岩井圭也のレビュー一覧
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うわぁ〜と叫びたい‼︎
完全に弄ばれた感が。゚(゚´ω`゚)゚。
高校生の庸一と中学生の堅次
頭脳明晰な弟と弟に着いていくだけの兄
「弟を信じていれば間違いはない」
この二人が弟の擬装自殺という計画を立て故郷を捨て東京に出るまでの第一章。
昭和30年代頃かな?ノスタルジックな文体に引き込まれていきます。
そこからの怒涛の展開は兄を意のままに操る堅次がサイコパスか?と思える。怖い!薄気味悪い!
堅次にとっての庸一は何なのか?愛か執着かただの道具か?
庸一の発表する私小説で物語は進みます。
壮絶な人生、その私小説に昭和最後の文士と呼ばれるまでの庸一と庸一の人生を創っている堅次。
絶筆となる -
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ネタバレイギリスから中国への変換が目前に迫った香港に帰ってきた主人公瀬戸和志。建築学勉強のための留学という名目だったが、本当の目的は3年前になくした恋人の死因をさぐるためだった。
中国共産党の手により香港から民主主義が消えていく、という社会情勢を縦軸に、和志の成長譚を横軸に、さらには国籍問題や難民問題、貧困層の生活描写なども色濃く反映しつつ、織りなされる物語は、想像していたものと全然違ってよい意味で濃い味つけで読み応えもしっかりしていた。
現実に起こっている香港の状況や事件、台湾や南インド洋における中国の覇権主義。何も中国だけが悪者でもないんだろうが、政治に翻弄される庶民の生活を考えるとたまったも -
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激流の香港を生き抜いた彼らの志(ウィル)をどう受け止め読み解くかは、私たちに投げられた課題だ。
返還前、90年代後半の熱量に溢れた香港の街、人々、建築、匂い、食べ物、圧倒的筆力で描かれた景色は、私たち日本人に様々な思慮を与えるに十分足りるし、その流れの速さに負けぬくらいのテンポで進むストーリーに置いて行かれぬよう、拳をにぎりしめながらページを捲らなくては呑み込まれてしまう。
スラムの闇に消えた少女。
ビルの屋上で暮らすボートピープル。
保釣運動をする民主派の学生会幹部。
幽霊屋敷に暮らす活動家。
共産党員の大物建築家。
アイルランドからの留学生。
政治に巻き込まれ政治の中で生きることを、あらた -
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何かしら問題を抱えた6人が、深夜0時に古本屋に集い、一冊の本について語り合う「読書会」を開き、各々の問題に向き合って決断する話。
教官と不倫する女子大生、イップスで球投げれなくなった野球部員、毎日の生活に不安を抱えながら好きな仕事を続ける司書、親と決別したグラフィックデザイナー、演奏する事をやめたバイオリニスト。そして成り行きで店を引き継ぐ事になった読書家の古本屋店主。
皆それぞれに感銘を受けた本を持ち寄り、その感銘を共有したいと、読書会に臨みますが、他の参加者が自分とは同じ感想をなかなか持ってくれない所が、良かったです。
自分の感想を時には否定されたり、自身では全く気づかなかった視点からの -
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岩井圭也さんらしい…
遺伝子操作、ウイグル問題といった日本人が無関心な問題を真正面から扱っている。
しかも、設定は2029年という近未来。
中国が舞台であることで聴き慣れない名称ばかりが続き、日本人にはまるで他人事のように感じるストーリー。
そして、近未来すぎて現実味がない故に陰謀論のようだと感じさせる。
でも、どこかの国で似たような研究が実際に行われている可能性はあると思う。
遺伝子操作もウイグル人問題も、真相はわからないことだらけだけれど、こんなディストピアな世界は近づいているはず。
そうだとして、これからどう生きて行こうかと考えさせられる。
遺伝子操作やクローン技術で生まれた人