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“詩”は人をつよくする――。トラウマを抱え言葉をうまく発することができない青年・悠平が、急きょ舞台で詩を披露することになり……。(「テレパスくそくらえ」) 最愛の妻を亡くした元気象庁技師・公伸は、喪失の日々のなかで一編の詩に出会う。(「幻の月」) 学習支援教室の指導員・聡美と、ブラジル出身の少女・ジュリアの心を繋いだのは、初めて日本語で挑戦した詩だった。(「あしたになったら」)……ほか、人生の大切な一歩を踏み出す、その一瞬を鮮やかに描いた全6編。逆境のなかで紡がれた詩が明日を切り拓く、心震わす連作短編集。
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年11月16日
読書備忘録778号。
★★★★★。
素晴らしい物語でした。
これまで生きてきて、最も遠いところにあった詩というモノの持つ力を感じることが出来ました。
詩の持つ力で前を向いて生きていこうと藻掻く6人の物語から構成され、物語から物語へタスキのように魂の力が伝わっていきます。
顔面緘黙症の青年はコミ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月08日
詩を詠むという事を題材にした連作短編6話。短編だけど、どれもとてもじんわりと心に沁みる。それぞれの話の主人公たちが、日頃から胸に留めていた想いを詩に託して、何らかのキッカケで外に発信する瞬間が清々しくて良かった。老若男女、不器用だったり、愚かだったり、頑張り屋だったり、みんな普通の人たちで、その詩も...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月05日
詩を作る、朗読する。普通に生きていると恥ずかしくてそんな事出来ないと思ってしまいます。でも誰でも言葉を連ねる事で作れるのが詩です。巧拙もテクニックも気にせず心の赴くまま言葉を連ねる。それが自分表現になるし、人の心を打ったりします。
そしてなんらかの形で人前で朗読をする、いわゆるポエトリーリーディング...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月26日
最初はとまどった。この作者の作品は、ちょっと変わった設定が多いことは知っている。詩だって、今度は。
しかし、まさかこんなに熱くなっていく人間の姿を見せてくれるとは。一人ひとりの登場人物は、とても不器用な人たちばかりなのに。
言葉は、心なのだ。言葉で表し行動することで、前へ進むことができるのだ。...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月01日
いい小説を読んだと思いました。
詩を創り朗読する人たちの連作短編集。
各編ともにその主人公が創った詩が載っています。
「テレパスくそくらえ」
中学生の時場面間黙症で壮絶ないじめに遭っていた悠平25歳。日雇いのバイトで知り合った久太のライブを勇気を出して観に行くと、久太に場つなぎに詩の朗読を頼まれま...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年04月15日
“詩”を主題とした6篇から成る連作短篇集。それぞれの作品には連作と呼んでいいか悩むほどの繋がりしかないが、最終話ですべてのエピソードが1つになる。そして遥かに大きなものへと変わる。
短篇だからさほど複雑なものではない。岩井さんの作品にしては物足りなさを感じるかもしれない。収められた作品の主人公達はそ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月02日
6つの短編
年齢もさまざまな人達
誰もが自分の置かれた環境に悩んでいる。
悩みもそれぞれ
自分な心を見つめて吐き出す。
まさに吐き出すと言う表現が相応しい。
詩は難しいと思っていた…
思いすぎていたかもしれないと思った。
われわれが生きていくのに
詩を叫ぶ以外の理由があるかい?
「詩」に対す...続きを読む
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