一度は考えたことのある教室内でのカースト、ヒエラルキー。その時の自分がどこに所属していたのかによって、この事件の犯人の気持ちが理解できるかどうかが変わる。
殺人という手段をとってまで教室のカースト制を平らにしようとする犯人の気持ちはあまり共感できないものの、少なくとも作中に出てくるようなカースト上位の人たちは、犯人のような思いを持つ層があることもきっと理解できないだろうと思う。
形としては特殊設定ミステリーだが、そのトリックよりも登場人物の心情にフォーカスして読んだ時、辻村深月のかがみの孤城をふと、思い出した。
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特殊能力。
特別な感じがして手にしたいと思う気持ちもあるけど、なんでもかんでも自分の思い通りに使ってられないもんね。特殊能力者が殺意を持つのは怖い。
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三人の生徒が自殺したと知るところから物語は始まる。
犯人もその動機も大体わかった状態で、犯人の『人を自殺させる』という能力がどういうものなのかを解き明かしていくという特殊ミステリーだった。
おもしろくてあっという間に読めた。
動機と孤独の心理描写にたくさんページ数が割かれていたが、こういった「自分の居場所がどこにもない感覚」や、「無自覚に自由を制圧しようとする人への嫌悪感」を持つ人は多数いると思う。小早川はそれにより自死を選び、優里はそれを招いた教室のシステム自体を壊すため、超能力により数人を殺害する。
垣内と優里は同類のように描かれているが、垣内程度の厭世観の持ち主はクラスの半数くらいいるのではないか。三人も殺した殺人鬼の「ひとりになりたい」感情は頭ひとつ抜けている気がするが、垣内の渾身の演説で改心(というか納得?)するのは呆気ないなと思った。
最後に垣内は能力で、美月の言葉に嘘がなかったことを知って、この先の人生どうしても1人では生きていけない絶望を感じながら、自分も誰かを頼っていいことに気づいたのだと考えられるが、この期に及んで能力でそれを確認するのかと思った。とはいえ、それで垣内が希望を持って生きていけるなら、能力者に選ばれてよかったとも思う。
Posted by ブクログ
ゾンビとミステリーの組み合わせは別の作者の作品で読んだが本作は超能力とミステリーの組み合わせ。さらに言えば学園モノといえる。犯人探しよりも能力バトルの要素の方が強い気がする。能力を突き止める件はスタンド使いに近しいものがある。本作の良い点は超能力に制限があるところ。何でもありになると興を失うが本作は成功していると思う。
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浅倉秋成さんの本にハズレはないという信頼感がある。
今作も面白かった。先入観入れたくなかったので、前情報なしで読み始める。特殊設定ミステリーだった事にちょっと戸惑ったけど、楽しく読めました。
タピオカ屋ののり子さんが、スクールカーストを富国強兵ゲームだと自論を展開する所は面白かった。分かりやすい分析。確かにそうかも。
ただ中盤くらいであっさり犯人が分かって、そこからはどうやって犯行に及んだかの追求になっていく流れがどうもなあ。没入できんかった。その点は残念。
個人的には私も主人公や犯人側の人間なので、そっちには感情移入できた。八重樫くんは無理。苦手なタイプだわw
終章の最後の終わり方が綺麗。読後感はいい。
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全員が仲のいいクラスで連続して自殺者が発生。
主人公は“受取人”の力を使った“殺人”ではないかと疑い調査を始める。
非常に読みやすい特殊設定青春ミステリ。ホワイダニットに納得できるかで評価が分かれるかも。
能力に差がありすぎなのは御愛嬌かな。
若い世代の読者の方が共感しやすい作品!
Posted by ブクログ
超能力が存在する特殊設定ミステリー
高校の中で女子1男子2名が次々と自殺していく
それはほんとうに自殺なのか
というところと、他殺ならば犯人は誰?どんな能力を持つのかという謎解きです
幾つかの方向からミステリを楽しめます
特別に仲の良い最高のクラスの中で誰が何を思っていたのか
そのあたりは特殊ではなく、現実的です
住野よるさんの「かくしごと」
を読んだ時 特殊設定青春小説にお驚きましたが
こういうSFのような設定を異端ではなく日常に
落としていく作品が定番の一つになってきてるのでしょうか
“教室がひとりになるまで”を念じる弱者も
「近くに人がいるのは叫びだしたくなるくらい煩わしくて、一人で居るのは耐えられないくらい寂しい」
物語の根底にあるものは、好みなのだけど
特殊設定についていけず
Posted by ブクログ
SF青春学園ミステリ
学校の敷地内だけで使用できる(4人の生徒だけが代々引き継がれる)特殊能力を持った高校生がその力を使いクラスの連続自殺事件に挑む。
条件設定は面白く全く万能ではない能力がなぜか愛おしい。
陰キャな主人公がクラスの闇に立ち向かう姿が応援したくなるし、その他3人の能力とミステリが良い感じに絡み合う。
最後の伏線回収も良く面白く読めた。
けど、6人の嘘つきな大学生の方が好き!