【感想・ネタバレ】竜血の山のレビュー

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Posted by ブクログ

水銀にまつわる村の少年の成長の話

芦弥の下の緩さは嫌い、妻も妾も子も誰1人幸せにならない
性描写も少なからずあったしきもい…
結局自分の事しか考えてなかった
それは集落という閉塞的な空間で育ったから仕方ないのかな

「また会えてよかった」と芦弥が忠樹に言った一言が刺さった!
読んでて色々思う事があって泣いてしまった
話の内容で現代人の私には…ん?って感じるところもあるけど結局こういう歴史があるから私たちは今
幸せに暮らせるんだろうな

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2023年06月04日

Posted by ブクログ

昭和13年、北海道東部の山奥で、自然水銀の湧く巨大鉱山が発見された。
那須野寿一は、鉱山技師として調査に入った山奥で、ひとりの少年・榊アシヤと出会う。
その集落には、〈水飲み〉と呼ばれる水銀への耐性という特殊な体質を持つ者たちが住んでいた。

フレシラ鉱山に住む〈水飲み〉の一族と鉱業所で働く者たちの物語だが、かなり壮大でありとても重みのある内容だった。
水銀と共に生きる一族の繋がりの深さだけではなく、失踪や殺人、水俣の公害問題、動物実験、その中で戦争の混乱もあり、これが時代を感じるということなんだと思った。
読み応えのある一冊だった。


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2022年06月09日

Posted by ブクログ

ガツンと重い作品でした。
面白かったです。

時は1959年から。
北海道のフレシラ鉱山で働く鉱夫たちの中に<水飲み>と呼ばれる、水銀に耐性を持つ血筋の者たちがいました。
その者たちは<水飲み>故に、水銀中毒を起こす心配がなく、フレシア鉱山で優遇されて働いていました。

その中の一人榊芦弥(さかきあしや)が主人公です。
アシヤは<水飲み>故に妬まれ、二番堀の底に落とされますが6日後に水銀を飲みながら生還し、不死身の鉱夫と呼ばれるようになります。

フレシア鉱山の内部抗争や家族間の諍い、人知れず殺人事件も起こります。

戦争がなくなり、平和になり、水銀の需要もなくなり、熊本で水俣病が発症します。
そんな斜陽産業に携わる男たちとそれを取り巻く女たち、家族、一族の物語です。
<水飲み>は竜血の山に愛された一族。
<水飲み>の不死身の鉱夫アシヤの生涯を描いた物語。

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2022年05月24日

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北海道の石北峠にあったイトムカ鉱山をモチーフにした物語。
水呑みと呼ばれる現地民を主人公にしたフィクションだけど、水銀鉱山の歴史を知ることが出来て、とても読み応えがあった。

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2022年05月06日

Posted by ブクログ

昭和の水銀鉱山が舞台。ファンタジー要素がテーマに深く関わりますが、戦時中と戦後の水銀需要、水銀鉱山と水俣病など、事実も散りばめられていて不思議とリアリティのある読み心地。
終わり方がとても美しい。好き。
でも登場人物たちがあまり好きになれるタイプではなく星4つ。

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2023年06月15日

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01月-08。4.0点。
戦前から戦後の水銀鉱山の物語。北海道の鉱山に暮らす、水銀中毒にならない人達の集落、主人公は集落の子供。

主人公と水銀鉱山の関係者たちの物語、面白い。物語の熱量、人間模様の描写が非常に優れている。この作家、将来的に直木賞獲りそうだな。

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2023年01月19日

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ある水銀鉱山鉱夫の一生、
著者の岩井さんは、どうして、こういう本を書きたいと思ったのか、知りたいと思いました。
執筆の動機に興味あります。

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2023年01月04日

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ネタバレ

久しぶりに寝る間を惜しんで読み切った程、引き込まれた。ただ、もう読み返すことはない。
話の内容はぐいぐい引き込まれる凄ぶる良質な作品ではあるのだけれど、内容が暗くて再読したくない。
主人公の性格が嫌だ。なんだよ妾って。絶対許すまじだわ。
誰も幸せになっていないし…困ったもんだ…

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2022年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

岩井圭也の小説を初体験。なるほど評判のとおり読ませる小説を書く作家さんだというのが第一の感想。

体質的に水銀中毒にならない耐性をもつ「水のみ」という人々を主人公格においているので、もっと土着ファンタジーかと思ったが、意外にも公害問題と産業基盤の変遷に踊らされる鉱山労働者の労働問題に主眼を置いた大河小説だった。

プロレタリアート文学というのは、思想臭がまとわりつきやすく、主義主張に賛同するかどうかはともかくも、俺のように娯楽としての読書をしている立場には、どうも説教臭くてなじめないことが多い。この作品にも一部そういう風味があって多少辟易とした。

そういう意味では、ファンタジー要素は臭みを和らげる効果もあって良かったのかも。逆に純然たるプロレタリアート文学を求めて読む人には、ブラック愛好家におけるコーヒーフレッシュや砂糖のような余計な味付けなのかもな。

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2022年05月05日

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ネタバレ

アイデアだけで成り立つ小説かなという気はするが、何か西村健の炭鉱物のような荒々しさがある。
 それにしても、この作家さんの抽斗の独創的なところには感心する。

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2022年03月27日

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北海道の巨大な水銀鉱床。水銀に耐性をもつ「水のみ」と呼ばれる山中集落の人々。戦争、特需、水俣病、差別。昭和の動乱のなか、炭鉱の町で水銀と共に生きる人々の壮大な物語。
水のみ、というファンタジー要素がありながらも、史実になぞらえた設定とリアルな描写でのめり込まずにはいられなかった。アシヤが人として出来上がっていないところが逆に生々しさを与え、感情をむき出しにする人々の心の動乱もよく見てとれた。
簡単に死人が(殺人含め)出すぎな感じも否めないけれど、あるいはそういった時代だったのかもしれない。
水銀というものの色や質感や冷たさが挿絵のように作品を景色づけていた。
終わり方はは少し物足りない気もしたけれど、それすら時代の成せるわざかと思えた。
読み応えばつぐん。

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2022年03月15日

Posted by ブクログ

タイトルだけ見て、ついに岩井さんがファンタジーを書いたのかと狂喜したが、北海道に実在した水銀鉱山をモデルにした歴史大作だった。
昭和13年、北海道東部の町・辺気沼近くの山麓で、辰砂(硫化水銀の塊)が発見される。派遣された調査班は、山中にひっそりと暮らす部族と出会う。彼らは先天的に水銀に対する耐性を持ち、やがて開かれた鉱山で働くことになる。その中の1人、アシヤを主人公として彼の数奇な人生を描く。
軍事的に必要とされた水銀と、その毒性ゆえの採掘の難しさをうまく物語に取り入れている。予測不可能な展開に唸った。

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2022年01月23日

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