浅倉秋成のレビュー一覧
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ネタバレ「家族」というあり方に向き合う話。
自分本位に生きていくことが肯定される結末だったのは、多様性を良しとされる時代ならではなのかな。
一応ハッピーエンド的に描かれているから周にとっては納得のいく選択のように描かれてはいるけど釈然としない。そう思ってしまう原因は、周の立場が"親子"から"夫婦"に変化しているから、かな。夫婦はあくまでも他人同士だから自分本位でも何でも互いに納得さえしてりゃいいけど、親子や兄弟も同じ土俵で捉えるのかは疑問に思う。解散のお焚き上げによって真にケリがつけられるのは父と母だけであって、3人の子供は両親のケリに付き合わされてるだけに思う。ただ子供たち本人も納得してケリをつけることができているのは大人になっていたからってだけで、夫婦のように親子や兄弟の関係性にまで解散することはできていないんじゃないだろうか。そこにきて新郎である周がハッピーエンド如く新たなる一歩を踏み出しているのは、周自身が"夫婦"の立場になったから。夫婦の立場では解散できた事例が実の両親であるのだから困ったら解散すりゃいいわけで。でも自分が子供のときに被った臭い物には蓋をしたまま見て見ぬふり、もしくはそれすらも家族の多様性と割り切るのか。はたまた周の子供にも大人になったら解散に付き合わせるのだろうか。
それぞれの立場において、気安く一様に多様性を謳うのはどうなんだろうか…と思ってしまう今日この頃。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「6人の~」が面白かったので、てっきりこれも普通のミステリーかと思ったらまさかの能力もの。調べてみたらこの作者の作品はほとんどが能力ものだそうで。能力ものも嫌いじゃないけど、普通のミステリーと思って読んでいただけにちょっとビックリ。
途中まではそこそこ面白かったんだけど、ラストがね…。一人で三人も殺した犯人をどうするかについて、三人掛かりであれこれ工作して事故死に見せかけて殺そうという結論に至る。ミステリーの結末として最悪やろ(まぁ結局実行したものの最後は未遂に終わるんだけど)。せっかく便利な能力があるんやから、痛めつけて治して、痛めつけて治してを気が済むまで繰り返せばよかったのに。
ただ自分も主人公や犯人と同じで基本的には一人でいたい派なので大いに共感はできた。毎週放課後に強制的に他クラスと合同でレクリエーションなんて勝手なルールを作られたんじゃ憂うつで仕方ない。社会人で言えば半強制的な部署内での飲み会とかになるんだろうか。別に仲良くもなりたくない奴らと飲んでも時間と金の無駄。コロナでなくなってラッキーと思ってたら、また復活してきやがった。同じようなことは『教室』だけで起きているわけじゃない。 -
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ネタバレ私が好きな作家さんばっかり…!
個人的にかなーり豪華なアンソロジーだったので、とても楽しく読むことができた。
「かわうそをかぶる」「あなたに見合う神さまを」が特に好きだったかなぁ。
「かわうそをかぶる」 浅倉秋成
ゆゆはイサナだったってことだよね?
犯人を仕掛けたのはゆゆだったってことだよね?
きゅーきゅー言っててこわ。
「まぶしさと悪意」 大前粟生
悪口コメントのミームってすごい発想。
「霊感インテグレーション」 新名智
ややムズ。シンプルにシステム理解が追いつかないだけっていう。
デマに踊らされた人間が、嘘を信じて人を殺しちゃうの、現代でもありそうで怖いね。
「ヤリモク」 結城真一郎
殺害目的がやばい。
そして最後の1文もやばい。
真意がわかったときに、そういうことかーーーとなる。どんでん返し系。おもしろい。
「あなたに見合う神さまを」 佐原ひかり
一番好きだったお話。
権藤さん、とてもいいキャラ!!!大好きだ。
途中で出てきたるりちゃんと若尾の話とか、父親の話はなんなんだろうと思ったけど、人を支配したり幸福を妨げるという暴力を、いろいろな形でとってくる奴らだったんだろうか。
それに対して自分の好きなものを好きという、自分が信じるもの・拠り所にするものを自由に決める権藤さんはかっこよく映っただろうなぁ。
嘘がちらばる世界のなかで、対照的に真実が光る。
「タイムシートを吹かせ」 石田夏穂
やっちゃダメだけどレジェンドがうざすぎてもはや良いと思う。
最後のオチが気持ちよくて好き。
「君がため春の野に」 杉井光
『世界でいちばん透きとおった物語』のスピンオフ!
ほろりとする結末がステキ。 -
Posted by ブクログ
浅倉秋成の長篇小説『九度目の十八歳を迎えた君と(英題:The Girl Who Was Eighteen Years Old Nine Times,and...)』を読みました。
ファンタジー? ミステリ? 青春小説? 恋愛小説? うーん、色んな要素が入り混じっている作品でした。
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駅のホームに君を見つけた。
僕が恋した18歳の姿のままで―
彼女が18歳に留まる原因を探るため奔走しながら、僕は高校時代を追想する。
ほろ苦い、“青春の空回り"を巧みに描いたミステリ長編
伏線の狙撃手・浅倉秋成初の文庫化作品!
印刷会社で営業職をつとめる僕は、通勤途中のホームで、同級生の姿を目撃する。
僕が恋した高校時代の姿のままで。
周囲は何ら不思議とは思わないようだが、未だ十八歳として高校に通っているという。
何故か僕だけが違和感を拭えない。
何が彼女をその姿に止めているのだろう? 最初の高校三年生の日々の中にその原因があるはず、そう推理した僕はあの頃を思い出しながら同級生たちや恩師のもとを訪ねる……。
いま注目の著者による、追憶と青春のミステリ、待望の文庫化。
解説/若林踏
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2019年(令和元年)に刊行された作品です。
いつもより遅めの通勤途中、僕は駅のホームで偶然、高校の同級生・二和美咲の姿を目撃した……他人の空似ではなく、18歳のままの彼女を、、、
誰も不思議に感じないようだが、彼女に恋していた僕だけが違和感を拭えない……彼女が18歳に留まる原因は最初の高校3年生の日日にある? 僕は友人や恩師を訪ね、調べ始めた。
注目の俊英が贈る、ファンタスティックな追憶のミステリ。
ファンタジーのような設定の中で、青春とミステリが交錯する物語……色んな要素が同居する中、間瀬と二和美咲の過去を辿りながら、青春の切なさ、儚さと成長の意味を考えさせられる作品でした、、、
終盤、伏線がしっかり回収され、事実が明らかになる展開が愉しめましたが、何だか物足りなさも感じました……決して面白くないわけではないし、読みやすい作品だと思うのですが、読み終えたあとに強く残る“何か”があるかと言われると、少し曖昧なまま終わってしまった感覚がありましたね、、、
自分自身が青春時代の気持ちを忘れつつあることが要因なのかもしれませんね……。 -
Posted by ブクログ
なるほど、なるほど。
こういう話なんだー!!
現実派のミステリーが好きなので、超能力は論外。でも浅倉さん気になる〜!って思って読み始め。ちゃんとルールがあるから頭の中を整理しながら読むことができた。ただ、ちょっと登場人物が多めで混乱!
スクールカースト。意識下においても無意識下においても、全人類避けられないこと。一体自分はどの立場から読むのだろうか。分かるような気もするし、分からないような気もする。大人になった今は明らかに『ひとりが大好き』笑 読者好きな人は絶対こっちがマジョリティな気がする。
でも、人は一人で生きていけないからね。
回収されなかった震えの声がたくさんあって。それはそうだよね。うん、生きてくってそういうウソの積み重ね。大事なウソ。