浅倉秋成のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
書店の店頭で大々的に紹介されており、就活×ミステリーの題材に惹かれて読んでみた。
著者とはちょうど同い年で、2011年の就活という設定に当時の記憶が呼び起こされた。
人気IT企業の最終選考に残った主人公は、"6人のなかで誰が内定者1名にふさわしいかを自分たちで決める"という、とんでもない状況に直面する。
これだけでも十分いたたまれない気持ちなのに、さらに最終選考が始まった直後、参加者全員に対する"告発文"が入った6つの封筒が会議室に現れ、にわかにデスゲームの様相を呈するので、いよいよ息が苦しい。
封筒が1つ開封されるたびに、1人また1人と再起不能のダメー -
Posted by ブクログ
とにかくヘンな小説を
そんな依頼に応えた短編5編
ジャーロ掲載作品
いずれも秀作で、ラストまで読むと奇妙な納得をする。
ここで崩されるのは常識ではなく良識ですね。むしろ彼らは、自分なりの常識を守ろうとするあまり、判断や倫理を切り崩していく。
その倒錯が、ブラックなナンセンスとなります。
⒈ そうだ、デスゲームを作ろう
冴えない男の発想がそのまま暴走する。
筒井康隆を思わせる、軽さと逸脱。
⒉ 行列のできるクロワッサン
行列という形式だけが肥大化。
小松左京「牛の首」を思い出した。
⒊ 花嫁は戻らない
原因を探した末に、結婚式そのものの異物感。
接点はないのだけど 裸の王様を思い出した -
Posted by ブクログ
どんでん返しと伏線の回収。
いかにも今どきの若い読者が好きそうな作品の構造と、就活という若者の興味を引くテーマ。
テクニックがあるとは思いましたが、そこまでしなくても…という気持ちにもなりました。
最終選考に残った大学生は、それぞれが長所も短所もあわせ持つ普通の若者たち。
しかし「就活」という、終わりの決められたレースを戦う中で、追い詰められていく。
六人が隠していた秘密は、秘密の重さは、一様ではない。
衝撃的な部分だけを切り取られて糾弾されても、普通なら反論可能だったろう。
キャバクラでバイトしているのを「ファミレスでバイトしています」というのは罪だろうか。
閉鎖的な空間の中で、どんどん -
Posted by ブクログ
スリル満点逃亡劇、無事完走。
「炎上」がテーマの作品ってことで
エンタメチックなストーリーになるんじゃてのと
炎上系は結構気分が落ち込むので
ちょっと避けてしまってたけど、
浅倉秋成さんなら絶対ただのエンタメではないよなと思って信じて読んだ……めちゃ面白かった……
タイトル通り、主人公の"俺"ではない事案がきっかけで起きた炎上と、ある事件。
巧妙に仕掛けられたトリックで全くの濡れ衣で事件の犯人と決めつけられて個人情報公開や付き纏いにあってしまって誰にも信じてもらえなくなった主人公が必死の逃亡を図るお話。
主人公視点だけではなくて、家族や刑事、炎上のきっかけとなった投稿を拡散 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今までとは違うどんでん返し
4人の視点で物語が進んでいくので、読みやすかった。
冒頭で出てくる青江さんが怪しさ満点で、どんなところに今後関わってくるのかな?と考えてしまった。笑
大学生のサクラが夏実であることがわかった時にはついつい前の夏実の章を読み返してしまった。
文章で読んでいると、太輔は仕事ができるはつらつとしたサラリーマンをイメージしてしまったが、
ネットにかなり疎いところなどから、もっと上のおじさんで、さらには子供の年齢と合っていないのではないか?と推測できたのに悔しい笑
夏実が早退するシーンで
学校の中にいる状態でクラスの子がTwitterの情報を知ることができるのか?
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Posted by ブクログ
ネタバレ不思議な短編集だった。世にも奇妙な物語のような世界観。もしくは長尺のお笑いコントを読んでいるような。どの物語も独特、奇妙、不条理、シュールといった単語が浮かぶ。
気に入ったのは「行列のできるクロワッサン」。その発想がすごいなぁと思った。パン屋の行列が東京から三重までの400kmにまで伸びるとは、、、
「完全なる命名」では名前を付けた度に起こる主人公脳内でのシュミレーションからの被害妄想。はちょっと違うけどブラマヨの漫才のようでもあるし、世にも奇妙な物語での映像が想像できる話だった。
是非著者の方にはコントを書いて欲しいなぁと思った1作。 -
Posted by ブクログ
「全員が仲のいい最高のクラス」で起きた連続自殺。主人公は、幼馴染みの同級生から信じがたい話を打ち明けられる。「自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」“他人を自殺させる力”を使った証明不可能な罪を暴いていくお話。
タイトルだけで手に取ってみましたが、思ったよりドロドロした感じはない青春ミステリーという感覚でした。「あ、こういう方向なんだ」と思う瞬間があるのですが、それと思春期特有の心の揺らぎが絶妙にマッチして一気に読み切りました。
設定が凝っているのでもう少し事細かに書いて欲しい気持ちもある一方で、最後の終わり方がすごく潔く、素敵で良かったという気持ちもあるんですよねぇ。