岩井圭也のレビュー一覧

  • 楽園の犬
    第二次大戦前,サイパンを舞台に海軍のスパイとして生きることになった喘息の持病のある麻田,防諜の中で自殺や殺人事件の謎を解く.戦争へと突入する中で家族を思い生きることを諦めないその姿勢に心打たれる.
  • 永遠についての証明
    天才数学者の生涯の話。

    孤独、数学への思いの共有、そしてまた孤独、、、
    未解決の問題に取り組む数学者。

    数学の知識が無くても読めた。
  • 楽園の犬
    なんだこれは。
    何がそうさせるのか言葉にできないが、空気が伝わってくる。冷たさ、熱さ、速さ、早さ、遅さ、震え、静けさ、騒がしさ、虚しさ。引き込まれ続けて、「ああそうだ、死とは…」と思いに耽る。
    久々にあたった。ありがとう芝さん。
  • 付き添うひと
    多くのブク友さんのレビューで気になり読みたい本リストに入れていました。
    少年審判における手続きや処遇の決定が適切に行われるよう支援する弁護士、付添人の具体的な役割と大変さを描いている。オボロ先生の決して器用ではない中に、関わる少年とその家族へ真摯な態度で自らの出自とも対峙している。絡まりあった紐を丁...続きを読む
  • 永遠についての証明
    下手に感想を述べたくないくらいに好きな本。
    文体、内容、読んでいる時の心地と肌感覚……何から何まで至高です。是非、というか絶対に読んでほしい、としか言えないです。
  • 生者のポエトリー
    読書備忘録778号。
    ★★★★★。

    素晴らしい物語でした。
    これまで生きてきて、最も遠いところにあった詩というモノの持つ力を感じることが出来ました。

    詩の持つ力で前を向いて生きていこうと藻掻く6人の物語から構成され、物語から物語へタスキのように魂の力が伝わっていきます。

    顔面緘黙症の青年はコミ...続きを読む
  • 楽園の犬
    主人公の麻田健吾は、東京帝国大学を卒業した後に英語教師として従事していたが、重度の喘息持ちのために度々休職を強いられていた。
そんな麻田に、旧友が転地療養を兼ねて南洋庁サイパン支庁への転職を勧められ、愛する妻と可愛い息子を横浜に残して単身で赴任することを決める。
    この地には真紅の花を咲かせる鳳凰木が...続きを読む
  • 永遠についての証明
    才能に溢れた数学者たちの苦悩、嫉妬、劣等感、葛藤
    そして孤独…
    それぞれが抱く感情の揺れ動きを繊細に描いた物語

    数学に関して飛び抜けた才能を持つ瞭司は、特別推薦生として大学へ入学する。
    同じく特推生の熊沢や佐那と出会い、初めての友人を得た瞭司は、信頼する恩師と友人たちに囲まれ、数学に没頭し、幸せな...続きを読む
  • 楽園の犬
    『楽園の犬』とは反戦の物語だ!
    「戦争」という大義によって軽んじられる「いのち」を守るために「戦争」と戦う物語だ!


    はい、先日読んだ『文身』が超面白かった岩井圭也さん
    次は何を読もうかな?と思っていたら新作が借りられたので読んでみることにしました
    秋さんも推してたし(重要)

    物語は太平洋戦争勃...続きを読む
  • 水よ踊れ
    大陸回帰前の香港の様子が息づかいと共に伝わってきた。香港人としてのアイデンティティ、今後も維持してほしい。
  • 楽園の犬
    鬼★5 人間としての魂の叫びに痺れる… 開戦間近、占領下サイパン島でスパイになった教師 #楽園の犬

    ■あらすじ
    1940年、アメリカとの開戦間近の日本。英語教師として生業を得ていた主人公の麻田だったが、喘息のため休職中であった。家族を養うため日本占領下サイパン島での役人の仕事を得るも、日本海軍の堂...続きを読む
  • 完全なる白銀
    読んでいて、エベレストに登頂した、作品 淳子のてっぺん を思い出しました。 緑里の普通さが凄い冒険にまで、連れて行くのかと、驚きました。 良い本でした。 感動‼️
  • 楽園の犬
    生きることを諦めない。

    一介の英語教師であった麻田は、家族を養うために単身、サイパンでの役所仕事兼防諜業務に従事する決意をする。
    いつか家族と再会できることを希望にして、難しい業務をこなしていく。
    だが、一度スパイとして働いたが最後、その運命からは逃れられない…。

    日本がアメリカと開戦し、敗戦の...続きを読む
  • 付き添うひと
    少年犯罪における弁護人の役割を担うのが『付添人』
    この小説で始めて知りました。
    傷つき、心を閉ざした子供たち
    そんな彼らと真正面から向き合い、辛抱強く温かく、寄り添っていく付添人のオボロ(朧太一)
    とても魅力的な主人公です。


    しかし、その描写は……
    「男のスーツは、見るからにくたびれていた。」
    ...続きを読む
  • 文身
    どんでん返しのどんでん返し。

    1回目のどんでん返しではちょっとガッカリしたけど
    やはりラストは裏切らなかった!
    よしっ!

    しかし私小説って面白いのかな。
    文章読んだ感じではそんなにヒット作になるような作品ではなかったけど。(奥さんの死のとこは除く)

    とりあえず弟の人生は嫌だ。
    波乱万丈だった兄...続きを読む
  • 文身
    己の分身にして、決して消えることのない刺青ー文身


    ちょっとこれ凄いじゃないのよあーた(いきなりの美川憲一)
    いやもうこれ★3以下の人とは友達になれないわほんと
    そのぐらい凄い!

    特に最後の一行はゾワゾワゾワーっと鳥肌が立ちまくりです
    そして消えない
    まさに鳥肌が文身のよう!

    よっしゃ!うまい...続きを読む
  • 付き添うひと
     それにしても、岩井圭也の犯罪というテーマへのこだわりの強さには、心揺らされる。
     中山七里さんの御子柴とは正反対の朧さん。これでもかというくらいに、現実を受けとめようとする。ただ、それだけにもしかすると登場人物達がリアルさを欠くと感じさせる嫌いがあるのかもしれない。
     でも、また、朧さんの小説に会...続きを読む
  • 文身
    初めから衝撃的でグッと掴まれた。弟の書いた筋書き通りの破天荒な生き方を兄が実行して生きていく。この二人の切れない絆が、物語がエスカレートしていくにつれて怖かった。だけど後半にまた一番の衝撃があり、最後は頭が混乱。結局庸一の人生は誰が決めたものなんだろう。悲しくて虚しい人生。でも小説だから本当のところ...続きを読む
  • 完全なる白銀
    山岳小説は過去にも何冊か読んだ覚えがある。本書も緊迫感溢れる素晴らしい作品だった。思わず寝る時刻を大幅にオーバーして読み切ってしまった。登場人物総てが主人公であることは間違いない。久し振りに感動した。良い本をありがとう!
  • 竜血の山
    水銀にまつわる村の少年の成長の話

    芦弥の下の緩さは嫌い、妻も妾も子も誰1人幸せにならない
    性描写も少なからずあったしきもい…
    結局自分の事しか考えてなかった
    それは集落という閉塞的な空間で育ったから仕方ないのかな

    「また会えてよかった」と芦弥が忠樹に言った一言が刺さった!
    読んでて色々思う事があ...続きを読む