岩井圭也のレビュー一覧

  • 科捜研の砦

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    シリーズ2作目なので、続きかと思ったら、土門と尾藤が出逢って結婚した頃に遡った話。まあ、立場が科捜研と科警研の時代なので1作目の不自然さは逆にない感じ。で、結局別れた理由までは知らされず

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    2025年08月14日
  • プリズン・ドクター

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    刑務所内で働く医者。
    公私共に巻き起こる心の葛藤と成長が描かれている。
    認知症を患う母との関わり方や受刑者との関わり方。
    医師という立場を通して向き合うことで人と人の繋がりも生まれる。
    良本。
    決して他人事とは思えない、ともすれば自分も受刑者になってしまうかもしれない親の介護問題。
    理想と現実が違うからこそ苦しいんだよね。
    思い出がたくさんあるから、嫌いになれないんだよね。
    何かしらの気づきをこの本から貰える。

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    2025年08月14日
  • 科捜研の砦

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    ドラマ化もされた『最後の鑑定人』の続編・・というか、前日譚。

    凄腕鑑定人・土門誠がまだ科捜研(科学捜査研究所)に在籍していた頃のお話、連作四話が収録されております。

    あの土門さんの、科捜研時代のストーリーということで、第一話「罪の花」では、前作『最後の鑑定人』にもチラっと登場した科警研(科学警察研究所)の尾藤さんとの出会いが書かれているのも興味深いですね~。

    勿論、各話とも抜群の安定感で、遺体や現場に残されたほんの小さな違和感も見過ごさない土門さんのストイックな仕事ぶりがカッコよく、見事に事件を解決にもっていく展開にグイグイ惹きこまれて読みました。

    そんな真摯に真実を追い求める土門さん

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    2025年08月12日
  • 科捜研の砦

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    岩井圭也の科捜研の砦を読んだ。
    主人公の土門は科捜研の砦と呼ばれている。
    土門が解決できなければ誤った判断がされてしまうということだ。
    どんな些細なことも見逃さない。
    私にはとても考えられないような観察力だ。
    こういう仕事自体私には向いてないように思う。
    最後は、悲しい結果だが、少しストーリーに無理があるような気がした。
    科捜研も進化しているんだなと感心しながら読んだ。
    ドラマになりそうな内容だった。

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    2025年08月12日
  • 汽水域

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    サスペンスは苦手分野。
    でも、ブク友さん達のレビューを読んで
    「これはきっと読むべき」と感じて手に。

    皆さんも書かれているように、やはりレビューを書くのが難しい本だ。

    無差別連続殺人を廻り、様々な社会問題を盛り込んだ作品。
    中でも私はジャーナリズムのあり方について考えさせられた。

    ジャーナリストは傷ついた人々にマイクを向け、苦しみの中からでてきた声をあらゆる手段で加工して世にだす。それはやり方次第で傷口に塩を塗るような存在になり得る。
    それでも彼らは、社会のためにという使命感を持ち、誹謗中傷に堪えながらペンを握っていたのか…

    ワイドショーや週刊誌を開くと芸能人や政治家のゴシップや殺人事

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    2025年08月11日
  • 永遠についての証明

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    面白くてページを捲る手が止まらなかったけれど,何となく,色々な部分,側面が,美化されている気がしたから.特にクマの心情かな.

    それでも星4つなのんは,分野は違えど,同じ大学教員,研究者として,そうそう!と共感できること,そうか!とインスパイアされるところ,がたくさんあったから.

    「社会のためとか何とか言っても,結局,楽しいから数学をやっているだけだ」
    「今解けなくても,死ぬまでに何回もチャレンジすればいい.それに僕が解けなくても,他の誰かが解いてもいい.だからそもそも,問題を解くことに挫折はない」
    「目の裏で火花が散るような感覚.同時に視界のすべてがうっすらと光りはじめる.それまでわからな

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    2025年08月11日
  • 楽園の犬

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    文庫の新刊。戦争中の民間人を巻き込んだ情報戦を巡るミステリー。スパイ活動の標的にされ命を落としていく不条理を描く。南洋諸島が舞台になるのは新鮮。若手作家が戦争の記憶を繋いでくれることに感謝。

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    2025年08月10日
  • 中華街の子どもたち 横浜ネイバーズ(6)

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    ロンこと小柳龍一は悩んでいた。
    幼馴染みで自分と同じように、働く気も夢もなかったマツは料理人を目ざし、ヒナは大学生ながら起業に進もうとしているのに、自分は何も動いていない……そんな己を変えるため、ロンは裏社会にいると思われる母・南条不二子の捜索を決意する。
    だがそれは、これまでのトラブル解決とは桁が違う危険領域に踏み込んでいくことを意味していた……。
    現代を描き続ける大人気シリーズ、感動の第一シーズン完結!

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    2025年08月06日
  • 汽水域

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    亀戸で複数の死傷者を出した無差別殺傷事件が発生。犯人の深瀬という男は逮捕後、「死刑になりたかった」と供述している。事件記者の安田賢太郎は週刊誌での連載のため、深瀬とかかわりのある人物にインタビューし、彼について調べていく。しかし、安田の執筆した記事によって、深瀬の模倣犯が出現して…。ネット記事とか週刊誌とかあまり読まないのですが、記事を書くのにここまで信念を持ってやってる人もいるのかな。記事の見方(読み方)が少し変わる。

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    2025年08月02日
  • 横浜ネイバーズ

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    舞台が横浜中華街で、根っからのハマっ子である私は
    あれはあそこだな、これはここだなとニヤニヤしながら読んだ。
    かなり具体的に地名が出てくるので、土地勘があると主人公の「ロン」の動きがよくわかってより引き込まれる。

    自分の日常のそばで起きたかもしれない非日常、みたいな引き込まれ方。

    ハマっ子オススメの1冊です✨

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    2025年08月01日
  • 最後の鑑定人

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    短編が4つ
    ドラマと順番は違うけどタイトルは同じ。
    天才ゆえの変人、土門先生がかっこいい♡
    元妻からは「変態の所業」とまで言われてるけどね(笑)
    引き受けた鑑定に対してはとことん真面目に、責任と自信をもって調べ上げる。
    名言→
    「科学は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつだって人間です」
    「私たちは、白でも黒でもない。どこまでもグレーな存在です」
    「加害者にとっては過去かもしれない、もう終わった話かもしれない。しかしご遺族にとっては終わりなんてないんです」
    嘘を見破る訓練をする助手の高倉柊子さんもいい味出してる。
    全体的に面白かった。シリーズ化してるようなので他のも読んでみたいな。

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    2025年08月01日
  • 汽水域

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     亀戸で発生した無差別殺傷事件、犯人の深瀬は「死刑になりたかった」とその動機を語る…。事件のことを深堀するのは、事件記者の安田賢太郎…深瀬と関わりのあった関係者に取材を重ねるうちに、共感する気持ちが芽生えるようになり…。

     どんな過去があろうとも、犯罪によって何も関係のない人々の命が脅かされるのは、やっぱりあってはならないことです。事件記者の安田なんだけど、きっとあたたかい家庭への憧れがあったんでしょうね…。でも、そのとばっちりを受けるのは息子なんだから、ちょっとしっかりしてよ!って言いたくなりました。

     タイトルの「汽水域」、初めて知りました。淡水と海水が混じり合う場所らしいですね…。こ

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    2025年07月29日
  • 永遠についての証明

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    天才数学者と取り巻く人々の群像劇
    天才であるが故に社会とのつながりを数学のみでしか構築できない苦悩
    意思を引き継ぐ熊澤、斎藤のとの関係性が光る

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    2025年07月28日
  • 中華街の子どもたち 横浜ネイバーズ(6)

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    1巻から6巻まで一気読み。
    ハラハラドキドキするシーンや仲間たちの絆に胸アツなシーン。
    色んな意味で楽しめた作品でした。

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    2025年07月27日
  • 最後の鑑定人

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    面白かった。
    科学の目で見る事件。科学の力を利用しても結局は人の力。
    それでも科学は信ずるに足る。
    どう科学を利用するのか。
    て天才的な鑑定人だからこそ、またその科学の使い方をよく知るのかな。
    その科学を信じきれなかったとき、上手く使えなかった時に起きた悲劇。
    人を想うがゆえの悲劇。
    謎解き、技術、驚き。色々と詰まっていて面白かった。
    まさかあの二人がってのが一番の驚きでした。天才同士だから昔なじみなのかと思ってた。

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    2025年07月23日
  • この夜が明ければ

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    ネタバレ

    大学生のとき、いろいろなアルバイトをした。レストラン、水商売、弁当屋、清掃員、中元歳暮の百貨店、球場のビール売り…ただ季節季節に限り、住み込みでひと夏ひと冬で稼ぐようなアルバイトはした事が無かったなあ。海の家とかスキー場なんてのもそうかな。

    この小説の舞台は、漁業の季節バイトをしに北海道に集まった七人の男女が殺人事件に巻き込まれる話だ。

    ある日、リーダー格の男性が死体で発見される。当然警察へ通報する…はずが、一人を除き通報することを拒む…それは何故?
    その後、それぞれの視点で順次語られる警察に通報されるのは困る事情…物語はたった一夜のことだけなのが面白い。

    秘密のない人間なんて、きっとい

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    2025年07月23日
  • ディテクティブ・ハイ 横浜ネイバーズ(5)

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    〈山下町の名探偵〉と呼ばれるロンこと小柳龍一に、地元の先輩で神奈川県警捜査一課の刑事・欽ちゃんこと岩清水が頼みがあるという。
    欽ちゃんが警察官になるきっかけを作った先輩警官・須藤が殺されたのだ。
    「危ない橋を渡ってでも敵を討つ」と意気込む欽ちゃんにロンは協力を申し出るが……。

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    2025年07月19日
  • 付き添うひと

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    未成年者の事件の弁護を担う「付添人」の仕事をする弁護士のオボロ。
    問題を抱える少年少女を担当する彼自身もまた、少年時代に複雑な事情を抱えていた。
    様々な少年少女の付添人を務めるなかで、自身の過去とも向き合っていく連作短編集。

    未成年者の事件は弁護人と呼ばず付添人と呼ぶことを初めて知った。
    登場する少年少女の問題は様々であるが、子どもの権利や将来を第一に考え話を聞いたり環境の調整をしていて、まさに子どもの人生に「付き添うひと」なのだなと感じた。
    また今作では、各短編の子どもたちだけではなくオボロ自身の過去も物語の重要な要素になっている。
    子どもたちと関わるなかで自身の過去にも向き合っていくのが

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    2025年07月17日
  • 科捜研の砦

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    最後の鑑定人シリーズ、2作目。

    前作の前日譚。
    前作を読んで一番気になっていた人物の視点から物語が始まって、テンションが上がった。
    現在の土門を作り上げたのは何なのか。
    彼の過去を辿ることで、見えてくるものがあったので、この順番なのは◎。

    ありふれた事件だと思っていたら、わずかな痕跡から驚愕の真相が明らかになっていく様に、前作同様引き込まれた。

    特に「神は殺さない」。
    犯人は容易に想像できるので、そこに関しての驚きはなかったが、事件に関わる2人と犯人の心情を考えると、やるせない。
    土門の苦悩と決めゼリフの重みが一番感じられる事件だった。
    それまでに土門が関わってきた人たちが全員出てくる

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    2025年07月15日
  • 汽水域

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    犯行を決意した時、
    全てに失望し、家族とか仲間とか、社会とのつながりとか…そういうものとも切り離されてしまい。
    失うものがなく、
    その凶行を「やらない理由」がない、
    そう感じてしまったことが全ての引き金だったのか。

    終盤、
    誰かが自分を見ている。
    つらい時は自分を見てくれる誰かを頼れ
    絶対に1人じゃない
    そんな言葉が出てきて、
    自身が絶望した時にそう思えるかどうかってすごく大事で。
    それがもしかしたら犯罪に手を染める、染めないの境界で。汽水域のようにはっきりライン引きできないもやもやとしたところなんだろうな。

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    2025年07月12日