岩井圭也のレビュー一覧
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「三人殺せば死刑になる」と無差別に通行人を刺した深瀬。
フリーの記者・安田は週刊誌から依頼を受け、その事件を追う。深瀬の同級生や担任、元恋人の取材を通じて次第に明らかになる過去。
他の媒体が深瀬を残虐な犯人と報じる中、元同僚は彼の印象が悪人とは違ったと語る。会社の不正を許せず上司に詰め寄った過去があり、周囲との衝突があったという。報道に違和感を抱いた元同級生もまた、深瀬の正義感めいた人間性や、父の借金で東大進学を諦めざるを得なかった過去を語る。
タイトルの「汽水域」とは淡水と海水の混ざる境界域を指す。我々もまた、ある種の汽水域に漂っているのではないか。自分が「正しい」と信じることが必ずしも -
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400ページ超えの大作だけれど、面白くて一気に読み終わってしまった!
昔TBSでやっていた、
ベンチャー企業をおこす若者たちについてのドラマ「ユニコーンに乗って」に
「半沢直樹」に出てくるような敵役を出している感じの作品。
ただ、主人公を末期がんのステージ4サバイバーにしたことで、
主人公の、仕事、ひいては生きることへの熱量が圧倒的でぐんぐん引き込まれた。
何もやりたいことがないけどただ起業したい、と思っていた学生が、
がんに打ち勝った経験から、
どんどん仲間を増やし、メンターに会い、でも次々に困難が降りかかって、、
まったく飽きずに読み進められた。
仕事へのやる気が湧いてくるような作品。 -
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y yさんのレビューで、本書と『文身』の繋がりを教えていただき、なぬ?読まなくては!と思い手に取りました。
『文身』は私にとってはかなり衝撃的な物語でした。弟が書いた小説の内容を後から兄が経験する、そして経験した後に自分の私小説として兄が世に出す、それもその内容がもう‥‥。
その兄の娘が本書には登場します。やはり、小説家として。
主人公は遠野茉莉子という舞台女優。自分の中身は空っぽで演じることでしか生きることができないと思っている。その演じ方がストイック過ぎて、実際に経験したことでなければ演じられないという信条で、自ら辛い目に遭いにいく。
その狂気じみた行動が『文身』を彷彿とさせて、薄気味悪く -
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冒頭を読み始めたときは少し難しくて、最後まで読めるか不安になったのだけど、一章一章読み進めるうちにどっぷりと世界にはまって一気に読んだ。
天才が生きる上での生きづらさ、周りの理解や葛藤。そういった決して明るいだけではない道のりの先に先人の知識がある。そんな鬼気迫るまでの知への欲望が痛々しくも魅力的だった。
辛くとも自分の道を突き進むことで周りに希望を与える人っているんだな。と思った。
物語の中に度々登場する「如来」について、若干ファンタジーの要素はありつつ、案外人智を超えたひらめきというものは神がかり的なものなのかも知れないなとも思ったり。
とりあえず、読み切れてホッとしている(笑 -
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毎年この時期に戦争に纏わるものを読もうと思って2年目。今年は「最後の鑑定人」の岩井先生の著者を手に取ってみました。
太平洋戦争勃直前のサイパンを舞台にしたスパイものとのことで、スパイ映画的なモノ(前に読んだもので言うなら「破滅の王」なような)を勝手に想像してしまっていたのですが、主人公は元教師の温厚な人物で、こんな人がスパイなんて出来るのか?と首を傾げてしまいました。…が、見るからにスパイ!みたいなキレものっぽい人だと逆に諜報活動してもすぐにバレてしまうんですかね?自分が同じ立場になったらここまで立ち回れるか。四苦八苦しながら日本で待っている家族のために諜報活動を必死に続ける主人公の姿に心を -
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横浜中華街の名店「翠玉楼」を営む祖父に育てられたロンこと小柳龍一は高校のときに起こった事件を解決したことで〈山下町の名探偵〉というふたつ名を持つ(本人はダサくて嫌)。真面目に働くのが嫌で店を手伝いながら二十歳すぎまでブラブラしていたのだが、時代の流れで儲からなくなり、祖父が廃業を決め、将来のことを考えて始める。そんな時、高校の同級生の妹が、横浜駅西口のヨコ西というエリアで事故死。警察ももう追わない事件の真相を知る男を探して欲しいと人伝に頼みが来て…
といったふうに、身近なのに、結構ハードな事件を望まずに解いていくロン。「洋洋飯店」息子でロンと同じくフリーターの趙松雄、あることがきっかけ(ここが