浅倉秋成のレビュー一覧
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ネタバレデビュー作らしく、「6人の嘘つきな〜」と比較すると人物•心象描写で引けを取るもストーリーは素晴らしかった。超能力を使える高校生4人というありがちな設定でありながら「背中に数字が見える」「今日話される言葉が5つ聴こえる」など地味だが使い方次第ではひょっとして凄いのかも?と思わせてくれる魅力があった。キャラクターの中では江崎くんが好き。少し厭世的で大人っぽくあろうとする子供っぽさもありながら、クールなようで一番の気遣い屋さんで頼りになる男の子。主人公の大須賀くん、物静かな葵さん、妹的なのんちゃんも魅力たっぷり。黒澤孝介が考えるヒトの愚かさ。ヒトは「子孫の繁栄」という目的を背負っているがそのための手
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Posted by ブクログ
ネタバレ今時のネット社会がテーマの短編集。
七人の若手作家達が書いているのだけど、その中に若手ではないが^^自分の推し作家である杉井さんが入っていたのでそれを目当てに読み出したのだけど他の作家さんのお話も面白かった。
題材的にはVtuber、tiktok、マッチングアプリ、押し活などいかにもなもので、内容的にはミステリあり青春ものありサスペンス調のお話ありとバラエティがあって、なかなか面白かった。
個人的にはtiktok絡みの青春ものが読後感が良くて好き。
杉井さんのお話は「世界でいちばん透き通った物語」の後日談なのだけど改めて霧子さんがホームズで燈真くんがワトソンなのだなと納得した。 -
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ネタバレこの現代に潜むゾクゾク感がたまらない!
SNSはやっぱり恐くて、でもこんなに温かいものだったなんて、今まで知らなかったなぁ。
特に好きな話は、
自分の娘がパパ活?をしている可能性があり、それを止めるべく取る父の行動に鳥肌が止まらない、結城真一郎「ヤリモク」。
YouTubeの配信に熱を注ぐ変人な同級生を裏で支える主人公。果たして彼女たちの行く末はー。佐原ひかり「あなたに見合う神様を」。
PCを使えない上司の指導係になり、不満を募らせる女性。その女性はその腹いせにその上司の管理下にあるタイムカードの数字をいじり、自分の残業時間をいじるというゲームを行っていた。最後の彼女の言動にに思わず胸を打た -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルだけ見て社会派小説かと思ったら
上質な社会派〝ミステリー〟でした。
SNSが発達して誰もが自分自身の「正義」を発信することができる現在にはあり得ることだなと思える。社会派的な側面はとても怖い内容でとにかく逃げる事しか出来ないのはなるほどなと。そして自分の正義を押しつけることで周りの正義とぶつかる事は当然あるし、それがパワハラとして表に出ないまま鬱憤として積もっていくのもよくある事。身につまされる。
自分とその周りだけならともかく、それがいわゆる「炎上」状態になると数の暴力で個人としては抗うことが出来ないのも怖いところ。作中の様に逃げる事しか出来ないよな〜って思う。
そんな側面もありなが