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ここに書かれたことは実現しなければならない――好色で、酒好きで、暴力癖のある作家・須賀庸一。業界での評判はすこぶる悪いが、それでも依頼が絶えなかったのは、その作品がすべて〈私小説〉だと宣言されていたからだ。他人の人生をのぞき見する興奮とゴシップ誌的な話題も手伝い、小説は純文学と呼ばれる分野で異例の売れ行きを示していた……。ついには、最後の文士と呼ばれるまでになった庸一、しかしその執筆活動には驚くべき秘密が隠されていた――。真実と虚構の境界はどこに? 期待の新鋭が贈る問題長編!
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Posted by ブクログ
文身だと刺青という意味にもなるが本作はそれとは少し違う。分身、とでも言うべきなのだろうがそれともまた違う。ではやはり文身なのか、と延々にループする。 ロクでもない男たちの物語ではある。救いようがない。 ただ、そのロクでもない人物たちから生み出されたものが面白いのだから仕方がない。 本作の展開が見事だ...続きを読むった。次第に虚構と現実が混ざり合ってその境界線が見えなくなってくるのだ。凶悪さとも違う、本当にどうしようもない人間たちの虚無的視点とも言えばいいのか。それに射抜かれるようだった。
いやいやいや…ちょっと待って… こんな読後感、初めてかも。 「夜更けより静かな場所」で、岩井圭也さんを知り、他の作品も読んでみたいと思い、こちらを手に取りました。また全然違う作風。 読んでくうちに内容に飲み込まれていました。 今も飲み込まれたままです。
うわ〜、凄いとは聞いてたけど、これは凄い! よくこんなプロット考えつくな〜 「虚構と真実の境目に迷い込んでみませんか?」 岩井さんのこの言葉どおり、まんまと迷い込んでしまった。 弟の描く私小説に、翻弄される兄の人生。 大筋の話だけでも先が気になって読む手が止まらなかったけど、最後の方で降...続きを読むりかかる、???の嵐。 そしてラスト1行で更なる、???の嵐。 どこまでが虚構なのか、いったい何が真実なのか? めっちゃ翻弄された。。 今も頭の中で、え?どういう事?ってぐるぐるしてる。 岩井さんの思惑にしっかりハマってしまった。 人によって解釈が違うだろう作品。 また時をおいてじっくり読み直してみたい。 その時はまた違った捉え方をするかも知れない。 すっきりはしないけど、めっちゃ面白かった!
またまた岩井さんにやられました! この前読んだ『水よ踊れ』 読む手が止まりませんでした 気づけば一気に読み そして思いました、 「あぁ、すごい!」と そのときの感覚が再びやって来ました この『文身』で 気づけばまた一気に読み そして今度は、 「あぁ、すごい!」じゃない 「あぁぁぁぁぁぁ、すごい!...続きを読む」だ 「あぁぁぁぁぁぁ、すごい!」のこの気持ちをレビューに書こうとチャレンジするも… 「あぁぁぁぁぁぁ、ダメだ!」 書けない! この凄さが書けない! ま、いいっか 書くのを諦めました 「あぁぁぁぁぁぁ、すごい!」 もうこれだけでこの作品の凄さを感じ取ってください!
ブク友さんの熱いレビューをみて、読まずにはいられなくなった本。岩井圭也さんは初読み。 これは、すごい! 読み終えてタイトルの「文身」という言葉(入墨という意味があることは知らなかった)、装丁の石(虹の骨)を改めて見ると、その意味がぐっと心に押し寄せてくる。 物語の中の小説は多くの人に嫌悪感を持たせる...続きを読むであろう内容なのに、これほど惹きつけられてしまうのが不思議。 そして、ラストは「え?どういうこと???」となりながら、何が真実で何が虚構なのか最後の最後まで迷いながら読んだ。 岩井さんの他の作品も読まなくては!
初めての作家さん。 一気に引き込まれた。 分かっていたはずの虚構と現実が、最終章でぐちゃぐちゃになる。何度も読み直して、時々思い返して悩む。何日も掛けてようやく答えが出た。 娘明日美を描いてこなかった理由。しばらく放心した。
己の分身にして、決して消えることのない刺青ー文身 ちょっとこれ凄いじゃないのよあーた(いきなりの美川憲一) いやもうこれ★3以下の人とは友達になれないわほんと そのぐらい凄い! 特に最後の一行はゾワゾワゾワーっと鳥肌が立ちまくりです そして消えない まさに鳥肌が文身のよう! よっしゃ!うまい...続きを読むこと言うたった 小説というのはもともと虚構であるわけなんだけど、私小説という作者の実体験を元にした小説が真ん中にいることで、どこまでが虚でどこまでが実かの境界線が曖昧になってるんです そしてラストに向けてどんどんぐちゃぐちゃになっていく感じが見事すぎるのよ これは虚なの?実なの?虚?実?虚?実? 虚虚実実虚虚虚実虚虚…うきょーー!!
初めから衝撃的でグッと掴まれた。弟の書いた筋書き通りの破天荒な生き方を兄が実行して生きていく。この二人の切れない絆が、物語がエスカレートしていくにつれて怖かった。だけど後半にまた一番の衝撃があり、最後は頭が混乱。結局庸一の人生は誰が決めたものなんだろう。悲しくて虚しい人生。でも小説だから本当のところ...続きを読むはわからないということなんだな。
うわぁ〜と叫びたい‼︎ 完全に弄ばれた感が。゚(゚´ω`゚)゚。 高校生の庸一と中学生の堅次 頭脳明晰な弟と弟に着いていくだけの兄 「弟を信じていれば間違いはない」 この二人が弟の擬装自殺という計画を立て故郷を捨て東京に出るまでの第一章。 昭和30年代頃かな?ノスタルジックな文体に引き込まれていき...続きを読むます。 そこからの怒涛の展開は兄を意のままに操る堅次がサイコパスか?と思える。怖い!薄気味悪い! 堅次にとっての庸一は何なのか?愛か執着かただの道具か? 庸一の発表する私小説で物語は進みます。 壮絶な人生、その私小説に昭和最後の文士と呼ばれるまでの庸一と庸一の人生を創っている堅次。 絶筆となる「巡礼」そして死後に登場する「文身」 ここまでも相当面白いのですが… ここからがもう読むのが止まらない! いや待て!そうくるのか⁈と驚き 全てを覆す後半に絶句… ラストの一行にトドメの一撃です_| ̄|○ 岩井圭也さん凄いよ! 地味に面白かったとレビューした「最後の鑑定人」 からの今作‼︎ ぜひ読んで頂きたいわ\(//∇//)
久しぶりに寝る時間を忘れて読みふけりました。 知り合いに紹介されて「そんな面白いのー?」と疑心暗鬼でしたが、謝ります。 どんでん返し、や、ちょっと変わった設定が好きな人にオススメです
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