岩井圭也のレビュー一覧

  • 夏の陰

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    こちらのアプリが履歴を見ておすすめしてくれたので読みました。岩井先生は初読です。

    結論からいうと、面白くて一気読みでした。被害者の息子と加害者の息子の両面から描くことで、どちらの苦悩にも思いを馳せることができました。
    事件の真相が段々と明らかになりますが、最後まで読むと様々なことが腑に落ちます。

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    2024年02月15日
  • 夏の陰

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    加害者の子と被害者の子。
    二人に降りかかる出来事がどうしようもなく理不尽で辛い。
    孤独と虚しさと憎しみに蝕まれながらも、剣の道に生きる二人の邂逅に引き込まれた。
    最後は思わず涙した。

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    2024年01月05日
  • 水よ踊れ

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    大陸回帰前の香港の様子が息づかいと共に伝わってきた。香港人としてのアイデンティティ、今後も維持してほしい。

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    2023年10月20日
  • 文身

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    ネタバレ

    どんでん返しのどんでん返し。

    1回目のどんでん返しではちょっとガッカリしたけど
    やはりラストは裏切らなかった!
    よしっ!

    しかし私小説って面白いのかな。
    文章読んだ感じではそんなにヒット作になるような作品ではなかったけど。(奥さんの死のとこは除く)

    とりあえず弟の人生は嫌だ。
    波乱万丈だった兄の方がマシだ。

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    2023年08月16日
  • 文身

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    己の分身にして、決して消えることのない刺青ー文身


    ちょっとこれ凄いじゃないのよあーた(いきなりの美川憲一)
    いやもうこれ★3以下の人とは友達になれないわほんと
    そのぐらい凄い!

    特に最後の一行はゾワゾワゾワーっと鳥肌が立ちまくりです
    そして消えない
    まさに鳥肌が文身のよう!

    よっしゃ!うまいこと言うたった

    小説というのはもともと虚構であるわけなんだけど、私小説という作者の実体験を元にした小説が真ん中にいることで、どこまでが虚でどこまでが実かの境界線が曖昧になってるんです
    そしてラストに向けてどんどんぐちゃぐちゃになっていく感じが見事すぎるのよ

    これは虚なの?実なの?虚?実?虚?実?

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    2023年07月19日
  • 文身

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    初めから衝撃的でグッと掴まれた。弟の書いた筋書き通りの破天荒な生き方を兄が実行して生きていく。この二人の切れない絆が、物語がエスカレートしていくにつれて怖かった。だけど後半にまた一番の衝撃があり、最後は頭が混乱。結局庸一の人生は誰が決めたものなんだろう。悲しくて虚しい人生。でも小説だから本当のところはわからないということなんだな。

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    2023年07月14日
  • 竜血の山

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    水銀にまつわる村の少年の成長の話

    芦弥の下の緩さは嫌い、妻も妾も子も誰1人幸せにならない
    性描写も少なからずあったしきもい…
    結局自分の事しか考えてなかった
    それは集落という閉塞的な空間で育ったから仕方ないのかな

    「また会えてよかった」と芦弥が忠樹に言った一言が刺さった!
    読んでて色々思う事があって泣いてしまった
    話の内容で現代人の私には…ん?って感じるところもあるけど結局こういう歴史があるから私たちは今
    幸せに暮らせるんだろうな

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    2023年06月04日
  • 水よ踊れ

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    観光客の目にはとまらない香港の素顔を垣間見ることができた。都市計画という視点で香港を捉え、ミステリーに仕立てた著者の手腕に舌を巻いた。面白かったです。

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    2023年05月05日
  • 横浜ネイバーズ

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    ネタバレ

    横浜市の中華街に住む少年の探偵小説。

    僕自身たまたま横浜(しかも中区)で育ったので、登場した地名から雰囲気がイメージ出来てとても楽しく読めました。

    主人公が高校時代にとある事件を解決したという事から始まり、各章の依頼者から過去の実績を出され、不本意ながらその依頼を受けるという導入が毎回面白かったです。

    主人公は探偵のセンスが勿論ありますが、協力してくれる仲間(警察官や、sns運用のプロ、アーティストなど)に恵まれているなと感じました。

    最後に気になる伏線(ロンの両親、ヒナの本性)も貼られていました。次作もとても楽しみです。

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    2023年04月21日
  • 文身

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    うわぁ〜と叫びたい‼︎
    完全に弄ばれた感が。゚(゚´ω`゚)゚。

    高校生の庸一と中学生の堅次
    頭脳明晰な弟と弟に着いていくだけの兄
    「弟を信じていれば間違いはない」
    この二人が弟の擬装自殺という計画を立て故郷を捨て東京に出るまでの第一章。
    昭和30年代頃かな?ノスタルジックな文体に引き込まれていきます。

    そこからの怒涛の展開は兄を意のままに操る堅次がサイコパスか?と思える。怖い!薄気味悪い!
    堅次にとっての庸一は何なのか?愛か執着かただの道具か?

    庸一の発表する私小説で物語は進みます。
    壮絶な人生、その私小説に昭和最後の文士と呼ばれるまでの庸一と庸一の人生を創っている堅次。

    絶筆となる

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    2023年04月20日
  • 文身

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    久しぶりに寝る時間を忘れて読みふけりました。
    知り合いに紹介されて「そんな面白いのー?」と疑心暗鬼でしたが、謝ります。
    どんでん返し、や、ちょっと変わった設定が好きな人にオススメです

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    2023年01月20日
  • 竜血の山

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    昭和13年、北海道東部の山奥で、自然水銀の湧く巨大鉱山が発見された。
    那須野寿一は、鉱山技師として調査に入った山奥で、ひとりの少年・榊アシヤと出会う。
    その集落には、〈水飲み〉と呼ばれる水銀への耐性という特殊な体質を持つ者たちが住んでいた。

    フレシラ鉱山に住む〈水飲み〉の一族と鉱業所で働く者たちの物語だが、かなり壮大でありとても重みのある内容だった。
    水銀と共に生きる一族の繋がりの深さだけではなく、失踪や殺人、水俣の公害問題、動物実験、その中で戦争の混乱もあり、これが時代を感じるということなんだと思った。
    読み応えのある一冊だった。


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    2022年06月09日
  • 竜血の山

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    ガツンと重い作品でした。
    面白かったです。

    時は1959年から。
    北海道のフレシラ鉱山で働く鉱夫たちの中に<水飲み>と呼ばれる、水銀に耐性を持つ血筋の者たちがいました。
    その者たちは<水飲み>故に、水銀中毒を起こす心配がなく、フレシア鉱山で優遇されて働いていました。

    その中の一人榊芦弥(さかきあしや)が主人公です。
    アシヤは<水飲み>故に妬まれ、二番堀の底に落とされますが6日後に水銀を飲みながら生還し、不死身の鉱夫と呼ばれるようになります。

    フレシア鉱山の内部抗争や家族間の諍い、人知れず殺人事件も起こります。

    戦争がなくなり、平和になり、水銀の需要もなくなり、熊本で水俣病が発症します。

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    2022年05月24日
  • 竜血の山

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    北海道の石北峠にあったイトムカ鉱山をモチーフにした物語。
    水呑みと呼ばれる現地民を主人公にしたフィクションだけど、水銀鉱山の歴史を知ることが出来て、とても読み応えがあった。

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    2022年05月06日
  • 水よ踊れ

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    ネタバレ

    イギリスから中国への変換が目前に迫った香港に帰ってきた主人公瀬戸和志。建築学勉強のための留学という名目だったが、本当の目的は3年前になくした恋人の死因をさぐるためだった。

    中国共産党の手により香港から民主主義が消えていく、という社会情勢を縦軸に、和志の成長譚を横軸に、さらには国籍問題や難民問題、貧困層の生活描写なども色濃く反映しつつ、織りなされる物語は、想像していたものと全然違ってよい意味で濃い味つけで読み応えもしっかりしていた。

    現実に起こっている香港の状況や事件、台湾や南インド洋における中国の覇権主義。何も中国だけが悪者でもないんだろうが、政治に翻弄される庶民の生活を考えるとたまったも

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    2021年11月29日
  • 水よ踊れ

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    激流の香港を生き抜いた彼らの志(ウィル)をどう受け止め読み解くかは、私たちに投げられた課題だ。
    返還前、90年代後半の熱量に溢れた香港の街、人々、建築、匂い、食べ物、圧倒的筆力で描かれた景色は、私たち日本人に様々な思慮を与えるに十分足りるし、その流れの速さに負けぬくらいのテンポで進むストーリーに置いて行かれぬよう、拳をにぎりしめながらページを捲らなくては呑み込まれてしまう。
    スラムの闇に消えた少女。
    ビルの屋上で暮らすボートピープル。
    保釣運動をする民主派の学生会幹部。
    幽霊屋敷に暮らす活動家。
    共産党員の大物建築家。
    アイルランドからの留学生。
    政治に巻き込まれ政治の中で生きることを、あらた

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    2021年08月22日
  • 水よ踊れ

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    瀬戸は日本の大学から香港の大学へ建築を学ぶためやってきた交換留学生。しかし建築だけが理由ではなかった。もっと前、13歳から17歳まで香港にいた。それは香港が中国に返還される激動の時期だった。そしてその時に最愛の女性が死んでいて、その謎を解くために再度やって来たのだった。

    登場人物に感情移入させられるだけでなく、香港を含むアジアの近現代史を考えさせられる傑作。

    建築をストーリーに絡めるのはやや強引な感じがしたが、それもまたOK。

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    2021年08月12日
  • 水よ踊れ

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    1997年香港が中国に回帰する直前。日本人の和志がそこで見たもの、感じたもの。貧しさのなかで暮らす恋人との出会いとささやかな日々。その終わり。その当時の香港の政治、市民の声。方向性はそれぞれでもその熱量は大きい。中国の一部になることの恐れ、怒り、諦め。舞台は97年だけれど今の物語のよう。今を、未来を変えようとする強い思い、志(ウィル)が後半になるにつれ大きく膨らんでいく。一人の人間としてどう生きていくのか、どう生きたいのかを問われているような小説。岩井さんの作品は初めて読んだけれど他の作品も必ず読もうと思う。

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    2021年07月17日
  • プリズン・ドクター

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    短編の連続で面白かった。刑務所内ミステリー。主人公が矯正医官で、プライベートも大変で気持ちを寄せやすい。父親と、恋人とこれからどうなるのか、続編が楽しみ。90

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    2021年04月24日
  • 最後の鑑定人

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    「科学は嘘をつかない」の信念で事件を解決に導く鑑定人の土門。機械的なようでいて、助手の高倉をはじめとした関わる人々を魅了していくのが心地いい。各編の終盤で一気に語られる真相が、救いがなかったり、心が締め付けられたりと感情が揺さぶられる

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    2025年12月20日