岩井圭也のレビュー一覧
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y yさんのレビューで、本書と『文身』の繋がりを教えていただき、なぬ?読まなくては!と思い手に取りました。
『文身』は私にとってはかなり衝撃的な物語でした。弟が書いた小説の内容を後から兄が経験する、そして経験した後に自分の私小説として兄が世に出す、それもその内容がもう‥‥。
その兄の娘が本書には登場します。やはり、小説家として。
主人公は遠野茉莉子という舞台女優。自分の中身は空っぽで演じることでしか生きることができないと思っている。その演じ方がストイック過ぎて、実際に経験したことでなければ演じられないという信条で、自ら辛い目に遭いにいく。
その狂気じみた行動が『文身』を彷彿とさせて、薄気味悪く -
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冒頭を読み始めたときは少し難しくて、最後まで読めるか不安になったのだけど、一章一章読み進めるうちにどっぷりと世界にはまって一気に読んだ。
天才が生きる上での生きづらさ、周りの理解や葛藤。そういった決して明るいだけではない道のりの先に先人の知識がある。そんな鬼気迫るまでの知への欲望が痛々しくも魅力的だった。
辛くとも自分の道を突き進むことで周りに希望を与える人っているんだな。と思った。
物語の中に度々登場する「如来」について、若干ファンタジーの要素はありつつ、案外人智を超えたひらめきというものは神がかり的なものなのかも知れないなとも思ったり。
とりあえず、読み切れてホッとしている(笑 -
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ネタバレ天才的な数学的才能を持つ暸司は、その才能で有名な大学の数学科へと進み飛び級卒業も認められ、助教につく。周りが彼に影響を受け、それぞれの人生を歩むため彼の目の前から去っていく中、逆に彼は孤独になり身動きが取れずアルコールにすがる生活に落ちていく。うまく生きることができない。正しさを重んじる教授と反りが合わず、精神を蝕まれていく。
クライマックスは涙が止まらない。どうして彼はこんなに不器用なんだろうかとか、みな悪意があるわけではないがすれ違い理解し合えず、生きるのが下手な彼は取り残されていく。
読むのがつらい。
熊沢が『ミツヤノート』の部分的解読の講演中、彼の精神と再会を果たす。目前に閃光が弾け -
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毎年この時期に戦争に纏わるものを読もうと思って2年目。今年は「最後の鑑定人」の岩井先生の著者を手に取ってみました。
太平洋戦争勃直前のサイパンを舞台にしたスパイものとのことで、スパイ映画的なモノ(前に読んだもので言うなら「破滅の王」なような)を勝手に想像してしまっていたのですが、主人公は元教師の温厚な人物で、こんな人がスパイなんて出来るのか?と首を傾げてしまいました。…が、見るからにスパイ!みたいなキレものっぽい人だと逆に諜報活動してもすぐにバレてしまうんですかね?自分が同じ立場になったらここまで立ち回れるか。四苦八苦しながら日本で待っている家族のために諜報活動を必死に続ける主人公の姿に心を -
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ネタバレ岩井先生のデビュー作であることで興味を持って読んでみた作品です!
私自身、数学はどちらかといえば得意ではなく、「数覚」とは無縁です。
それでもどのように、問題を証明するのかが気になり、最後まで問題なく読めました♪
※数式を使わずに、数学の物語を作れるのがすごい!
あの時、別の選択をしていたら、何かが変わったのだろうか…。
天才が故の三ツ谷の孤独は、計り知れない。後半は、見ているのも辛い部分も多かった。
この話から、答えの決まっている数学も美しい。
しかし、何よりも、答えのない問題に対して、仲間と共に互いに意見を出し合い、協力し、証明をしていた大学時代に3人で共同研究していた時代が1番 -
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ネタバレ作品としては,色々考えさせられる良い作品ではあったかもしれないけど、私は読後感が良いとは言えず…暸司を取り巻く人物に対して,嫌悪感が強く残って終わった。
数学の世界の厳しさは自分にはわからないし、嫉妬や羨望の思いがあるのもわかるけど、暸司がこの後,死んでしまう事がわかって読んでいるだけに、特に熊沢が、暸司にとっていた態度が、私の中では許せなすぎた。
あなたを数学の世界に再び戻してくれたのは、暸司だったんじゃないの?今あるのは暸司のお陰じゃないの?そんな思いのままのクライマックスだったので、熊沢が最後に暸司と繋がったかに思えた描写も、いやいや、自分は理解できたと思ってるかもしれないけど、暸司は -
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横浜中華街の名店「翠玉楼」を営む祖父に育てられたロンこと小柳龍一は高校のときに起こった事件を解決したことで〈山下町の名探偵〉というふたつ名を持つ(本人はダサくて嫌)。真面目に働くのが嫌で店を手伝いながら二十歳すぎまでブラブラしていたのだが、時代の流れで儲からなくなり、祖父が廃業を決め、将来のことを考えて始める。そんな時、高校の同級生の妹が、横浜駅西口のヨコ西というエリアで事故死。警察ももう追わない事件の真相を知る男を探して欲しいと人伝に頼みが来て…
といったふうに、身近なのに、結構ハードな事件を望まずに解いていくロン。「洋洋飯店」息子でロンと同じくフリーターの趙松雄、あることがきっかけ(ここが -
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数学の○○理論や○○予想はわからなくても
文学的な表現になっているので
読みやすく、どんどん本の世界に引き込まれた。
数学の天才、三ツ矢暸司は
大学でようやく話が通じる、同じ数の世界に生きる熊沢や佐那という仲間を得た。
しかし一人、また一人と自分の道を他に見つけて離れていく。そこには暸司への妬みなども絡んで、皆悪いやつではなく気持ちもわかるだけに
すごく切ない。
そして大学とはいえ
教育者としてはあり得ないくらい冷たい
平賀教授に証明の穴を指摘され
最後の頼みの熊沢にも目を逸らされ
暸司はアルコール依存に。。
天才がつぶれていく様子がなんとも痛ましい。
読むのが辛かった。
熊沢が暸司の残 -
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いままで読んできた戦争を題材にした小説は大抵読後に「戦争はよくない」と考えさせられるような、ある意味説教臭く重いものだったけど、この小説は登場人物の心象がリアルでやりとりのテンポもよく、たまたま時代背景が戦時中であったヒューマンドラマであるところがよかった。
いろんな立場の人にそれぞれの正義があって、そこから争いがおこるのはいつの時代どこでもそうなんだろうけど、それを戦禍の中で信じて貫こうとすることは命がけの覚悟が必要なんだろうなと考えたりした。
それでも生き続けようとすることの大事さを問いていたりするのに、その反面不条理なまでにあっさり命を落とす場面もあったり、これが戦争か…とも思ったり -
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ネタバレ数覚を持つ暸司は、新しい証明を発見するが、論文にする前になくなってしまう。大学の友人である熊沢は、圧倒的才能を見せつけられ、新しいアイディアを話そうとする暸司を冷たくあしらうようになり、留学してしまう。留学中に暸司の死の連絡を受けるが、研究が立て込んでいたこともあり、後に暸司の実家を訪れる。その際に、遺品であるアイディアを書きつけたノートを譲り受け、そこに書かれていた証明を完成させようとする。
もう一人の同級生であり、熊沢の元彼女であった佐那は、博士課程で工学部に進んだこともあり、二人と離れていっていたが、熊沢よりも暸司に何もできなかったことに心を痛めており、最後に証明のきっかけともなる人間関