竜血の山

竜血の山

1,980円 (税込)

9pt

水銀、この美しい毒に囚われた二人の青年の数奇な運命――

昭和13年、鉱山技師の那須野寿一は、北海道東部の山奥で、巨大な水銀鉱床と地図にない集落を発見する。〈フレシラ〉という名のその集落には、ある秘密を抱えた一族が暮らしていた――。
フレシラの鉱夫となった一族の青年アシヤ。寿一の息子で、水銀に魅せられた源一。太平洋戦争、朝鮮戦争特需、水俣病の公害問題……昭和の動乱に翻弄された二人の青年の、数奇で壮絶な生き様を描く!

【目次】
第一章 赤い岩 ―昭和13年
第二章 水飲みたち ―昭和17年
第三章 不死身の鉱夫 ―昭和18年
第四章 冷たい山 ―昭和24年
第五章 ある母子 ―昭和26年
第六章 人間の血 ―昭和34年
第七章 湖底 ―昭和38年
第八章 飛ばない鳥 ―昭和39年
第九章 きらめく水のほとり ―昭和43年

...続きを読む

竜血の山 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年06月04日

    水銀にまつわる村の少年の成長の話

    芦弥の下の緩さは嫌い、妻も妾も子も誰1人幸せにならない
    性描写も少なからずあったしきもい…
    結局自分の事しか考えてなかった
    それは集落という閉塞的な空間で育ったから仕方ないのかな

    「また会えてよかった」と芦弥が忠樹に言った一言が刺さった!
    読んでて色々思う事があ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年06月09日

    昭和13年、北海道東部の山奥で、自然水銀の湧く巨大鉱山が発見された。
    那須野寿一は、鉱山技師として調査に入った山奥で、ひとりの少年・榊アシヤと出会う。
    その集落には、〈水飲み〉と呼ばれる水銀への耐性という特殊な体質を持つ者たちが住んでいた。

    フレシラ鉱山に住む〈水飲み〉の一族と鉱業所で働く者たちの...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年05月24日

    ガツンと重い作品でした。
    面白かったです。

    時は1959年から。
    北海道のフレシラ鉱山で働く鉱夫たちの中に<水飲み>と呼ばれる、水銀に耐性を持つ血筋の者たちがいました。
    その者たちは<水飲み>故に、水銀中毒を起こす心配がなく、フレシア鉱山で優遇されて働いていました。

    その中の一人榊芦弥(さかきあ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年05月06日

    北海道の石北峠にあったイトムカ鉱山をモチーフにした物語。
    水呑みと呼ばれる現地民を主人公にしたフィクションだけど、水銀鉱山の歴史を知ることが出来て、とても読み応えがあった。

    0

    Posted by ブクログ 2023年06月15日

    昭和の水銀鉱山が舞台。ファンタジー要素がテーマに深く関わりますが、戦時中と戦後の水銀需要、水銀鉱山と水俣病など、事実も散りばめられていて不思議とリアリティのある読み心地。
    終わり方がとても美しい。好き。
    でも登場人物たちがあまり好きになれるタイプではなく星4つ。

    0

    Posted by ブクログ 2023年01月19日

    01月-08。4.0点。
    戦前から戦後の水銀鉱山の物語。北海道の鉱山に暮らす、水銀中毒にならない人達の集落、主人公は集落の子供。

    主人公と水銀鉱山の関係者たちの物語、面白い。物語の熱量、人間模様の描写が非常に優れている。この作家、将来的に直木賞獲りそうだな。

    0

    Posted by ブクログ 2023年01月04日

    ある水銀鉱山鉱夫の一生、
    著者の岩井さんは、どうして、こういう本を書きたいと思ったのか、知りたいと思いました。
    執筆の動機に興味あります。

    0

    Posted by ブクログ 2022年03月15日

    北海道の巨大な水銀鉱床。水銀に耐性をもつ「水のみ」と呼ばれる山中集落の人々。戦争、特需、水俣病、差別。昭和の動乱のなか、炭鉱の町で水銀と共に生きる人々の壮大な物語。
    水のみ、というファンタジー要素がありながらも、史実になぞらえた設定とリアルな描写でのめり込まずにはいられなかった。アシヤが人として出来...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年01月23日

    タイトルだけ見て、ついに岩井さんがファンタジーを書いたのかと狂喜したが、北海道に実在した水銀鉱山をモデルにした歴史大作だった。
    昭和13年、北海道東部の町・辺気沼近くの山麓で、辰砂(硫化水銀の塊)が発見される。派遣された調査班は、山中にひっそりと暮らす部族と出会う。彼らは先天的に水銀に対する耐性を持...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2022年09月22日

    久しぶりに寝る間を惜しんで読み切った程、引き込まれた。ただ、もう読み返すことはない。
    話の内容はぐいぐい引き込まれる凄ぶる良質な作品ではあるのだけれど、内容が暗くて再読したくない。
    主人公の性格が嫌だ。なんだよ妾って。絶対許すまじだわ。
    誰も幸せになっていないし…困ったもんだ…

    0

竜血の山 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める 小説

小説 ランキング

岩井圭也 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す