岩井圭也のレビュー一覧
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自分の好きにまっすぐに向き合うこと、その言葉だけを見ると美しく潔い。
けれど、人にはいろんなしがらみや、プライドなんかの煩わしいものがあって、そうしたくてもできる人とできない人がいる。
この作品はそれができる人とできない人の友情の物語。
こんな言い方をするとできる人が優秀で、できない人がそうではないみたいだけど、そうではない。
まっすぐすぎて不器用で、しがらみやプライドがあるからこそ上手く立ち回れる。
同じ数学という分野に挑む過程で芽生えた友情、それが辿る軌跡の物語。
才能というのは純粋で美しい、だけどそれだけに脆く危うい。
切なさがいつまでも残る作品。
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これが岩井さんのデビュー作だったとは、、!
なんかめっちゃ良かった。
なぜだか 気がつけば涙がぼろぼろ。
数学にひたむきに向き合った青年の 脆くも美しい物語。
圧倒的な数学の才能に恵まれた瞭司は 数学科のある大学へ特別推薦で入学する。
そこで同じく特別推薦で入学した熊沢と佐那の3人で 教授である小沼のもと 日々数学に打ちこむ幸せな時を過ごしていた。
だが、あまりに卓越した瞭司の才能は やがて人間関係を歪まし 自分をも壊していく。
天才って孤独なものなのかも知れないな。
1人取り残されるって ほんとに寂しいと思う。
瞭司の変わりゆく姿に胸がギュッとなる。
ただただ同じ夢を追いかけたいだけ -
Posted by ブクログ
すっごい夢中になって2回で読んでしまった
数学の理論は理解できなくても読むのに問題ありません。
自分もこんな風に没頭したい!っていうのとか、暸司やクマはいわゆる「陽キャ」では全くないけどその青春劇、ネガティブすぎずポジティブすぎないちょうどいい温度感なのが良かった
でも天才が天才であるがゆえに孤独で堕ちていくっていうのがストーリーとして普通すぎるのでちょっと残念だった
ピンクとグレー にも似てる
てか瞭司はめちゃくちゃ純粋ですよね
後半、みんなに冷たくされても怒ったりしないし、シンプルに生きてる感じがした(その末路があれなのは辛いけど…)
最後の森見登美彦さんの解説で、
後半にかけて -
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アンソロジーなので評価は付けにくかったけど、総合で★5。世間のお父さん、お母さんの苦労というか哀愁を感じられた。親になれなかった自分には分からないものが伝わる。
子育ての大変さとその成長の喜びの経験ができなかったのを自分の選択とは言え後悔がないとは言えない。やはり良いものなんだろう、と言ってしまうと世間様から簡単に言ってくれるなと非難を浴びるんだろうな。
それでもこの作品達からはそう羨ましく思わされるものがあった。
髪を結ぶ、そういう家族がそこにある、この2作品が特に良かった。その分少し落ち込むかな。
でも良いアンソロジーでした。初読みの作家さんにも出会えたしね。 -
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コラッツ予想という問題がある。どんな正整数も、偶数なら2で割り、奇数なら3倍して1を足す操作を繰り返せば、必ず1に到達する——ただし、それを証明した者はいまだにいない。本書はその証明をめぐる物語だ。
圧倒的な才能を持つ高校生・瞭司は、真理に触れる瞬間の恍惚を知っている。しかしその美しさは同時に、彼がいかに孤独かを照らし出す。天才の光は、栄光だけではなく周囲との距離も生む。瞭司に引き寄せられ、翻弄される人々の群像を通じて、一つの才能が場に生じさせる磁力と波紋が丁寧に描かれる。
数学的真理は永遠に正しく、美しく、そして冷たい。誰かのものにはなれない。そんな真理を覗きたくなる知的好奇心を刺激する -
Posted by ブクログ
最近読んだ「真珠配列」と打って変わって、清々しい青春小説で夢に向かって悩む主人公を応援せざるを得ない、素敵な作品でした。
本作の主人公は自身の肖像画を描くアートスタイルの美大生。肖像画制作を通し自身の内面を見つめていた主人公は、ある日教授の推薦で、事故で亡くなった先輩の肖像画を描くことになる。その先輩は、どうして亡くなったのかを探る中で、美大生としてのあり方を見つめ直すというお話。
本作は、①肖像画の完成、②音信不通の恋人との和解という2軸で進むのですが、その2つの主軸どちらにおいてもクリエイターゆえの葛藤が描写されます。この葛藤を経ることによって、恋人への理解と亡くなった方への理解が深ま