あらすじ
人生は簡単じゃない。でも、後悔できるのは、自分で決断した人だけだ。
古書店で開かれる深夜の読書会で、男女6名の運命が動きだす。
直木賞(2024年上半期)候補、最注目作家が贈る「読書へのラブレター」!
一冊の本が、人生を変える勇気をくれた。珠玉の連作短編集!
【目次】
真昼の子
いちばんやさしいけもの
隠花
雪、解けず
トランスルーセント
夜更けより静かな場所
【あらすじ】
大学三年生の吉乃は夏休みのある日、伯父が営む古書店を訪れた。「何か、私に合う一冊を」吉乃のリクエストに伯父は、愛と人生を描いた長編海外小説を薦める。あまりの分厚さに気乗りしない吉乃だったが、試しに読み始めると、抱えている「悩み」に通じるものを感じ、ページをめくる手が止まらず、寝食も忘れて物語に没頭する。そして読了後、「誰かにこの想いを語りたい」と、古書店で深夜に開かれた、不思議な読書会に参加するのだった……。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
古書店〈深海〉で夜な夜な開かれる“読書会“。そのメンバーが、読書を通じて自分の人生を前に進めていく姿が静かに、また力強く描かれていました。とくに主人公の吉乃ちゃんの成長は、最後に小気味の良さもあり、清々しいものでした。
同じ本を読んでも、人それぞれ感想も、ハッとするフレーズも違いますよね。こちらを読んで、共感だけじゃなく、そういう読み方があるんだという気づきを得てみたいと思うようになりました。
子どもの頃は課題図書も読書感想文も避けまくっていたけれど笑、“おとなの課題図書“なんて絶対面白い!
うまく話せる自信はないけど、私も“読書会“に参加してみたくなりました。
間違いなく、今年読んだ本の中でもすごく良かったなと思える一冊です。
Posted by ブクログ
読書会で繋がる6人
それぞれ色々抱えているものがあるが、読書会を通じて新たなことを知ったり学んだりして静かに物語が進んでいく
まさしくこのタイトル通りの本だった
本に救われ本に生かされることはある
私もたくさん読んで人生で大切なことを見つけて宝物の本を探す旅に出たいと思う
Posted by ブクログ
とても良い本に巡り合いました
且つこの本の主題は本です
深夜の読書会に参加するバラバラのメンバーを古本屋店主と本が繋ぐ
読書の時間と自分の感性をもっと大切にしよう、もっと一冊一冊と向き合う時を大切にしようと心に誓ったのでした
他の岩井作品も手に取ってみよう
Posted by ブクログ
改めて、本を読むっていいな。
同じコンテンツを自分で感じて、それを共有して、みんなそれぞれの境遇に合わせて感想が捻れて、脚色されて。
でもそれが作品を楽しむということですよね。
読んで終わりじゃなくて、誰かと話したくなる。
そこに読書の楽しさがある気がします。
Posted by ブクログ
読書という身近なテーマの物語。読書会という場に集まる六人の悩み葛藤が章毎に打ち明けられる。特にすごい悩みという訳でもなく一般的なよくあるものに感じる。
でもそれがすごくよく分かる。
いちばんやさしいけもの
夢は消えても人生はまだ始まってもいない。能力ってなんだろう。それだけがその人じゃない。一部だけなんだ。
夜更けよりも静かな場所
生活していて遭遇するのは答えのない問いばかりだ。同じ様な悩みはよくある。考えてもしょうがないのに長時間沈んでしまうこともある。
人生、選択となりゆきで進んで行く。やりたいことは思い通りに出来ないが、少しはすり合わせて妥協していけばマシになってくか。
終わり方は綺麗過ぎな気はしたが、好きだな。
翻訳本に少し興味が湧いた。
Posted by ブクログ
それぞれの日常にそれぞれの本や絵本、楽譜など活字を掛けた斬新な一冊だった。ラストの章は衝撃だったが、読み込みのある本だった。人生観を考える機会をくれる一冊です
Posted by ブクログ
読書家必読の一冊ではないでしょうか。
一冊の本の中で行われる読書会の様子を想像しながら読むと、
【本の中で本を読んでいる】
という不思議な感覚に陥る。まずその読書体験が味わえる点ですごく面白いし楽しい本。
連作小説形式となっていて、主要な6人の登場人物の人物像やエピソードが、それぞれの読書会の課題図書6冊に絡めて綺麗に収められている。
一人ひとりの性格や価値観の違いを強く感じる。
中性的な人・激しめな人・おっとりした人・冷静な人・淡白な人・不思議な人。
そのキャラクターは読者の想像力を掻き立てるとともに、感情に揺さぶりをかけてくる。
読書の没入感を演出するに足る素晴らしい表現と設定。
物語世界の中の登場人物たちは、
《独特な関係》を切り結ぶ。
《付かず離れずで、互いのテリトリーや生活に深入りはしすぎない、が読書会では本音で感想を熱く語り合う、不思議な関係》
そういう人間関係の設定が本書の世界観を支えているように感じる。
例によって登場人物それぞれが後悔や葛藤や悩みを抱えている。
読書会を経た彼らは、気付きや心の変化を実感するが、
【決断や選択をしながらも不安や迷いを拭い去れず】
に前に進んでいく。
それはあまりに現実的だが、むしろそれがいい。
飾られた物語チックなコテコテの小説ではなく、不思議な関係の中に妙な人間と社会のリアルさが埋め込まれている。
そういう小説はいい、と僕は思う。
いやがうえにも時間は進んでいく。人生苦しいことや辛いことばかりだと感じる。
でもきっと、
【誰もが〈自分にしかない強さ〉を持ってる】
【「夜更けより静かな場所」は誰にでもある】
そう信じる力をくれた。
偶然であり必然である人生を噛み締めること、なりゆきと決断で生きていくことに共感した。
だって僕も、こうやって今、「生きている」から。
Posted by ブクログ
〈深海〉という名の古書店で開催される深夜の読書会。そこで出会う1冊の本を通して、登場人物たちが自分の生き方を見つめ直していく。それは小さな一歩かもしれない。けれど“自分で決める”というのは大きな覚悟が必要で、だからこそ決別できたり後悔したり、前を向くことができる。
心に寄り添っている大切な本がわたしにもある。これからも読書をする中で、そんな本たちとの出会いがあると思うと楽しみだ。
読書会というものにわたしは参加したことがないけれど、“共感だけが読書の感想じゃない”というのが良かった。物語の登場人物に共感ができなくたって、その物語がおもしろいということはあるし、感想は読む人の数だけあっていいんだ。
Posted by ブクログ
読後の余韻がとてもここちよい良作。
もしかしたら、音楽関連話への導入に使っただけなのかもだけど、買取を依頼した感じの悪い女性がどうなったのか、気になった。
Posted by ブクログ
まだ途中ですが、「隠花」の「血縁」という詩について語り合うところで、詩を聴いて涙が止まらなかった
鬱気味の夫をもつ自分と重ね、あぁ、ほんとうにそんなことができたらいいのになって
夫の親戚にも鬱の人がいるため家系だからと定めのように受け入れており、メンタルが落ちているときは私には分からないと完全に切り離されることもある
よしのちゃんが言うように、夫婦は血の繋がりがないので家族と言えど結局は他人
ゾンビになったら職業や見た目の違いや偏見に悩むこともなくなるし、わたしのポジティブな考え方も少しは分け与えられるかもしれない
人間として生きることに疲れている夫はきっとゾンビになることを望むだろう
それなら私は喜んで夫に噛みつきたい
作者にも私のように、守りたい「悩んでいる誰か」がいるのだろうと考えながら聴いていました
遠藤さんの「読み返すたびに新しい発見がある」「年齢とか、置かれてる状況によって感じ方が全然違ってくる」という言葉はほんとにそうだと実感しているので、いつか、またこの詩を読んだときは今とは違う明るい捉え方ができているといいな、
わたしもそれを楽しみにしようと思いました
Posted by ブクログ
古書店「深海」で深夜に開催される6人の読書会。読書家ならとっても気になりますよね。
私は読書会というものに興味はあるけれど一度も参加した事がありません。
でもこれを読んだら参加してみたくなりました。
同じ本を読んでも感想は人それぞれ。どれが正解なんてない。読む時の年齢や抱えている物が異なれば同じ人間でもその本から感じる物は変わっていく。
年齢も性別も異なる6人が毎回1冊の本を通して自分の思う事をぶつけて行く様子は羨ましい。
また、皆に是非読んで欲しいと思える本に出会える事はとても幸せな事だと思う。例え自分と同じように感動してもらえなくても、自分では気付かなかった事を教えてもらえるなんてとても素敵な事。
それぞれが選んだ課題図書にも興味惹かれたけれど実在する本ではなかったのが残念。そして何より最後の課題図書『夜更けより静かな場所』には驚きと切なさで胸がいっぱいになりました。
やっぱり本で素晴らしい。これまでも、そしてこれからも私にはなくてはならない物です。
Posted by ブクログ
1冊読んだだけなのに計7冊分の物語を一気に堪能した。
この作品のためにあと6つの物語を用意するなんてなんて贅沢な才能の使い方なのだろう。
こんなにたくさんの話が交錯しているのに、内容がごちゃごちゃにならずに静かに物語が進んでいくのが本当に素晴らしい。
「夜更けより静かな場所」は全編読んでみたい。
きっとそのうち発表してくれるのではないかと少し期待している。
Posted by ブクログ
あんまり、期待してなかったが、意外と良作でした。
俺自身にちょっと刺さった部分がありましたね。
本好きながら読書会なんて一度も行ったことがないから、こんな読書会なら参加してみたいです。
トランスルーセントみたいな読書会があってもいい。
ラストは予想できなかった。
25/09/09 37作目
Posted by ブクログ
面白くて読む手が止まらなかった。
原田ひ香さんの「古本食堂」のような、青山美智子さんの「お探し物は図書室」までのような。
読書会も面白そうだなー。
Posted by ブクログ
深夜の読者会。魅力的な響き。
こういう場があると絶対自分では選ばないような本との出会いがあって、新しい世界を見させてくれるんだろうなと思うんだけど、実際はハードルが高そう…
物語自体は大小の起伏はありつつも、読者側としては水底をゆらゆら漂って、登場人物達の前向きな選択を静かに眺めているような、そんな気分にさせてくれる。
ちょうど今ぐらいの秋冬の季節にぴったりの哀愁を味わいたい方のための本だと感じた。
Posted by ブクログ
夜更けより静かな場所は古書店の深海であった。
深夜から開催される読書会。
参加者は年齢も性別も境遇もばらばら。
課題図書に対して自由に意見を言える場所。
章毎にそれぞれなぜ深海に通うようになったか描かれており、
大学教授との関係性、
スポーツ推薦で入った野球部の話、
司書の仕事の話、
プロをめざすはずだっあバイオリン人生など
置かれた状況は様々だが、
深海を居場所として必要としており、
店主も受け止めてくれるその場がうらやましかった。
何も告げずに亡くなった店主の自伝で店を受け継いだのも読書会の参加者と同じく居場所となっていたからだと伝わってきて、本を通して前に進んでいく様子には力をもらえた
Posted by ブクログ
読書がしたくなる本だった。
古本屋と古書店、この本のなかでは2種類の言葉が出てくるけど、受ける印象が全然違って、
古書店の方が暗い静かな場所を想像させる。
学校は同じ場所で同じ仲間で同じことをするところだけど、大人の世界は、一人一人それぞれ違うし、感想もそれぞれ。私も登場人物たちの読書会に参加したいと思った。
Posted by ブクログ
読書の話 だったので興味深く。
自分が読んで面白かった、と思った本を人にすすめるのって少しドキドキする。
私が感じた面白さをわかってもらえるか、面白いと思ってもらえるか。
これって、なかなか深いんじゃないかなと思う。
読書会というものに、すごく興味が出てネットで調べてみたけど なんだかあまり良い検索結果が出なかった。
誰かと感想を語り合うって確かに楽しいだろうなと思う。ぁーそういう捉え方もあるんだなと気付けたり、そこに響くんだと その人の感性に触れたり。
評価がまったく違う人とは、一緒に居ても色んな感覚が合わないものなんだろうか。
そういった事も知ってみたい。
あと、自分では決して選ばないであろう本を読むキッカケになるのは楽しいことだと思う。
私も本に好みがあって、本というか文章というか…色んな本を読んでみたいと思うけど、膨大な数の本から選ぶってかなり難関で。どうしても棚で目立つ本だとか、話題になってるもの、ポップが付いてるものを手にとってしまいがちだけど、もっともっとそんなに目立ってなくても面白い本は沢山あるだろうし。
やっぱりすすめて貰えると有難いなって思う。
最近はAIに、私の読書傾向を伝えてオススメしてもらっている。
AIっていいね。
Posted by ブクログ
深夜の読書会が楽しそうで、実際にあったら参加してみたいと思った。
誰もが無意識に自分の人生というフィルターを通して本を読んでいるので、同じものを読んでも感じ方がそれぞれ違うのが面白い。
叔父さんが言っていたように、登場人物に共感しなくてもいいし、本の楽しみ方は人の数だけあっていいと気付かされた。
Posted by ブクログ
人生は選択の連続。
6人の登場人物は、それぞれにとって重大な選択をし、その結果である今の自分を受け入れて、前向きに人生を歩んでる。
構成は見たことあるようなものだったけど、内容は良かった。
最後の重大な選択は、後悔の無いものとなりますように。
Posted by ブクログ
こんな読書会なら参加してみたいけれど 思ってことを話していくと自分のこれまでの生き方をさらけ出さないといけなくなるような気がする
むしろさらけ出さないと差し障りのない内容しか話せないのかもしれない
Posted by ブクログ
オーディブルで聴き終えました。読み終えて少し内容を静かに思い返してしまう。本のタイトルの様に静かに穏やかな気持ちになる本でした。色んな登場人物と作中の本により登場人物の数以上に様々なストーリーを聴くことが出来ました。紹介される本も勿論、本屋さんが主な場所で展開されていき、本って良いなぁと思うのと、本屋で静かに本に没頭できることの良さについて想いを馳せることが出来ました。
Posted by ブクログ
古書店で0時から始まる6人の読書会。
この状況だけで十分魅力的ですが、古書店が深海という店名通りの静けさが漂うお店であり、読書会の参加者がほぼ初対面ではじまることで、より素敵な空間になっています。
読書会なるものの存在は知っていましたが、特に参加したいと思ったことはなく、ここで感想を綴っているだけでした。ただ、こんなに魅力的に描かれてしまうと、どうにも参加してみたくなってしまうものですね。
課題図書で、普段読まないジャンルにチャレンジする機会になるのも素敵に思いました。敬遠していたジャンルでも、ひとりでわからないなあと読むより、ひとと話すことで好きになるチャンスになり得ます。意見をぶつけ合うのではなく、そんな意見もあるのかと受容しあうような、ゆるい感じの読書会に参加してみたいです。
Posted by ブクログ
「課題図書は、おのおのの人生だ。」
「誰もが、選択と偶然の連続を生きている。」
「選択と偶然の連続」が人生ならばそれを課題図書とする読書会は「生きる」そのものなのではないかと思った。
こんな読書会あったら面白いね。
Posted by ブクログ
何と言う幸せな読書会の記録なのだろう。
私には読書会の経験はないけれども、観た映画の感想を語り合うサークルの経験はある。約15年間毎月ほぼ欠かさず隣の市まで約三時間の語り合いのためだけに出かけた。コロナ禍からはリモートに切り替わり、今自然消滅の危機に瀕している。
映画サークルと読書会は共通点が幾つもあった。私たちは課題作品を3つ決めていたけど、その作品を観る(読む)事に関してのみ、私たちは繋がっていた。たとえ、3,4言で言葉が詰まっても、20分間延々語っても、私たちは相手を否定しない、尊重するという点で同じ所に立っていた。
メンバーは職業も年齢も性別も違う。共通点は映画を観る(本を読む)という1点だけ。だからこそ、思いもかけない感想を聞くことができる。学ぶことは多かった。
遠藤さんの古書店読書会は、小説だからそうなったという野暮は承知で、理想的な人選だったと思う。読書経験と人生経験が全部バラバラ、でもメンバーは必ず次も参加したいと思っているし、実際一人も欠かさず参加している。こんなことはなかなか起こらない。1年間5回の開催という頻度も、丁度いい。
翻訳長編とか、絵本とか、詩集とか、時代小説とか、楽曲とか、こんなの成立するの?というモノもあるけど、案外成立するもんです。ちょっとやってみたい気もした。因みに時代小説のタネ本は藤沢周平「漆の実のみのる国」だと思う。あれを反転させてみたのだ。あくまで私の解釈です(^^;)。
「答えの出ない問いを考えるのが、僕は無駄だとは考えない。むしろ、生活していると、答えの出ない問いばかりだ。(略)答えの出ない問いと折り合いをつけるのは、悩み続ける他はない」
ひとつ残念だったのは、遠藤さんにとってこれは2回目の読書会だったはずだ。1回目のメンバーや課題がどうだったのか、ついに語られなかった。ちょっと知りたかった。
audibleで聴終。
Posted by ブクログ
どの本も良さげ。読んでみたい。
読書会なんて、高校のとき以来やってないなー。
全体的にはいい本。
人生いろいろなお話だったけれど、何かもうひとつインパクトが欲しかったような。
一人の人生を語るだけだって大変なはずだから、そんな何人もを扱うってなったら「あらすじだけ」って感じよね。
ひとりひとりの個性がいまいち見えてこなかったのが、感情移入ができないとかといった点でも、残念に感じた。
Posted by ブクログ
ロバのような顔のおじさん。本好きの遠藤よしの。古本屋の店主。読書会。おじさんが書いた自伝。
この本には「別に世の中の人にすごいねって言われなくてもいいじゃないか」というメッセージが込められている気がした。幸せな家庭を持つことや、お金があること、素敵な仕事に就くこと、周りから「成功者」と思われること。それらを持っていなくても、自分が満たされていればそれでいい。守るべきものは体裁じゃない。
読書に逃げてもいいし、それは逃げではなく、自分を生かす時間でもある。本の中に出てくる人たちはみんなやりたいことをやって、でも挫折もして、続けられないこともある。けれど流れに逆らわず、なるようになる。野球、結婚生活、仕事。やりたいことを続けるのも、親や親戚や友達の願う気持ちと違う方向に進むのも、逆に辞められないのも、全部「仕方ない」こと。時には周りを傷つけてしまうこともあるけれど、それも含めて生きている証。正解なんてない。世の中で「日の当たる場所」と思われているところだけが全てじゃない、とふんわり気づかせてくれる本だった。
夜中の読書会も印象的だった。誰も嫌々参加していないのがいい。一冊の本を読み終わったあと、誰かと語りたくなる瞬間がある。それを叶えてくれる場所があるって幸せだ。どんな感想も受け入れてくれる仲間がいるのは楽しいし、ありがたい。面白くなかった、とは誰も言わない。
バイオリンの演奏を聴いたときも同じだった。正直わからなかったけれど、「すごかった」と感じた。その感想を、演奏者は受け入れていた。それでいい。
なんだかわからないけど面白い。その感覚を持てることも大事だと思う。意味や利益だけじゃなく、「よくわからないけれど心に残る」という体験があってもいい。
Posted by ブクログ
「深海」という名前の古書店で深夜に行われる、少人数の読書会。
参加者がそれぞれの感想や考えを語り合うような読書会で、本当にフラットに(共感を強いられたりマウンティングに巻き込まれることなく…)話をすることは可能なのだろうか?と思ってしまう猜疑心の強い私だけれど、本書で描かれるような雰囲気の読書会ならばぜひ参加してみたいなと思ったし、本を読むことが好きな人に刺さる物語だと思った。
Posted by ブクログ
とある読書会で、この本を読書好きな方に手渡してしまったので記憶だけで書きます。
この本は、就活を控えたひとりの大学生の行動がきっかけで、深夜の古本屋さんで男女6人が読書会を始めていく。という話です。
本の中でも特に心に響いたのは、やはり最後の店主の話。
一冊の本に込めた思いだったり、その本から読み取った「私たちが本を読む理由」だったりの話に、自分自身はっとさせられました。もっと具体的に言いたいけどネタバレになるので、気になった方は読んでみてください。
読書好きな方、読書会に参加してみたいけど踏み出せていない方など、幅広い方におすすめできる1冊です。