浅倉秋成のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日常に転がっている違和感や異常性を煮詰めて濃縮させたような短編が5編収録されている短編集。
どの物語も、現実的なテーマがふっと非現実的な方向に入り込んでいったり、逆に非現実的なことが真面目に現実的に進んでいったりしていて、現実と非現実の境界線ってすごく曖昧で、地続きなものなのかもしれないなと思わされる。
そんな現実と非現実の間をスルッと通過していく感じが、クセになる楽しさだった。
楽しい話はないのだけれど、皮肉やブラックユーモアを多数散りばめられていたこともあって、不思議と読後感はどれも悪くなく面白く読むことができた。
浅倉さんの作品は長編のミステリーを2作品ほど読んだことがあったけれど、短編集を読むのは今回が初めて。
ミステリー以外のジャンルの作品の魅力を感じることができ、今後も浅倉さんのこういった短編を読めるのが楽しみだなと感じた。 -
Posted by ブクログ
とにかくヘンな小説を
そんな依頼に応えた短編5編
ジャーロ掲載作品
いずれも秀作で、ラストまで読むと奇妙な納得をする。
ここで崩されるのは常識ではなく良識ですね。むしろ彼らは、自分なりの常識を守ろうとするあまり、判断や倫理を切り崩していく。
その倒錯が、ブラックなナンセンスとなります。
⒈ そうだ、デスゲームを作ろう
冴えない男の発想がそのまま暴走する。
筒井康隆を思わせる、軽さと逸脱。
⒉ 行列のできるクロワッサン
行列という形式だけが肥大化。
小松左京「牛の首」を思い出した。
⒊ 花嫁は戻らない
原因を探した末に、結婚式そのものの異物感。
接点はないのだけど 裸の王様を思い出した。
⒋ ファーストが裏切った
ルールの信頼が崩壊する不条理。
⒌ 完全なる命名
自由なはずの命名の 錯乱。
オチが ヨシエリさんの原麻希より。
すっごく新しい“ヘン”が少し懐かしさがありました。
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Posted by ブクログ
スリル満点逃亡劇、無事完走。
「炎上」がテーマの作品ってことで
エンタメチックなストーリーになるんじゃてのと
炎上系は結構気分が落ち込むので
ちょっと避けてしまってたけど、
浅倉秋成さんなら絶対ただのエンタメではないよなと思って信じて読んだ……めちゃ面白かった……
タイトル通り、主人公の"俺"ではない事案がきっかけで起きた炎上と、ある事件。
巧妙に仕掛けられたトリックで全くの濡れ衣で事件の犯人と決めつけられて個人情報公開や付き纏いにあってしまって誰にも信じてもらえなくなった主人公が必死の逃亡を図るお話。
主人公視点だけではなくて、家族や刑事、炎上のきっかけとなった投稿を拡散しただけの第三者、あらゆる視点から語られるんですが、読んでるうちに「ん?あれ?なんか噛み合わないぞ、なんだなんだ」となって真相に気づいた時、とりあえずページめくって読み返してた笑
え、すごいな本当に緻密に練られた構成。
自分が見てたもの(読んでたもの)が一気に塗り替えられる感覚、やっぱりめちゃ気持ちいい!!!
浅倉さんは『六人の嘘つきな大学生』が初めて読んだ作品だったけど、その時も本当世界がひっくり返る読書体験をさせてもらい、好きな作家さんになりましたが今回もすごかった、、、
あと一貫して「俺ではない」の部分に対しての描かれ方もヒェッてしましたよね。
自分の振る舞いも改めようと思ったもんね……
皆が皆ではないけど、やっぱり悪いのは「自分ではない」にしたい……人間の内面の見せ方がとてもリアルでした。
一つ、犯人の動機の部分だけが気がかりだったけど、でもそういう思考になる人がいるのも事実。
あーーーーすごい面白かった。
でもなんか一緒に走った感覚、疲れた!!!
よく眠れそう!!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ今までとは違うどんでん返し
4人の視点で物語が進んでいくので、読みやすかった。
冒頭で出てくる青江さんが怪しさ満点で、どんなところに今後関わってくるのかな?と考えてしまった。笑
大学生のサクラが夏実であることがわかった時にはついつい前の夏実の章を読み返してしまった。
文章で読んでいると、太輔は仕事ができるはつらつとしたサラリーマンをイメージしてしまったが、
ネットにかなり疎いところなどから、もっと上のおじさんで、さらには子供の年齢と合っていないのではないか?と推測できたのに悔しい笑
夏実が早退するシーンで
学校の中にいる状態でクラスの子がTwitterの情報を知ることができるのか?
この年齢で小学生の子供?
と呟かれていた所など
少しの違和感を持ちながら読んでいたが
こういったところ全てに伏線が貼られていたのかと思うと、素晴らしいの一言。
映画の予告をみたが、かなりポップな印象を受けたので、どうなのか気になる
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Posted by ブクログ
「全員が仲のいい最高のクラス」で起きた連続自殺。主人公は、幼馴染みの同級生から信じがたい話を打ち明けられる。「自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」“他人を自殺させる力”を使った証明不可能な罪を暴いていくお話。
タイトルだけで手に取ってみましたが、思ったよりドロドロした感じはない青春ミステリーという感覚でした。「あ、こういう方向なんだ」と思う瞬間があるのですが、それと思春期特有の心の揺らぎが絶妙にマッチして一気に読み切りました。
設定が凝っているのでもう少し事細かに書いて欲しい気持ちもある一方で、最後の終わり方がすごく潔く、素敵で良かったという気持ちもあるんですよねぇ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「私は教室で大きな声を出しすぎました。調律される必要があります。さようなら」
謎の遺書を遺して自殺した3人の生徒。
幼馴染で学校に来なくなった美月は、レクの日に死神に話しかけられたこと、次はこずえが標的になることを垣内に話す。
さらに垣内はその出来事を信じざるを得なくなる手紙をもらい……。
柿内側の人間なので、どうしてもそっちの気持ちになりながら読んでしまいました。
垣内・八重樫のどちら側にも傾かない終わり方をするのが、いかにも現実っぽくてよかったです。
それどころか、垣内をさらに様々なものが追い詰めていくビターエンドで、浅倉秋成の作品としては結構珍しいのかも?