岩井圭也のレビュー一覧

  • 永遠についての証明
    高校生で論文を作成した経歴を持ち天才的な数学の才能がありながら対人関係に苦手意識を持つ主人公と、数学オリンピックで代表になった経歴を持つ男女の3人が大学の特別推薦生として出会うことをきっかけにした物語です。

    最初は互いに惹かれ合い努力しあっていた関係性が徐々に妬みや環境の変化からずれが生じていきま...続きを読む
  • 楽園の犬
    1940年 太平洋戦争勃発前 南洋サイパン
    高校英語教師を 喘息のため辞し 
    南洋庁サイパン支庁庶務として勤務することになった麻田
    堂本少佐の元 日本海軍のスパイとなることが
    条件だった
    イメージしていた訓練されたスパイ小説とは趣きが違いました
    スパイの密命を受けた麻田は 東大を卒業して
    英語は堪能...続きを読む
  • 最後の鑑定人【電子版特典付き】
    人は嘘をつくけれど、科学は嘘をつかないのは確かにそうだなと思いました。科学は客観的に物事を捉える指標になると思いますが、過信しすぎてもだめだと思いました。
  • 最後の鑑定人【電子版特典付き】
     刑事事件の証拠品やデータについて、科学的鑑定を行う民間鑑定所「土門鑑定所」の二人が大活躍します。4篇構成で、とっても面白いです。
     土門さんといえば、『科捜研の女の』の土門薫刑事ですが、こちらは元科捜研の土門誠先生、ややこしい。
     土門先生、科捜研をおやめになり、自ら鑑定所を開所。科捜研時代には、...続きを読む
  • 楽園の犬
    一国の政治が歯止めなく流された結果が軍国主義となって多くの国民の命を奪った。反対にポピュリズムも今さえ良ければ良いという民衆の刹那的な雰囲気で国力を低下させる。多くの流れに抵抗する一定の想いがいつでも発言できる時代でありたい。
  • 永遠についての証明
    岩井圭也さんの作家デビュー作!
    数学で圧倒的な才能(本作では「数覚」という)に恵まれた三ツ谷瞭司と、彼に影響され刺激を受けた数学に関わる人達の物語。

    文系の私にはついて行けるか心配だったが、全く問題なかった。数学の作品と言えば真っ先に思い当たるのが『博士の愛した数式』
    そして天才学者といえば湯川学...続きを読む
  • 楽園の犬
    「親子月軍衣まとひし楽園の犬の骸に桜降り敷く」

    昭和15年。太平洋戦争開戦がひたひたと迫っている頃である。
    南洋・サイパンに一人の男、麻田健吾が降り立つ。
    麻田は喘息持ちだった。秀才で将来を嘱望されていたが、就職難と自身の病気が重なり、ようやく女学校への就職口が得られたのみだった。ところが、病状が...続きを読む
  • 付き添うひと
    未成年には付添人
    弁護人じゃないんだ、知らなかったというのが読み始めての感想

    思った以上に良い本でした

    子どもは、いつも大人に振り回されるんですよね…
    自分ではどうにもならないことが多すぎて
    向き合ってくれる人がいる、それを実感することで救われること、何も子どもだけじゃない
    自分も自身と向き合っ...続きを読む
  • 人生賭博 横浜ネイバーズ(4)
    ロン絶好調。気を揉ませてきたヒナとの仲もどうやらうまく行きそう。
    3編目から登場する天才少年が面白い。しかしそれを手なづけるロンは人たらしの天才だな。
  • 凪の海 横浜ネイバーズ(3)
     1巻、2巻に続き現代社会に通ずる問題を扱うのが上手く、それをストーリーに絡めていく部分が面白かった。そしてナギがまた前を向けるようになったのもよかった。また、「主人公のロンが多少ベクトルは違うけど、SKET DANCEのボッスンに似ているかも。」とも思った。
  • 横浜ネイバーズ
     初読みの作家さんで、フリーターが中華街で起こるトラブルや事件を解決する部分が「令和版IWGP(池袋ウエストゲートパーク)みたいだ。」と思った。ただ、中華街を舞台にした人間模様や現代社会にも通ずる問題をテーマにした事件を扱っている部分が面白かった。
  • 飛べない雛 横浜ネイバーズ(2)
     今回の巻でヒナが救われたのとロンが自分の過去と対峙する場面が印象的だった。今後人間模様やロンがどのように変わっていくかが楽しみ。
  • 夏の陰
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    殺人犯の息子
    vs被害者の息子

    剣道を介して出会ってしまった岳と和馬。
    ラスト2ページで必ず涙する、罪と赦しの物語!!
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    岩井さん4作品目です。
    突き抜けた落差が激しい(心が揺れる)のは「文身」...続きを読む
  • プリズン・ドクター
    岩井さん作品「永遠についての証明」「文身」に続き、三冊目です。
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    刑務所で働く新人医師が、
    命と罪の謎に挑む!

    出版業界注目の俊英が描く、
    感動必至の人間ドラマ
    「何回読んでも、
     ラスト、涙が止まらない」
    絶賛の声多数!
    ------------...続きを読む
  • 永遠についての証明
    大好きな時代小説家 今村翔吾さんが、
    同期、意識している作家と語られていたのがきっかけで。
    初めて手に取りました。

    数学の天才(神童)とも言うべき三ツ矢瞭司。
    幼少期から友達と同じ感覚や会話ができず、
    隔たりや孤独を感じていた。
    彼を癒していたのは
    無数の自然のなかに存在する数字、数学たち。

    ...続きを読む
  • 楽園の犬
    2024年の第77回日本推理作家協会賞候補作品。候補作を読むのは3作目だけど、どれもレベルが高い。この作品、太平洋戦争前夜のサイパンを舞台にするって発想がまずすごい。で、ミステリーとして面白いし、戦争を取り扱った話としても深い。悲しいわ・・・
  • 横浜ネイバーズ
    よく知っている場所の話で、楽しめました。地元で幼い頃から家族みたいに育った友達や大人達との関係も良かった。
  • 楽園の犬
    楽園=サイパン、犬=スパイ
    太平洋戦争下のしかもサイパンだけを舞台にした、さらに海軍のスパイという設定でここまで読ませるのはすごいことだ。海軍だけでなく、陸軍の海軍へのスパイであるとか、米軍の犬(スパイ)であるとか、入り組んだストーリーに加えて太平洋戦争におけるしっかりとした調査も伺える。
    そしてエ...続きを読む
  • 楽園の犬
    第二次世界大戦中の、日本の植民地になっているサイパンが舞台の話。
    海軍のスパイとして、アメリカ側のスパイを摘発する主人公・麻田。
    連作短編集のように、一つの章に一つの事件という構成になっているが、最後の章は、アメリカとの戦争が開始され、主人公の雇い主である海軍少佐・堂本が失踪したことで、海軍から、麻...続きを読む
  • 楽園の犬
    目を惹くのは表紙の木に咲く赤い花。
    これが鳳凰木ー別名、南洋桜の花でサイパンではこの南洋桜が咲くのは春から秋にかけて。
    10月にはすべての花が落ち、枯れるがたった一本だけ12月に咲いてる木がある。
    その木の下で…。

    1940年のサイパンで日本海軍のスパイという使命を帯びていた1人の男の生きざま。
    ...続きを読む