岩井圭也のレビュー一覧
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ずっと読んでみたかった本。
図書で予約して半年程待ち、やっと回ってきた。
概略☆いま最も熱い著者の最高傑作!
世の中が戦争に突き進もうとするとき、人はどこまで自分でいられるだろうか。
感想☆なんとも戦争と聞くと、内容も重いのかと。犬はどこで出てくるのか。
太平洋戦争前。スパイ。職業元女学校英語教員。
海軍少佐のもとで、スパイ(犬)の役目として海洋庁庶務係としてサイパン諸島に送られる。
M:Iの映画のような。
何度となく、任務を遂行すること主人公。
人の命に関わる難事を解決する。
優しい心ある先生が、ここまでスパイ行為をする理由も家族のため、病気で療養する目的ではあった。
外国から来るスパイ -
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自らも少年のころに罪を犯してしまった過去がある弁護士が、少年の弁護士にあたる「付添人」として、子どもたちに寄り添い支えていくエピソードをつづった物語。
私は子どもの声を聴く傾聴ボランティアを長くやっていて、子どもに心の内を話してもらうことの難しさをずっと考えながらやってきてるんだけど、「なんでも話して」なんて言ったって、その相手を信用できなければ自分の本当の気持ちなんて話せないと思うのね。
主人公の朧太一が言う「ここは安全です。落ち着いて話してください」っていうひとことをどれだけ責任をもっていえるか。そういった言葉たちをいくつもかみしめながら読んだ。
エピソードと並行して主人公自身の心の -
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「君は米英と開戦すべきだと思うか?」
横浜で英語教師をしていた麻田健吾は、持病の喘息で休職を余儀なくされていたが、友人の伝手で南洋群島のサイパンに赴任することに。温暖な気候の方が喘息症状は緩和するという話を信じて赴任を決意する麻田。そこでの任務は表向きは南洋庁の職員だが、実際は海軍在勤武官補•堂本頼三の“犬”として、情報を集めると同時に、島に潜むスパイを排除する防諜(スパイ)活動だった…
太平洋戦争の開戦前夜、南洋の楽園•サイパンを舞台に繰り広げられるスパイ小説×歴史ミステリ。グアム•サイパンと言えば(私は一度も行ったことないけど)、南の島のリゾート地のイメージが強かったが、その裏にはこん -
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またまた岩井さんにやられました!
この前読んだ『水よ踊れ』
読む手が止まりませんでした
気づけば一気に読み
そして思いました、
「あぁ、すごい!」と
そのときの感覚が再びやって来ました
この『文身』で
気づけばまた一気に読み
そして今度は、
「あぁ、すごい!」じゃない
「あぁぁぁぁぁぁ、すごい!」だ
「あぁぁぁぁぁぁ、すごい!」のこの気持ちをレビューに書こうとチャレンジするも…
「あぁぁぁぁぁぁ、ダメだ!」
書けない!
この凄さが書けない!
ま、いいっか
書くのを諦めました
「あぁぁぁぁぁぁ、すごい!」
もうこれだけでこの作品の凄さを感じ取ってください!
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岩井圭也さん、少しずつ読み進めています(^^)
こちらは岩井さんの中でも
私には結構心が揺さぶられた一冊でした。
オボロ(朧太一)という付添人の話です。
付添人という制度をこの本で初めて知りました。
『家庭裁判所で審判を受ける少年の権利を擁護・代弁し、少年審判の手続きや処遇の決定が適正に行われるよう裁判所に協力する人』
大人の場合は弁護人といい、
未成年を担当する場合は付添人と呼ぶそうです
作品は5つの短編からなっています
どの話も子供の気持ちを考えると胸が痛く
親として読むとさらに辛い一冊でした。
いろいろな親が出てきます
支配する親、見放す親、諦める親、見ないふり -
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ネタバレ岩井圭也の短編集は初めてじゃないかな?上手い長編小説を書く作家さんと思っていたが、短編もなかなか読ませる。
タイトルの引力って言葉が実によくわかる、これ「嘘」のことなんよね。欲望とか見栄とか言い訳のために「嘘」をつく時、抗いがたい何かにグッと引き寄せられてる感があり、あれは確かに引力的やわと。
「僕はエスパーじゃない」は考えさせられたなぁ。相手の気持ちを読んで行動することに愛はないんだろうか?空気を読む、忖度までは違っても、そこから相手に対してどうするか…の行動部分には愛とか情が大いにかんけいしてると思うんだが…
どれもこれも後味悪い余韻の短編だが不思議と引き込まれるし、読み終わったあと -
Posted by ブクログ
6編が収められたダークな短編集
*海の子
*僕はエスパーじゃない
*捏造カンパニー
*極楽
*蟻の牙
*堕ちる
短編なのをすっかり忘れて読み始めた
第一話「海の子」
告別式を終えた日の夕方、
妻を病で亡くした佐々木は、二十歳の息子・海太と仏壇の前にいる場面から始まる。
私は一瞬で物語に引き込まれ、ドキドキしながら50頁ほど一気に読み進めた。
えっ?終わり?
まだ続くよね?
突然、闇の中に放り出された気分。
第二話「僕はエスパーじゃない」
あれ?
さっきと違う話?
今度は、幼い息子を持つ夫婦の話だ。
私はここでようやく短編集なんだと思い出す。
これまたラストで闇の中に置き去りにされた