文身

文身

1,760円 (税込)

8pt

ここに書かれたことは実現しなければならない――好色で、酒好きで、暴力癖のある作家・須賀庸一。業界での評判はすこぶる悪いが、それでも依頼が絶えなかったのは、その作品がすべて〈私小説〉だと宣言されていたからだ。他人の人生をのぞき見する興奮とゴシップ誌的な話題も手伝い、小説は純文学と呼ばれる分野で異例の売れ行きを示していた……。ついには、最後の文士と呼ばれるまでになった庸一、しかしその執筆活動には驚くべき秘密が隠されていた――。真実と虚構の境界はどこに? 期待の新鋭が贈る問題長編!

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文身 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年04月21日

    初めての作家さん。
    一気に引き込まれた。

    分かっていたはずの虚構と現実が、最終章でぐちゃぐちゃになる。何度も読み直して、時々思い返して悩む。何日も掛けてようやく答えが出た。

    娘明日美を描いてこなかった理由。しばらく放心した。

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    Posted by ブクログ 2023年07月19日

    己の分身にして、決して消えることのない刺青ー文身


    ちょっとこれ凄いじゃないのよあーた(いきなりの美川憲一)
    いやもうこれ★3以下の人とは友達になれないわほんと
    そのぐらい凄い!

    特に最後の一行はゾワゾワゾワーっと鳥肌が立ちまくりです
    そして消えない
    まさに鳥肌が文身のよう!

    よっしゃ!うまい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月14日

    初めから衝撃的でグッと掴まれた。弟の書いた筋書き通りの破天荒な生き方を兄が実行して生きていく。この二人の切れない絆が、物語がエスカレートしていくにつれて怖かった。だけど後半にまた一番の衝撃があり、最後は頭が混乱。結局庸一の人生は誰が決めたものなんだろう。悲しくて虚しい人生。でも小説だから本当のところ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年04月20日

    うわぁ〜と叫びたい‼︎
    完全に弄ばれた感が。゚(゚´ω`゚)゚。

    高校生の庸一と中学生の堅次
    頭脳明晰な弟と弟に着いていくだけの兄
    「弟を信じていれば間違いはない」
    この二人が弟の擬装自殺という計画を立て故郷を捨て東京に出るまでの第一章。
    昭和30年代頃かな?ノスタルジックな文体に引き込まれていき...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年03月28日

    凄い作品に出会った。
    作品自体がその時代背景があるからなのか、昔好きで読んでいた昭和の文豪の小説を読んでいるような不思議な感覚を感じる。

    まずタイトルが「分身」ではなく「文身」。読後考えてみて「分身」でも違和感なくストーリーと共和する気がするが、さらに彫っての「文身」なのだろうと推測。

    「現実と...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年01月20日

    久しぶりに寝る時間を忘れて読みふけりました。
    知り合いに紹介されて「そんな面白いのー?」と疑心暗鬼でしたが、謝ります。
    どんでん返し、や、ちょっと変わった設定が好きな人にオススメです

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    Posted by ブクログ 2021年07月06日

    まことさんのレビューで凄く気になっていた作品。
    久々に、やられた小説に出会った。

    日本海に面した田舎町に生まれた兄、須賀庸一と弟の堅次。大柄な体格とは正反対の気弱な庸一と、神童と呼ばれていた堅次は、廃れた街と両親から逃れる為の計画を立てる。
    それは高校受験に嫌気がさし、庸一の目の前で堅次が自殺した...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年06月03日

    これは一体どういう話なのだろうかと思いました。
    今まで、こんな小説は読んだことがなかったです。
    恐い小説でした。
    読み終えたときは凄い小説を読んだと思いました。

    時系列にストーリーをたどると、1963年、高校生の須賀庸一は中学生の弟の堅次に誘われて家出の計画を立てます。二人は両親を快く思っていませ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年02月15日

    途轍もなく趣味が悪く陰鬱な内容に嫌気が差しながらも、この物語の結末が気になり読み続けた。

    自伝や私小説は先にその人の歩んだ人生や経験ありきで描かれるが本作で描かれる私小説はその逆を行く。

    小説で書いた内容をなぞる様に、酒好きで暴力癖のある男を演じる須賀庸一。
    その裏には兄弟間の秘密が隠されている...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月06日

    前半から中盤までは「ほぉー」って感じで進んで同じテンポで退屈さえ感じるのに、終盤の怒涛の展開で鳥肌止まらない。
    これはマジで良かった。
    タイトルと、序章の読み易さに惹かれてなんとなく読んでたけど、最後までちゃんと読んで良かったと思える作品。危なく途中放棄するとこだった。
    虚構と現実。とにかくこれが読...続きを読む

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