岩井圭也のレビュー一覧

  • 楽園の犬

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    とても読みごたえのある本だった
    "生きる"、"自分の意思ん持つ"事が難しい時代だったと思う

    私がこの時代にいたらどうなっていただろう
    ただ流されるまま人に言われた通りだっただろうなと思う

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    2025年05月18日
  • 楽園の犬

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    面白かった。戦時中のスパイものだけれど、体の弱いインテリがスパイっていうのも珍しく楽しめた。
    最近、読みたいものを読む読書を控えていた。生活や人生における焦りで、何か身になる物を読まなければと、読みたい本ではなく読んだ方がいいだろう本を続けて読んでいた。社会問題、地政学、教育の本など…すると、気分はより沈み、どんどん闇が深くなってしまっていた。
    久しぶりに読みたい物を読もうと手に取ったこの本。本の世界に入り込めて、現実逃避にもなり、純粋に楽しめた。
    金原ひとみさんがある番組で言っていた。「どこにも居場所がなかったけれど、本の中にだけは居場所がある気がした」と。まさにそんな感覚だった。
    この本の

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    2025年05月14日
  • 永遠についての証明

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    誰も悪い人はいなくて皆んな自分の人生に真剣に向き合ってるのは分かるけど、それでも少し寄り添う事は出来なかったのだろうかと思う。瞭司の孤独が辛すぎるし悲しすぎる。けど、熊沢は最後に「誰かが解いてくれればいい」という瞭司の意思を受け取り引き継いだ事で救われたし感動でした。一気に岩井圭也さんを好きになりました。

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    2025年05月06日
  • われは熊楠

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    南方熊楠についてまるで知らずに読んだ。
    天才的な能力。自由すぎる行動。脳の病気に悩まされていたけど、常人にはないひらめきはある意味彼の武器とも言える。
    周りの人たちも相当なもの。
    家族に反対されながらも長年金銭面で支えた弟。妻と娘の献身もすごい。

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    2025年05月06日
  • 科捜研の砦

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    主人公は、っていうか主役は科捜研の砦!土門 30歳男性インテリ
    幾度も繰り返されている「無表情 ベージュの上下スーツ 寡黙 」

    だが、人間であり、生きており、排せつも恋愛も所Ⅸ久慈もする・・正直、想像しがたいが。
    自室に閉じこもり、内省の時間が生きているうちの5割はあろうかと。

    対象となる事件の主役脇役には事情があり、感情がある。
    もちろん、土門にも‥しかし、彼の身上は「人はうそをつくが 科学はうそをつかない」

    しかし携わる人には誤謬も、バグも、勘違いもあり得る‥それが幸運に繋がることもあるし、残酷な事も。

    久しぶりに燃える程面白いシリーズに出会った・・追いかけなきゃ。
    読む順は多少ラ

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    2025年04月30日
  • 楽園の犬

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    戦前のサイパンを舞台にした防諜系スパイもの。いわゆるスパイものとは雰囲気が違って、普通な感じのエリートがっていうのが面白い。岩井圭也、こういうのも書くんだ。それにしてもサイパン、気になる……。

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    2025年04月29日
  • われは熊楠

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    audible 。南方熊楠の生涯を描いた大作である。とにかく長い。
    一つひとつのできごとの記述が微に入り細に入る。心理描写も含めて作者の並々ならない熱意を感じる。この人は熊楠の熱さを身に引き受けて自らも熱く熱くなり、正座でもして書いたように思えた。

    先日読んだ「ボタニカ」の牧野富太郎もそうだが、昔の人はすごい。家族や肩書きまで振り捨てて自らの研究に邁進するのは、今どき考えられないのではなかろうか。
    その熱をを書き表すのは作家にも楽しいのだろう。

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    2025年04月29日
  • 文身

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    ネタバレ

    『文身』という言葉を初めて知りました。
    刺青のことだそうですね。

    虚構が現実になる、というよりも、自分の手で現実にしてしまう。という表現の方が近いように、兄の人生は優秀である弟の手中にある。

    しかし、それすらも兄自身が望んだことだとしたら、本当に虚構を生きていたのは弟の方だったのかもしれません。

    終盤は読者である私も『どちらが虚構でどちらが現実なの?』といった具合に境目がわからなくなってしまいました。これも作者の狙い通りなんだろうな。

    わたしたちの身の回りにもきっと、現実だと思ってた中に虚構が含まれているんだろうと思います。気づかないまま一生を終えることもあるでしょうけど。

    おもしろ

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    2025年04月27日
  • この夜が明ければ

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    ネタバレ

    岩井圭也さんを読むのはこれで二冊目。
    北海道東端にある港町で、マスを捌く季節バイトに集った7人。
    ある日、そのうちの1人が崖から落ちて無くなっているのを発見するが、なんと6人中4人が警察に通報するのに反対するという展開に。
    正義感の強い青年の「シュウ」は、人が死んでいるのであれば必ず通報するべきだと主張するが…
    「騙された末の不法滞在」「決して自分を認めない毒親からの脱出」「家族に介護殺人という濡れ衣を着せられ逃走」「離婚を認めないモラハラDV夫からの呪縛」等、警察に通報できない事情を4人はそれぞれかかえています。
    4人が通報を反対し、自身の問題から逃げる事が正解ではないかもしれません。
    しか

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    2025年04月26日
  • 中華街の子どもたち 横浜ネイバーズ(6)

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    「横浜ネイバーズ」シリーズの第1シーズン完結巻。
    ここまで語られてきたエピソードがすべて伏線になっているのがほんとにすごい。
    6巻まで一気読みするのをおススメしたい。

    1巻からずっと続いていたロンの両親に関わる事件についての顛末。
    終盤で母親に対する気の持ちようが変わっていく様に、ロンの成長を感じて「大人になるってこういうことなんだ」って思った。子どもは親が育てるものではなく、環境の見守りの中で育つものなんだろうな。

    作中で凪が闇バイトに応募するのはお金や人とのつながりや立ち直る気力のない弱い人で、そういう弱い人を叱責するような真似はできないって言ってて、この感覚はすごく強くて優しいなって

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    2025年04月22日
  • ディテクティブ・ハイ 横浜ネイバーズ(5)

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    ネタバレ

    横浜・中華街を舞台にした「横浜ネイバーズ」のシリーズ続編。

    そもそもこのシリーズを知ったのは欽ちゃんが表紙のこの本をSNSで見て「おもしろそうだな」って思ったのがきっかけで、その時はシリーズ1冊目から5冊大人買いして、しばらく空き時間をすべてこの物語を読むことに費やしていたぐらいドはまりしてた。

    物語もどうやら終盤らしく、ここまで解決しなかった話が核心に近づいてきているので「はやく続きを…」となっている。

    このシリーズはホントに人に薦めたいんだけど、全部出揃ってから薦めた方が親切だろうなって思う。

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    2025年04月20日
  • 人生賭博 横浜ネイバーズ(4)

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    ネタバレ

    横浜・中華街を舞台にして「横浜ネイバーズ」のシリーズ続編。

    今回はロンの幼馴染マツの回。

    シリーズも4作目で、登場人物たちがもはや自分にとっても「ネイバーズ」で、「ロンだったらこういうだろうな」とか「マツはこういうところがマツだよな」とか思えてしまう。

    実在する地名を使っているのがとても物語のイメージを鮮明にしていて、人物もモデルになってる人がいるんじゃないかって本気で思えるほどのキャラクターの描き方が秀逸。

    間髪入れずに次を読み続けたくなる。

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    2025年04月20日
  • 凪の海 横浜ネイバーズ(3)

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    ネタバレ

    横浜・中華街を舞台にした「横浜ネイバーズ」のシリーズ続編。

    今回はロンの友人凪の物語。

    舞台になった川崎の臨海部はわたしにとっても特に思い出深い場所。実際の地名を使ってくれているので、情景が頭の中に浮かぶし、なんならバスの車窓も臨港バスのちょっとさみしい空気も感じられて、物語に入り込めた。

    何をもって普通というかはわからないけど、人と違う思考や嗜好を胸を張って言える人は少ないと思う。それが思春期の多感な年ごろならなおさらで、そのあたりの感情を丁寧に描写しているところがとてもよかった。

    岩井さんの書く文章は読み手を傷つけない優しさがあるのがいい。

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    2025年04月20日
  • 飛べない雛 横浜ネイバーズ(2)

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    ネタバレ

    横浜・中華街を舞台にした「横浜ネイバーズ」の続編。
    今回はロンの幼馴染妃奈子が家から出られなくなった顛末の章がメイン。

    SNSの怖いところそれがなかった時代の噂話というものは「ひとのうわさもな浜・中華街を舞台にした「横浜ネイバーズ」の続編。
    今回はロンの幼馴染妃奈子が家から出られなくなった顛末の章がメイン。

    噂話というものは「人の噂も七十五日」という感じで口の端に上ったとしても身の回りだけでそのうち忘れられていくものだったけど、SNSが一般的になったことでそれが、より広い世界に発信されるようになり、しかもその記録はずっと消えくなってしまった。

    そのあたりの残酷さを淡々と描きながらも、登場

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    2025年04月20日
  • 付き添うひと 子ども担当弁護士・朧太一

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    子ども担当弁護士、コタン。
    成人には弁護士が付くが、未成年には...?
    未成年の担当弁護士、通称コタンは、あらゆる背景を持つ子供達と向き合い、荒れた子供達のその後の人生が良くなるよう伴走していく。

    過去に学び、これからをどう生きるかを考えさせる役割を担う。成果や結果を求められる社会において、地道に人と向き合うことが価値とされる仕事。AIにはできない仕事だと思った。

    適切な理解者、そしてサポートがあれば、更生はできる。そう思わせてくれた一冊。

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    2025年04月18日
  • われは熊楠

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    「我は、この世界を知り尽くす」
    1867年生まれ、型破りの研究者である南方熊楠(みなかた・くまぐす)という実在の人物を描いた小説。

    読んでいる途中でも熊楠への好奇心スイッチが入りまくるので、ついググって調べたくなってしまう。

    例えば、熊楠は中学時代の後輩イケメンの繁太郎と、【露は二人の肌を隈無く湿らせ、汗や唾液と入り混じった…】と、何やらあやしげな夢を見る。
    「え!?そうなの!?」と調べると、熊楠は〈男色〉の文献研究を熱心に行ったことでも知られていたという。
    熊楠は男色の一体どんな研究を…とまた調べたくなり、早く続きが読みたいのに横道もすごくて、なかなか作品に戻れない(^_^;)

    今度は

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    2025年04月14日
  • 横浜ネイバーズ

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    ネタバレ

    地元横浜が舞台の小説ということでなんとなく読み始めたこのシリーズなんだけど、文字なのに情景がはっきりイメージできて、読んでいてすごく気持ちがいい。

    とくに3番目の「ベアードマンの亡霊」は描写も秀逸ながらも緊迫感や息遣いさえも感じられて、可能な限り他の雑事を後回しして一気に読み耽ってしまった。

    登場人物のキャラもしっかりたっていて、登場人物が多いわりにごっちゃにならずストレスなく読み進められる。

    誰が読んでも面白い本だと思う。
    著者の岩井さんは私の最近の一押し作家さんです。

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    2025年04月14日
  • 永遠についての証明

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    今回は天才数学者の話。
    数学は全ての科目の中で1番嫌いだったから、またもや自分の苦手な分野。

    でも、岩井さん作品は自分の苦手な分野から読みたくなる。自分の知らない世界のことを知るのが楽しい。

    瞭司は、幼い頃から天才的な数学の才能があることで周囲と馴染めず、数の世界だけが友達だった。
    そんな瞭司が初めて自分らしくいられたのが、同じく特別推薦生で入学してきた熊沢だった。
    しかし、才能があり過ぎるがゆえに熊沢や恩師たちは瞭司から離れていく。。。

    瞭司と熊沢、二人の語り手で進んでいく。
    心理描写が上手いとかそういう次元ではなくて、完全に自分もストーリーの中に入って瞭司と熊沢を疑似体験してしまった

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    2025年04月09日
  • 楽園の犬

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    太平洋戦争勃発直前の南洋サイパンが舞台。
    自分の苦手な戦争やスパイがテーマなのに今回も一気読みだった。

    スパイといっても敵国の情報を取得するスパイではなくて、スパイを見つけるスパイ。
    そこにミステリーと人間ドラマが入ってくるので、戦争ものでもエンタメ性があってとても読みやすい。

    私のように決まったジャンルしか読めない人間にとっては、ジャンルの垣根を壊して読みやすくしてくれる岩井さんの作品は本当にありがたい。

    スパイを見つけるスパイとして必死に生きる男の人生が描かれている。
    そして行ったことのないサイパンなのに、今回も主人公の隣で一緒に観ているような感覚だった。
    戦争がどのように始まって、

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    2025年04月08日
  • 舞台には誰もいない

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    すごく面白かった!!
    読むことを止めることができず、ひさびさに一気読み!!
    映像化できそうだけど、映像化すると、薄っぺらくなりそう…(笑)
    主人公である遠野茉莉子は、演じるなら
    河合優実さんがピタッとハマった私でした

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    2025年03月22日