岩井圭也のレビュー一覧

  • 生者のポエトリー

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    私には詩がわからない。歌詞を聞いても詩を読んでも、よくわからない。国語の読解レベルなら、根拠を持って類推すれば答えが出るのでそれほど苦労しなかったが、それと情が動くかということはまるで別のことだ。
    いま思うのは、背景がわからないと詩を楽しめなかったのだ。その点、『生者のポエトリー』なら、背景と詩をあわせて楽しめる。詩がうまいのかどうかわからないが、岩井圭也氏の筆致によって、詩が生き生きしているのはわかった。
    本当にこうやって詩がポジティブを生み出すのかはまだわからないが、「そうしたら楽しめるのか」と気づけたことは大きい。

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    2026年09月03日
  • あしたの肖像

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    絵を描くことは、「自分を無理やり外側に引きずり出して人目に晒す」ことだという。
    それほど苦しく、究極な自己表現ならば、私に絵を観て何かを感じ取る能力がないことを悔しく思う。
    絵に限らず、芸術を志す学生たちの悩み、焦り、必死に表現を追求する姿は胸を打った。
    ツブキリュウについてはやや納得がいかなかったけど、ところどころぐっとくる場面があり、久々に没入できた。
    星4と迷うけど、文章がけっこう好きだったので星5。

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    2026年09月01日
  • 風車と巨人

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    P318で「アッ」と声が出てしまった。そして、そこからの着地点は予想もつかないものでした。狂気的なラストと感じました

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    2026年08月24日
  • 夜更けより静かな場所

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    いろいろな発見があった。
    読書会での意見交換で本に対する感じ方が人それぞれかなり違うことを知った。
    私が感動した本が読書仲間にさほどささらなかったのがどうしてなのか理解できた。

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    2026年08月20日
  • 永遠についての証明

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    数学的な才能「数覚」を持つ数学者たちの情熱や苦悩を描いた物語。岩井圭也さんの作品を読むのは初めてでしたが、描写の美しさがとても印象に残りました。素晴らしい一冊です。

    作中に登場する「コラッツ予想」を調べてみたところ、実在する未解決問題であることを知りました。

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    2026年08月18日
  • 風車と巨人

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    カメラは嘘をつかない、が、編集は物語る。研究不正を追うドキュメンタリー制作の内側で、疑いが「真実」の顔をして立ち上がっていく過程が恐ろしい。証言は食い違い、確証はないまま、映像だけが説得力を帯びる怖さ。記録とは何か、編集とは何か。否定する大学と告発する医師、どちらを信じるかではなく、「信じたい方を選んでしまう」人間の性を突きつけられる。記録と虚構の境界は、崩れるのではなく、最初からなかったのかもしれない。

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    2026年08月17日
  • 風車と巨人

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    がん研究の教授の不正疑惑と、彼を追うドキュメンタリー番組制作者。
    自分の信じることが正義なのか、
    正義のためなら何をしてもいいのか、
    不正を正当化してでも伝えたいこととは‥

    2人の、何かに取り憑かれたかのような執念。
    自分の正しさを疑わず、正当化し続ける姿に引き込まれました。

    普段からネットニュースやテレビの番組などでの視聴者を煽るような書き方、印象を誘導するような番組や記事に違和感を感じることがありました。
    その違和感の正体が少し見えた気がする‥
    きっと、こういうことは実際にあるんだろうなと思わせるストーリーでした。

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    2026年08月12日
  • 夜更けより静かな場所

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    古書店で深夜に開かれる読書会。年齢も職業もバラバラの男女6人が集まり、課題本の感想を語り合いながら、自分の人生に向き合っていく物語。
    初読みの作家さんでしたが、めちゃくちゃ良かったです!
    読書会いいな〜。好きな本の感想に共感できたら嬉しいし、違う感想でも発見があって面白いと思います。






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    2026年08月07日
  • 永遠についての証明

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    ネタバレ

    すばらしい作品だった。天才が(特に数学のような、理解者が少なく、現実との接点が持ちにくい世界の)生きていく上でのつながりを失って、孤独になっていくということは、よくある物語の一つではあるのだけれど、彼らが感じている世界像を、数学を特に知らない私たちにも、説得力を持って描いてやろうという作者の野心には大変恐れ入ったし、よく成功していると思う。

    トップダウン的な感覚派の天才と、小さな理屈を積み重ねるボトムアップの秀才を対比させるというのも、よくある構図なのだろうけれど、感覚派が自滅するというのではなく、ボトムアップ派に追いつめられて梯子をはずされるけれど、再び救い上げられる・・・という流れはなか

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    2026年08月05日
  • サバイブ!

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    若いっていいなぁ〜。
    好きな事に全力で
    突き進んでいく事が出来るって
    素晴らしい!

    登場人物がみんなそれぞれ個性ありつつ
    違ったキャラクターで
    上手く協働していくのが興味深かった。

    10年後くらいのサバイバーズが
    見てみたい。

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    2026年08月02日
  • 拳の声が聞こえるか

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    ボクシングのお話。面白かった!
    岩井圭也の小説を読むのは5冊目。どれもテイストが違いすぎてビビる。次はどんな世界に連れていってくれるのか楽しみになってきた。

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    2026年07月29日
  • パパたちの肖像

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    子育て中のパパさんに、ぜひオススメしたい。7人の作家さんによる「現代人としての」父の姿。不器用ながらも懸命に子育てしているパパたちが勢ぞろいした短編集。どの話もどうってことのない日常ではあるんだけど、本としてまとまってくると「みなさん色々抱えてますよね…」と言いたくなる。めちゃくちゃ秀逸な1冊。

    どの話にも共感しかない…と思って読んだ。特に子どもが小さい、という話は苦しいくらいに我が家の話。7つのうち6つが共働き夫婦の話なのも、私にとっては共感につながった。

    岩井圭也『連絡帳の父』と、河邉徹『髪を結ぶ』は泣いた。

    7人の作家さんのうち、6人が1980年代生まれなのだそうだ。私と同世代だ。

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    2026年07月24日
  • あしたの肖像

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    物語がゆっくりと確実に進んでいく。
    じわじわ・・・と、良さが伝わってくる。
    シーンが思い浮かぶ。
    登場人物たちの思いが見える。
    飽きることなく読み終えました。

    岩井圭也作品は二作目だったが、
    二作ともお気に入り。相性が良いのかも・・
    また読もう・・・・・。

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    2026年07月24日
  • 夜更けより静かな場所

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    本が繋げる人との出会い。
    深夜の読書会によって人が動き心が動くことで人生の1ページが新たに紡がれていくお話

    自分にとっての大好きな本や大切な本を6人で集まり一つの本について話し合う読書会で自分にとっては誰が呼んでも素晴らしいはずなのに価値観によって少し揉めたりしながらも作品を深ぼれる居場所。

    本好きにとっては凄く理想的な古書店。友達とは違う関係でありながらもいつの間にか居場所になっていて、自分にもこんな場所があったらもっと本が好きになるのかなぁ。読んでいると本の内容が一部抜粋されていて自分も読書会にいつの間にか参加しながら読めた。
    自分だったらどんな本を課題図書に選んだだろう。

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    2026年07月03日
  • 最後の鑑定人

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    ネタバレ

    死体は生きている人よりよく話す。これがとても深かった。嘘をつくのはいつも人間。鑑定人の覚悟と信念が出ていた。動機を探るのに必要な鑑定、これが犯人の深いところを暴いていくのが良かった。

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    2026年06月30日
  • 夜更けより静かな場所

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    本の読み方は人の数だけあり、人の生き方もそれからいあるんだなと感じ、読み終わった後、自由が身近に感じた。

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    2026年06月30日
  • あしたの肖像

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    『ぼくにとって絵を描くことは、呼吸と同じだった。人は呼吸しなければ、生きていけない』


    冒頭の一文
    つまり、描けなくなったら生きる理由がない。

    そんな美大生の小滝英哉は、教授からあるアルバイトを依頼される。

    「肖像画を描いてほしい」

    モデルは学内の事故で亡くなった学生で、彼女の両親から学校に依頼があったという。

    小滝は彼女を知るために友人や実家を訪ね歩く。それと同時に、突然姿を消した恋人の宇野ひなたの行方も追う。

    その過程で小滝は自分自身と向き合い、己を知ろうと、もがき苦しむ…




    私は美大生のように特別な才能もないし、平凡な人生を送ってきたと思う。
    だけど一応青春時代を経験し

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    2026年06月22日
  • 永遠についての証明

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    ネタバレ

    ネガティブ・ケイパビリティについて知ってからこの本を読みました。
    恐らく、この本は以前にも読んでいましたが
    今回、人との関わりについてすごく考えさせられました。

    後半はどこの職場でもありそうな部下と上司の関係が描かれている感覚でした。
    誰が悪いとか、責められる点はないとしても、無自覚が一番たちが悪い。
    「正解」「正論」を伝える時に、相手の背景を何も見ようとせずに責めるような言葉を使うことがどれだけ相手を追い詰めるのか。
    今までの自分が恥ずかしく思う時間でした。

    好きだなと感じたのは、瞭司のことを思う人が暖かい人ばかりだったということ。
    「一緒に数学を楽しみたい」その思いで一緒にいられた。

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    2026年06月21日
  • 永遠についての証明

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    親友の遺した数学理論の証明を試みる話

    ヤバい!良すぎる!!妬みとプライド、後悔と希望。すべてが絶妙。証明と共に生き方も浮き彫りになる。苦しさとともにくる清々しさが本当に最高。これがデビュー作って絶句。岩井さんの文章は優しいな。読むしかない

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    2026年06月20日
  • 最後の鑑定人

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    ネタバレ



    ずっと気になっていた鑑定人シリーズ。ようやく読めました。連作短編の形になっていますが、各章とても読みごたえがあって楽しかったです。土門誠のどこまでも冷静沈着で淡々としていてクールなキャラにハマります。受付の高倉さんのキャラも絶妙で良い。短編ではありますが、縦軸の大きな謎というか、土門の過去がずっと気になっていく感じで、続編を読むのがまた楽しみになりました。

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    2026年06月13日