岩井圭也のレビュー一覧
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読むか受け流すか迷いましたが、素知らぬ顔ができないのが岩井圭也さんです。まぁ、設定・展開ともベタな「お仕事×青春」物語でしたが、やっぱり岩井さんは上手く引き込み、読ませます。
サバイバル=極限状態からの生存。本作では病気と仕事のダブルの危機があり、そこからどう未来を切り拓いていくかが読みどころになっています。
ダブル危機を乗り越える各段階で、そんな上手く行くかよーとツッコミを入れたくもなります。が、それらを差し引いても、無謀さが許される若さと仲間との信頼関係が眩しく、応援している自分がいました。
極限じゃなくても、困難な状況を打破するためのヒントも含まれている気がします。知識や技術 -
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毎年この時期に戦争に纏わるものを読もうと思って2年目。今年は「最後の鑑定人」の岩井先生の著者を手に取ってみました。
太平洋戦争勃直前のサイパンを舞台にしたスパイものとのことで、スパイ映画的なモノ(前に読んだもので言うなら「破滅の王」なような)を勝手に想像してしまっていたのですが、主人公は元教師の温厚な人物で、こんな人がスパイなんて出来るのか?と首を傾げてしまいました。…が、見るからにスパイ!みたいなキレものっぽい人だと逆に諜報活動してもすぐにバレてしまうんですかね?自分が同じ立場になったらここまで立ち回れるか。四苦八苦しながら日本で待っている家族のために諜報活動を必死に続ける主人公の姿に心を -
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古書店で0時から始まる6人の読書会。
この状況だけで十分魅力的ですが、古書店が深海という店名通りの静けさが漂うお店であり、読書会の参加者がほぼ初対面ではじまることで、より素敵な空間になっています。
読書会なるものの存在は知っていましたが、特に参加したいと思ったことはなく、ここで感想を綴っているだけでした。ただ、こんなに魅力的に描かれてしまうと、どうにも参加してみたくなってしまうものですね。
課題図書で、普段読まないジャンルにチャレンジする機会になるのも素敵に思いました。敬遠していたジャンルでも、ひとりでわからないなあと読むより、ひとと話すことで好きになるチャンスになり得ます。意見をぶつけ合うの -
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スタートアップ企業に派遣で赴いてる自分とってタイムリーな話だと思い、手にした小説でした。
「たとえ百敗しようが、一勝できればおれたちの勝ちだ」
このコタローの言葉。スタートアップ企業は特に資金調達が目まぐるしくあり、それは開発・人材と拡張していってるなかで、自分たちのサービスに的を得てくれるクライアントを待つのではなく自ら行動を起こすが、必ず当たるとは限らない。それを物語ってるように感じる。
コタローは、がんサバイバーだったし親の下請け・孫請の問題を見てきた人生。
その中で感じたことをアウトプットしたツール。
『不合理』や『理不尽』なことを改善し、世の中が人が回れるように働き方の理想的な形 -
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ネタバレ岩井先生のデビュー作であることで興味を持って読んでみた作品です!
私自身、数学はどちらかといえば得意ではなく、「数覚」とは無縁です。
それでもどのように、問題を証明するのかが気になり、最後まで問題なく読めました♪
※数式を使わずに、数学の物語を作れるのがすごい!
あの時、別の選択をしていたら、何かが変わったのだろうか…。
天才が故の三ツ谷の孤独は、計り知れない。後半は、見ているのも辛い部分も多かった。
この話から、答えの決まっている数学も美しい。
しかし、何よりも、答えのない問題に対して、仲間と共に互いに意見を出し合い、協力し、証明をしていた大学時代に3人で共同研究していた時代が1番 -
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ネタバレ作品としては,色々考えさせられる良い作品ではあったかもしれないけど、私は読後感が良いとは言えず…暸司を取り巻く人物に対して,嫌悪感が強く残って終わった。
数学の世界の厳しさは自分にはわからないし、嫉妬や羨望の思いがあるのもわかるけど、暸司がこの後,死んでしまう事がわかって読んでいるだけに、特に熊沢が、暸司にとっていた態度が、私の中では許せなすぎた。
あなたを数学の世界に再び戻してくれたのは、暸司だったんじゃないの?今あるのは暸司のお陰じゃないの?そんな思いのままのクライマックスだったので、熊沢が最後に暸司と繋がったかに思えた描写も、いやいや、自分は理解できたと思ってるかもしれないけど、暸司は -
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横浜中華街の名店「翠玉楼」を営む祖父に育てられたロンこと小柳龍一は高校のときに起こった事件を解決したことで〈山下町の名探偵〉というふたつ名を持つ(本人はダサくて嫌)。真面目に働くのが嫌で店を手伝いながら二十歳すぎまでブラブラしていたのだが、時代の流れで儲からなくなり、祖父が廃業を決め、将来のことを考えて始める。そんな時、高校の同級生の妹が、横浜駅西口のヨコ西というエリアで事故死。警察ももう追わない事件の真相を知る男を探して欲しいと人伝に頼みが来て…
といったふうに、身近なのに、結構ハードな事件を望まずに解いていくロン。「洋洋飯店」息子でロンと同じくフリーターの趙松雄、あることがきっかけ(ここが -
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数学の○○理論や○○予想はわからなくても
文学的な表現になっているので
読みやすく、どんどん本の世界に引き込まれた。
数学の天才、三ツ矢暸司は
大学でようやく話が通じる、同じ数の世界に生きる熊沢や佐那という仲間を得た。
しかし一人、また一人と自分の道を他に見つけて離れていく。そこには暸司への妬みなども絡んで、皆悪いやつではなく気持ちもわかるだけに
すごく切ない。
そして大学とはいえ
教育者としてはあり得ないくらい冷たい
平賀教授に証明の穴を指摘され
最後の頼みの熊沢にも目を逸らされ
暸司はアルコール依存に。。
天才がつぶれていく様子がなんとも痛ましい。
読むのが辛かった。
熊沢が暸司の残 -
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いままで読んできた戦争を題材にした小説は大抵読後に「戦争はよくない」と考えさせられるような、ある意味説教臭く重いものだったけど、この小説は登場人物の心象がリアルでやりとりのテンポもよく、たまたま時代背景が戦時中であったヒューマンドラマであるところがよかった。
いろんな立場の人にそれぞれの正義があって、そこから争いがおこるのはいつの時代どこでもそうなんだろうけど、それを戦禍の中で信じて貫こうとすることは命がけの覚悟が必要なんだろうなと考えたりした。
それでも生き続けようとすることの大事さを問いていたりするのに、その反面不条理なまでにあっさり命を落とす場面もあったり、これが戦争か…とも思ったり -
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ネタバレ数覚を持つ暸司は、新しい証明を発見するが、論文にする前になくなってしまう。大学の友人である熊沢は、圧倒的才能を見せつけられ、新しいアイディアを話そうとする暸司を冷たくあしらうようになり、留学してしまう。留学中に暸司の死の連絡を受けるが、研究が立て込んでいたこともあり、後に暸司の実家を訪れる。その際に、遺品であるアイディアを書きつけたノートを譲り受け、そこに書かれていた証明を完成させようとする。
もう一人の同級生であり、熊沢の元彼女であった佐那は、博士課程で工学部に進んだこともあり、二人と離れていっていたが、熊沢よりも暸司に何もできなかったことに心を痛めており、最後に証明のきっかけともなる人間関 -
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ドラマ化もされた『最後の鑑定人』の続編・・というか、前日譚。
凄腕鑑定人・土門誠がまだ科捜研(科学捜査研究所)に在籍していた頃のお話、連作四話が収録されております。
あの土門さんの、科捜研時代のストーリーということで、第一話「罪の花」では、前作『最後の鑑定人』にもチラっと登場した科警研(科学警察研究所)の尾藤さんとの出会いが書かれているのも興味深いですね~。
勿論、各話とも抜群の安定感で、遺体や現場に残されたほんの小さな違和感も見過ごさない土門さんのストイックな仕事ぶりがカッコよく、見事に事件を解決にもっていく展開にグイグイ惹きこまれて読みました。
そんな真摯に真実を追い求める土門さん -
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サスペンスは苦手分野。
でも、ブク友さん達のレビューを読んで
「これはきっと読むべき」と感じて手に。
皆さんも書かれているように、やはりレビューを書くのが難しい本だ。
無差別連続殺人を廻り、様々な社会問題を盛り込んだ作品。
中でも私はジャーナリズムのあり方について考えさせられた。
ジャーナリストは傷ついた人々にマイクを向け、苦しみの中からでてきた声をあらゆる手段で加工して世にだす。それはやり方次第で傷口に塩を塗るような存在になり得る。
それでも彼らは、社会のためにという使命感を持ち、誹謗中傷に堪えながらペンを握っていたのか…
ワイドショーや週刊誌を開くと芸能人や政治家のゴシップや殺人事 -
Posted by ブクログ
面白くてページを捲る手が止まらなかったけれど,何となく,色々な部分,側面が,美化されている気がしたから.特にクマの心情かな.
それでも星4つなのんは,分野は違えど,同じ大学教員,研究者として,そうそう!と共感できること,そうか!とインスパイアされるところ,がたくさんあったから.
「社会のためとか何とか言っても,結局,楽しいから数学をやっているだけだ」
「今解けなくても,死ぬまでに何回もチャレンジすればいい.それに僕が解けなくても,他の誰かが解いてもいい.だからそもそも,問題を解くことに挫折はない」
「目の裏で火花が散るような感覚.同時に視界のすべてがうっすらと光りはじめる.それまでわからな